
Google擁するAlphabetとFacebookは、2015年第4四半期の業績を相次いで発表しました。
両社とも市場予想を上回る業績を残しており、中でも「動画」や「モバイル」の好調さを明らかにしています。
Appleの時価総額を抜いたGoogle
Alphabetによると、Googleの2015年Q4の売上は前年比18%増の212億ドルを記録。2015年度の総売上は745億ドルに達しました。
GoogleのCEO、Sundar Pichai氏のコメントによると、特に顕著な成長を見せたのが「動画」と「プログラマティック広告」とのこと。広告のビューアビリティ保証や、スキップ可能なTrueView広告がその要因になっていると分析しています。
またモバイル広告収入も大きく伸びているとのことです。
今やオンラインショッピングの30%はモバイルから行われています。米国の主要商戦期であるBlack FridayやThanksgivingなどにおいては、今やモバイル広告の売上がデスクトップのそれを上回っていることも明らかにされました。
ユーザー数も着実に増えているYouTubeは、今後も動画マーケティングを展開する企業にとって魅力的かつ不可欠な存在であり続けるでしょう。Pichai氏は、テレビをはじめとするオフラインの予算をYouTubeにシフトしてもらうべく取り組んでいくとの方針を強調しました。
市場予想を大幅に上回る過去最高売上を記録したFacebook
MAU(月間アクティブユーザー)が15.9億人に達したFacebook。中でもユーザー数が急増しているのが、やはりモバイルです。下のグラフを見ても、モバイルアプリユーザー増加の勢いは一目瞭然です。
画像参照元:Facebook IR情報より
そしてこれに比例するようにモバイル広告も大幅に伸びており、広告全体の売上56.37億ドル(前年比57%増)の80%を占めるのがモバイル広告ということです。
画像参照元:Facebook IR情報より
Facebookにおける1日あたりの動画視聴総時間が1億時間に
Facebookの広告収入を牽引する「動画」について、Mark Zuckerberg氏は1日あたりの動画視聴時間がトータルで1億時間に達していることを明らかにしました。
同社は2015年9月の決算発表時に1日の動画再生「回数」が80億回を超えたことを公表しています。しかしFacebookではフィード上で3秒間自動再生されると1回再生とカウントするため、そのデータに対する見解は分かれるところがありました。
片やYouTubeでは2012年から、動画へのエンゲージメント度合いをより表しているという見解から、動画再生回数ではなく視聴時間を重視する方針をとってきました。
今回、Facebookが「再生回数」から「視聴時間」に指標を変更した背景には、「動画プラットフォーム」としてのポジションを目指す上で、ライバル的存在であるYouTubeへの意識が読み取れます。
なお、2014年末時点でYouTubeにおける1日の動画視聴時間は3億時間とのデータがあり、成長スピードから計算すると現在は6億時間を超えていると推測されます。このように比較すると、両社にはまだまだ大きな差があり、YouTubeが世界一の動画プラットフォームであることは揺るがない事実です。
しかし事業戦略の中心に「動画」を置き、次々に動画機能を強化させ、VR開発にも積極的に取り組んでいるFacebookは、企業が動画マーケティングを展開する上で魅力的なソーシャルメディアであることもまた間違いないと言えるでしょう。
それぞれに強みを持つ両社の今後の動向には引き続き注目していきたいと思います。