GaryVaynerchuk氏は、1997年に家族が経営する酒屋を基盤としたワイン専門のECサイト「Wine Library」を開設しました。その後、2006年に自身がワインを紹介する動画ブログ「Winelibrary TV」を開始。この両サイトをリンクすることにより、ECサイト開始前の年商300万ドル(約2億5000万円)から、7年間で年商6000万ドル(約50億円)になるまでに成長を遂げました。
ここまで成長した要因は何にあるのか、詳しく紹介していきます。
ユニークな表現力で「出演者」をブランド化
「Winelibrary TV」は、ピーク時には1日に10万人が視聴する程の人気を博した動画ブログです。部屋の片隅で男性がテーブル上のワインの味について語るだけの動画が、なぜそれほどまでにユーザーを惹き付けているのでしょうか。その理由は、出演者であるGaryVaynerchuk氏のユニークな表現にあります。
ワインの味を堅苦しく難しい表現で説明する専門家が多い中、同氏は「濡れた靴下のような味」と表したり、「ポップ,ポップ,ポップ」というキャッチフレーズを使ってバターポップコーンのような風味を伝えたりするなど、自由に表現。一度見たら忘れられない、勢いのあるユニークな説明は多くの人を驚かせ、興味を惹き付けました。
「ワインの専門家が砕けた表現で味を紹介する」という、これまでの常識を変えるユニークな動画。これにより“GaryVaynerchuk氏というユニークなワインの専門家”がひとつのブランドと化し、一躍有名になったのです。
視聴者を顧客に変える!ECサイトへの誘導戦略
ユニークな動画を提供するだけでは残念ながら売上アップには繋がりません。「Winelibrary TV」には視聴者を購入へ誘う仕組みもしっかりと作られているのです。
その仕組みが、動画の下に記載されている「Wines tasted in this episode(このエピソードの中で味わわれたワイン)」のリンクです。その名称の通り、動画ごとに味合われたワイン名が記載されており、貼られているリンクはECサイトである「Wine Library」の該当商品ページに繋がっています。
“GaryVaynerchuk氏のユニークな動画”を見に来た人が商品(ワイン)に興味を持ったところで、ECサイトへ誘導。この流れを作ることで、ただの“視聴者”をも“顧客”に変化させ、売上アップに繋げることに成功しているのです。
動画活用の戦略はひとつではない
ECサイトでは「商品特性を知るために顧客が動画にアクセスする」という流れが一般的です。一方、出演者のキャラクターをブランド化することで「動画視聴者を顧客にする」という、これまでと異なる導線で売上アップ・ECサイトの知名度アップに成功したのが今回の事例です。新たな動画活用の戦略、ユーザーにとって魅力的な動画コンテンツを作る手法として、参考にしてみてはいかがでしょうか。
[参考]
Winelibrary TV
http://tv.winelibrary.com/
Wine Library
https://winelibrary.com/
Gary Vaynerchuk
http://garyvaynerchuk.com/