プレスリリース×動画でメディア露出UP!広報活動における動画の有効性を示すデータと効果的な活用ポイント
キーワード: 動画の効果・データ

動画マーケティングの最先端を行くアメリカでは、プレスリリースへの動画添付は標準仕様になりつつあります。
日本でも動画掲載が可能なプレスリリース配信サービスも増えてきており、PR活動に動画を取り入れる環境が整ってきました。
そこで今回は動画プレスリリースの効果検証実験の結果や、実際に取り組む際のポイントをご紹介します。
近年、企業の広報活動や各種マーケティング・コミュニケーションにおいて、“ストーリー性”が重要視されています。これは、生活者にその企業やブランドに対して関心や共感を持ってもらい、心のつながりを形成する上で有効だと考えられているためです。動画はこのストーリーを伝える力が強いことから、欧米を中心にPRの領域での動画活用が進んでいます。
また、ウェブメディアにおけるコンテンツのリッチ化が進んだことから、プレスリリースに写真や動画を含めることで、より多くの露出や拡散が望める時代にもなってきました。
加えて、SEOの観点でも動画は有効です。プレスリリースやウェブページにSEO対策 を施した動画を埋め込めば、検索順位の向上が見込めます。
明らかとなった動画プレスリリースの効果
このように、PR活動とも親和性の高い動画ですが、プレスリリースに動画を掲載した際の具体的な効果を証明するデータも出てきています。
米プレスリリース配信会社PR Newswireが公表した調査結果によると、テキストだけのリリースよりも、画像や動画、音声を添付したリリースの方が、閲覧数やシェア、クリック数が上回ったそうです。
さらにエンゲージメントの面でも、テキストリリースと比較して、画像の添付で14%増、動画と画像の添付では2倍、さらに音声データを添付すると3.5倍という高い効果が見られたとのことです。
画像参照元:http://www.prnewswire.com/news-releases/press-releases-shared-more-on-facebook-but-twitter-drives-30-percent-more-views-133526808.html
一方、米国のPR会社とSPコンサルタント、プレスリリース配信会社が共同で行った検証実験からも、動画の有効性が明らかになっています。
この実験では、テキストのみ、写真添付、動画添付の3種類のプレスリリースを配信し、その結果を比較しています。
調査概要
米ニューオーリンズ内の事業者たちがオンラインで商談や取引をできるプラットフォームGet City Dealzがローンチされる際、そこに参加する3つの事業者を紹介するプレスリリースを3つのタイプで作成。
・テキストリリース
ブティックGlam 504の紹介リリース。おしゃれなジュエリーや服を数多く扱うブティックだが、画像類を一切掲載せずに文字だけで構成。
・画像付きリリース
レストランOrleans Grapevineの紹介リリース。おすすめメニューの写真を掲載。
・動画付きリリース
雑貨ショップJazzy Nolaの紹介。店舗スタッフが商品を紹介する動画を掲載。
この3つのプレスリリースを毎週土曜日の朝に順番に配信した結果が次のとおりでした。
画像参照元:http://www.reelseo.com/video-news-release-554-views-press-release-multimedia/
動画付きプレスリリースは、テキストのみのリリースよりも閲覧数で55.4%増、リンククリック数で36.1%増という結果となりました。写真付きプレスリリースでは閲覧数4.6%増、リンククリック数7.1%増だったことから、動画の効果の大きさが見て取れます。
▼プレスリリースに添付されたJazzy Nolaのスタッフによる商品紹介動画
リリースに添付された実際の動画をご覧いただくと分かるように、決して本格的に撮影されたものではなく、ピンボケさえ起こっている、素人による簡易的な動画です。しかし、この中で紹介されたワインタンブラーと人形はいずれも数日で完売したとのことです。動画の訴求力の大きさを物語る成果です。
プレスリリースに動画を取り入れるために知っておきたいポイント
それではここから、プレスリリースに動画を活用する上での具体的なノウハウをご紹介していきます。まずは、プレスリリースに掲載すると有効な動画の主なアイデアを挙げます。
商品紹介
商品やサービスはもちろんのこと、デモンストレーションやハウツー、商品使用時のコツの紹介なども、動画によって訴求力が高まります。テキストでは書き表せない内容も、動画なら奥行きをもって伝えることができます。
▼合成着色料を使わないペットフードのリリース。商品特徴を端的に訴求
▼母乳による育児をサポートするアプリのリリース。機能や使い方を分かりやすく紹介
ユーザーの声や有識者のコメント
実際に商品やサービスを使った人の声は、企業発信のコンテンツにはない説得力を与えてくれます。同様に、その分野の専門家や、社内の研究員や開発担当者への短いインタビューを加えることで、プレスリリースに人間味とストーリー性が加わります。
▼高さ可変デスクのリリース。メインユーザーの学校関係者のコメントで説得力が向上
※実際の動画はこちらからご覧いただけます。(リリース本体はこちら)
イベント紹介
イベント紹介は、ビジュアルやと音声という動画の優位性を活かせるコンテンツのひとつです。イベントのライブ感やストーリーを魅力的に伝えることができます。
▼ゲームアプリのイベントレポート。原作者やゲームデザイナーも登場しライブ感を演出
※実際の動画はこちらからご覧いただけます。(リリース本体はこちら)
調査結果発表や活動報告など
数字や文字だけの情報になりがちなデータ情報も、動画で表現することで、興味喚起と理解促進を図ることができます。
▼国際水産物持続団体の年次報告。データや活動内容をインフォグラフィック動画で表現
※現在、動画は非公開になっており、サムネイル画像のみの掲載となっております。
一方で、プレスリリース用動画を制作する際に気をつけたいポイントがいくつかあります。
・プレスリリースに掲載する動画は広告ではありません。商品やサービスを売り込むようなトークではなく、あくまでストーリーを伝える構成にしましょう。
・情報の消費スパンが短縮化しています。視聴者の関心を維持するために、動画はできるだけ短くまとめましょう。90秒以内、できれば60秒以内におさめたいところです。
短くする上で有効な手段のひとつが、グラフやイラストなどによる図解です。これにより短尺でも理解促進が図れます。
・スマートフォンでも動画を撮影できる時代ですが、最低限のクオリティは保ちましょう。暗すぎたり、はっきり聞き取れないような動画はメディア掲載の機会を逃します。
・動画のデータサイズやフォーマットに気を付けましょう。適切に圧縮せずにプレスリリースに動画を添付すると、メディアはそのリリースを掲載できず、誰の目にも触れない結果となってしまいます。
・社員が進行役として登場したり、カメラの前でプレゼンするスタイルも動画プレスリリースでは有効です。しかしその際は十分に台本を練り、うまく話せるまでリハーサルを重ねましょう。
▼欧米ではプロのキャスターが紹介するニューススタイルの動画プレスリリースも普及
※実際の動画はこちらからご覧いただけます。
既存の動画ではなく、プレスリリース用の動画を新たに制作するには、もちろん一定のコストが発生します。しかし今はテレビCMのような莫大な費用をかけなくても、安価で有効な動画を制作できる時代です。
多くの露出や拡散が期待でき、高い費用対効果を見込める動画の活用を、PR領域でも検討してみてはいかがでしょうか。