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ケーススタディナレッジ 2015年04月27日

対話型コンテンツで心をつかむ――HHH戦略で成功をおさめた動画マーケティングの舞台裏

今年3月にGoogleが新たにスタートさせた "Behind the Scenes”シリーズ。過去に実施されたマーケティングプロジェクトを取り上げ、携わった企業担当者へのインタビューをベースに、効果的な動画マーケティングを行うヒントを紹介しています。

今回はその中から、10代の女性から多くの支持を集めている米Johnson&Johnsonの取り組みに注目します。

米Johnson&Johnsonのスキンケアブランド「CLEAN&CLEAR®」は、「SEE THE REAL ME®」というシリーズで120本以上もの動画コンテンツをYouTubeで配信。多くのファンを獲得するだけでなく、マーケットシェアが2桁の伸びを見せるなど、動画マーケティングを事業の成長へと結びつけました。Behind the Scenesでのインタビューから、その成功の秘訣に迫ります。

ターゲットの本当の姿を映し出す『SEE THE REAL ME』

本シリーズが目指したのは、10代の女性たちが本来の自分をもっと表現できるような場の創造。現在も、YouTubeを軸にソーシャルメディアを通して同年代の女性の本音や生き方、スキンケアのハウツーなど幅広い動画コンテンツを発信しています。

C&C_cover

最近公開された動画ではアメリカで注目されているトランスジェンダーのJazz Jenningsさんを起用。また、MTVビデオミュージックアワード開催時には女性歌手グループとコラボレーションした動画が話題になりました。

 

現代の少女たちの心に響くメッセージとは

同社が『SEE THE REAL ME』シリーズを始めたきっかけは、デジタルデバイスやソーシャルメディアの登場による10代の少女たちの考え方の変化でした。

同社が独自に調査したところ、10代の女性の多くは「自分のことを見て欲しい。話を聞いて欲しい」と思う一方で、ウェブ上でさまざまな人から評価されることを恐れていることが判明。そこから、彼女たちの力になれるようなコンテンツの必要性を感じたといいます。

C&C_survey

quote 私たちのメディアでは10年以上、“女の子同士の友情”を描いてきました。しかし、昨今のデジタル文化が10代の若者の「友達」に対する認識を変化させていたにも関わらず、私たちは1992年時と同じ方法で友情を表現していたのです。そのため、インターネットの世界を経験してきている10代の女の子にアプローチするためのコンテンツ戦略を考え直す必要がありました。 quote-end
―ブランドディレクターKacey Dreby氏

ターゲットの動画視聴動向を踏まえたメディア選定

ブランドディレクターのDreby氏は、表現方法だけではなくアプローチの手段も現在の少女たちにとって最適なものを選択する必要があったと語ります。

C&C_interview

quote 10年前、45%の若者が携帯電話を所有していましたが、今日では70%の若者がスマートフォンを所有しています。加えて、92%の若者は少なくとも2つのデバイスを同時に使用しているのです。そのような環境の変化の中で、オンライン動画は彼女たちの考え方に影響力を与える強力なツールのひとつとなりました。そしてYouTubeは動画視聴サイトの中でもっとも人気のサイトであったため、今回のプロジェクトにYouTube動画を活用することを決めました。 quote-end

そして、10代の女性たちがYouTubeでメイクアップのチュートリアルやスキンケアのヒントを探していることを知り、それに応えるようなコンテンツを配信していく方針を固めました。

ただし、完全にウェブにシフトするわけではなく、従来のテレビCMをYouTubeチャンネルへの導線として活用するなど、テレビとウェブと掛け合わせたマルチデバイス戦略を採用しました。これは、若者がテレビを見なくなったのではなく、スマートフォンを含めたセカンドスクリーンの台頭によって「視聴態度の変化」が起きているという事実を同社が認識していたからです。

「HHH戦略」に則ったコンテンツ計画

本事例でもうひとつ注目すべきは、以前にもご紹介したGoogleが提唱しているマーケティング戦略『HHH戦略』(参考 外部リンク)に基づいている点。興味喚起からファン化、購入促進までそれぞれの目的に合わせて、動画コンテンツを「HERO」「HUB」「HELP」という3つのタイプに分類し、コンテンツ戦略を立てています。

●HEROコンテンツ

まずは多くの人の注目を引きつけることがHEROコンテンツの役割。”バイラル動画”などがその一例です。サイトやキャンペーンの認知度を高めるための一歩目として、いかにWeb上で拡散されるかがポイントとなります。

CLEAN&CLEARのケースでは、『SEE THE REAL ME』シリーズの中でPrincess Laurenさんとコラボした動画などがこれに該当します。Laurenさんは女子高生でありながらもVineで300万人を超えるフォロワーをもつ、いわゆるVineStar。通常『SEE THE REAL ME』では一般女性のありのままの日常にフォーカスする動画が多いですが、本動画はHEROコンテンツであることから、ターゲット世代から人気のある女性をとりあげ、拡散性の高いものとなっています。

●HUBコンテンツ

HUBコンテンツは、ブランドやキャンペーンへのエンゲージメントを高めるコンテンツです。HEROコンテンツを視聴したユーザーに対して「ほかの動画も見てみたい」と思ってもらえるコンテンツを幅広く用意し、ブランドのファンになってもらうことを目的としています。

『SEE THE REAL ME』シリーズはまさにこのHUBコンテンツにあてはまります。盲目の女性、米国からインドへ移住した女性、自衛隊にいる女性など、さまざまな生き方をしている同年代の女性を取り上げ、定期的に公開。継続的にファンとのコミュニケーションをとるHUBコンテンツとして機能しています。

 

●HELPコンテンツ

自社製品に興味を持ってくれた見込みユーザーの疑問に応えるのがHELPコンテンツ。
ファンになってくれたユーザーの疑問や不安を払拭し、製品購入まで背中を押すために、具体的なデモ動画やハウツー動画、Q&Aなどが有効です。

CLEAN&CLEARでは、YouTuberによる商品レビュー動画を公開しています。また、『SEE THE REAL ME』に登場した女性にQ&Aで同社製品についての質問をする動画なども公開しており、製品を欲しいと思ったユーザーにとって役立つコンテンツとなっています。

 

双方向の会話でターゲットに寄り添う

HHH戦略を基に非常に計画的な動画マーケティングを行うことで、ターゲットからは多くの反応が寄せられ、盛り上がりを見せています。YouTubeチャンネルを見ると、コメント欄はオープンにされており、ユーザーコメントに積極的に返信している様子が見て取れます。

C&C_youtube

YouTubeやソーシャルネットワークを使い、ターゲットと直接コミュニケーションをとるというのはCLEAN&CLEARにとって初めての経験であり、大きなチャレンジでもありました。コミュニティマネージャーは、製品を売るメーカーとしてではなく、視聴者の「友達」としてコメントできるよう、トレーニングを行っています。

Dreby氏は動画コンテンツを企画・制作に対する姿勢についてこう語ります。

C&C_calender

quote 私たちは情報を発信する前に、コンテンツを「会話カレンダー」と呼んでいるものにマッピングしています。よくありがちな「コンテンツカレンダー」という名称を使わないのは、ファンと継続的な「対話」を持つことにこだわっているからです。
10代の女の子たちが「私の話に耳を傾けてくれている」と感じることができるコンテンツを作ることを常に目指しており、一番に大切にしている考え方です。 quote-end

ターゲットと向き合うことから始まるブランディング

Dreby氏はインタビューの最後に、今回初めて行ったテレビからウェブへの予算シフトが非常に効果的だったことを明かし、Johnson&Johnsonグループ各社にも展開させていきたいとの展望を述べています。

このような大成功の要因のひとつが、ターゲットインサイトを熟知した上での緻密なマーケティング戦略の設計であることは明らかです。CLEAN&CLEARは、友情のあり方や動画視聴態度の変化、彼女たちが求めているもの――その1つひとつを丁寧に読み解き、施策に取り入れていました。

ターゲットを知る、ターゲットが求めるものを提供する、というのはマーケティングの基本ですが、予算や時間などさまざまな制約がある中で、継続していくのは簡単なことではありません。しかし、時間をかけて丁寧に根気強く取り組んでいくことが、結果としてずっと愛されるブランドづくりにつながるのではないでしょうか。

 

[参考]

 

Video Marketing Lessons From CLEAN & CLEAR® – Think with Google
https://www.thinkwithgoogle.com/articles/clean-and-clear-video-marketing-lessons.html

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