
動画マーケティングというと、大企業のプロモーションやバイラルなど、BtoCのイメージが強いですが、実はBtoBの世界でも動画マーケティングの重要性は増しています。
今回は、BtoB企業の購買担当者の動向に関する調査結果から、BtoB企業が動画マーケティングに取り組むべき理由と、始める際におさえておくべき5つのポイントをまとめました。
BtoB業界の世代交代に伴い動画の重要性が向上
Googleは米BtoB企業の購買担当者約3000人を対象に、日々のリサーチ行動や購買行動に関する調査を実施。2012年と2014年の結果を比較したところ、非常に興味深い変化が明らかとなりました。
▼ミレニアル世代(18〜34歳)の購買担当者が70%増加し、全体の46%を占める
▼91%の購買担当者が購入検討プロセスにおいてスマートフォンを使用
▼70%の購買担当者が購入検討プロセスで動画を視聴(2012年から52%の増加)
▼B2B企業の動画が89.5万時間再生され(2014年)、半数近い担当者は30分以上動画を視聴
購買担当者に増えているミレニアル世代は、インターネットやデジタルデバイスに精通している点が特徴で、オンラインでのアプローチが上の年代以上に有効です。彼らはYouTubeなどで長時間動画を視聴することにも抵抗がなく、役に立つ動画を見つけると同僚とシェアし、企業サイトや検索でさらに詳細な情報を集めることを習慣的に行っています。
仮にミレニアル世代が事業の直接の顧客とならない場合でも、この世代のデジタルへの親和性や、ウェブ上のコンテンツから受ける影響の大きさを考慮したコミュニケーション戦略を組み立てる必要があると言えるでしょう。
動画マーケティングを始める前に知っておくべき5つのポイント
それではここから、同調査の結果や市場動向に基づき、BtoB企業が動画マーケティングに取り組む際に押さえておきたいポイントを5つご紹介します。
1. SEO対策
上述の調査によると、リサーチを行う際、9割の人がウェブ上の「検索」を使っており、さらに彼らはブランド名や企業名ではなく、製品カテゴリーなどで検索を始めるとのことです。つまり、リード獲得の第一歩となるSEO対策は非常に重要なファクターとなっているのです。
その点、動画はSEOに非常に効果的で、「動画を含むウェブページは、動画を含まないページに比べ、Googleの検索結果上位1ページ目に表示される確率が最大53倍」(過去記事 )になると言われているほど。潜在顧客が解決したい課題や求めるものをしっかり研究した上でキーワードを抽出し、動画のタイトルやタグ、説明文を工夫することが必要です。
2. 見込顧客が知りたい情報を魅力的に伝える
同調査によると、購買担当者の関心が高い動画内容は、「製品の特徴」「製品の使い方」「専門家による評価」とのこと。細かいスペック情報よりも、その製品が顧客にどのような価値を提供してくれるのか、という情報を知りたがっています。
動画を制作する際は、イメージ動画のような前振りは最小限に留め、その代わりに、製品のベネフィット、顧客に提供できる価値を確実かつ魅力的に伝えることに注力すべきです。そのひとつの手法として、ユーザーの声の紹介やモーショングラフなども有効でしょう。
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3. サイトへの誘導
動画単体をYouTubeに乗せるだけでは、その効果は限定的であり、動画を通して関心を持った見込顧客を逃がさないことが大切です。動画再生中や視聴後すぐに製品紹介ページや問い合わせページ、メルマガ登録ページなどに誘導できるYouTubeのカードやアノテーション機能は、簡単に設置できる上に、高い効果が期待できます。
4. マルチデバイス化、ブラウズ対応
調査にもあったように、BtoBの分野でも購買決定までのプロセスでモバイル端末を利用する人が増えてきており、マルチデバイス対応を進めることも必要になっています。
動画を制作する際は、スマートフォンやタブレットなどで視聴されることをも想定し、特定のデバイスやブラウザでしか見ることができない状況は極力避けたいところです。
5. メール動画への展開
せっかく動画を制作したら、メールにもどんどん活用しましょう。過去の記事 でもご紹介したように、メールに動画を加えることで、開封率やサイト流入率が大幅に向上します。
さらに動画再生状況まで追うことができれば、顧客の関心事まで把握でき、営業活動に生かすことができるでしょう。
ファーストコンタクトから購入決定まで重要な役割を担う動画
BtoB業界での見込顧客とのファーストコンタクトの多くはオンラインで起こっていると考えてよいでしょう。リード獲得において重要となるファーストコンタクトで、動画を通して製品の価値を魅力的に伝えることができれば、他社と差別化を図れるだけでなく、より記憶に残りやすくなります。動画を見たあとに企業サイトを訪れる人は65%にのぼるという別調査の結果もあり、動画を入り口として質の高いリードの獲得を狙うことが可能な時代になっていると言えるでしょう。