menu

市場動向・レポート 2014年11月19日

米Yahoo!が、米国最大の動画広告配信プラットフォームを買収。動画広告の世界標準を目指す。

キーワード: 動画広告

先日、米Yahoo!が米国最大の動画広告配信プラットフォームBrightRollを買収したとの発表がありました。

Yahoo!のMarissa Mayer CEOはブログで「動画は、いわば”ディスプレイ広告2.0”だ」と表現。今までバナー等の画像・Flashを表示していた広告枠を使って、大規模に動画広告を配信していく可能性があると匂わせています。

米Yahoo!は2014年11月11日、動画広告配信プラットフォームを提供するBrightRollを6億4000万ドル(約742億円)で買収したことを発表しました。

YahooBrightRoll

BrightRollは2006年設立で、デスクトップ/モバイル/コネクテッドTVに動画広告を配信できるプラットフォームを手掛ける企業。同社の売上高は、2014年に1億ドル(約116億円)を超えると見込まれており、直近では、Googleでプラットフォームセールス戦略のトップを務めていたBruce Falck氏がCOOとして参画するなど、勢いを増す成長企業として注目を浴びています。

動画配信サイトと言えば、YouTubeの名前が真っ先に思い浮かぶかと思いますが、同社のプラットフォームは米国で動画マーケティングを実施する上で欠かせないツールとなっています。

  • BrightRollのプラットフォーム経由で1日に配信される広告動画はおよそ20億件。
  • マーケティング専門誌『AdAge』が発表した「米国の広告主トップ100」に入る87社、広告代理店上位15社のうち全社、主要な10種類のDSPのすべてがBrightRollを利用。
  • comScoreが発表した2014年8月のアメリカでのオンラインビデオランキングで、BrightRollは米国民の51.3%にリーチ。動画広告配信の部門で、Facebookが2014年7月に買収を発表したLiveRailの46.8%、Googleサイトの37.6%などをおさえて1位に輝く。

同社は、ニュースサイト等へも積極的に配信しており、さまざまなサイトやモバイルアプリを通して動画が視聴されています。

プログラマティック・バイイング(データに基づく広告枠の自動買い付け)によって、広告主の希望する条件で出稿できるサイト・アプリ(配信面)を探し出し、リアルタイムで配信可能な動画広告のインベントリ(広告在庫)の買い付けを行うことができる、BrightRollの動画配信プラットフォームは、数千件を超えるサイトやアプリに動画広告を出稿する際に利用されています。

Yahoo!がBrightRollを買収した影響は?

そんなBrightRollをYahoo!が買収したことにはどのような意味があるのでしょうか。短期的な面、中長期的な面から考えてみましょう。

短期的には、今回の買収によって、Yahoo!の持つ動画広告のインベントリ(広告在庫)とBrightRollを使って買い付けることができる動画広告のインベントリが共有されることになります。

これまでBrightRollを使っていた広告主・代理店にとっては、Yahoo!というブランド力あるサイトへの動画広告配信がBrightRollを通してできるようになり、逆にYahoo!を利用していた広告主・代理店にしてみると、BrightRollが保有するインベントリへの配信が可能になるため、従来よりもずっと多くの露出を確保できるようになるというメリットがあります。

また「動画広告」=「動画再生前に流れるプリロール広告」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、Yahoo!にはもっと別の形で動画広告を活用しようという考えがあるようです。

Yahoo!のMarissa Mayer CEOはブログで「動画は、いわば”ディスプレイ広告2.0”だ」と表現しています。「ブランドバナー広告を作り変え、取って代わるもの」になる可能性があり、「Yahoo!のディスプレイ広告のビジネスを最先端のもの」にするポテンシャルがあると記しています。

yahoo_dsp

こうしたブログの内容から、従来は画像やFlashが表示されていたディスプレイ広告枠で、今後は動画広告を流すようにしようとYahoo!が考えていると推測できます。

もしYahoo!がそうすることで収益性を改善できたのなら、当然、他社も追随するでしょう。今見ているサイトのバナー広告の枠で動画が流れるようになる日も、そう遠いことではないかもしれません。

ウェアラブル向けも。動画広告の標準がYahoo!主導で決まるように?

また中長期的な面では、動画広告をめぐるディファクトスタンダードを策定する上で、BrightRollを買収したYahoo!の発言力が大きくなることが予想されます。

Yahoo!のブログでは、「動画はブランド広告主が好むもの。テレビから、PC、モバイル、そしてさらにウェアラブルへと、しなやかに、そして簡単に移行させるフォーマットだ」とMayer CEOが書いています。さらにBrightRoll CEO(最高経
営責任者)のTod Sacerdoti氏は今回の発表に伴い「業界としてプログラマティックな動画広告を一歩前に進めるためには、世界へと規模を拡大して標準を固めていくべきだと考えている」というコメントを出しています。

両者のコメントを踏まえると、ウェアラブルのような新端末で、あるいはこれから動画広告の本格導入が決まる国で流れる動画広告の標準は、米Yahoo!の意向が大きく反映されたものになっていくのかもしれません。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

動画制作や動画マーケティングにお困りならLOCUSへ

株式会社LOCUSでは大手企業から新進ベンチャー企業まで、1,500社以上の動画マーケティング支援を行っています。

幅広い用途や、多種多様な表現手法が揃う動画制作実績もご覧いただけます。