Facebook動画広告について

事例紹介の前にFacebook動画広告について簡単に整理しておきます。
過去記事(
参考 
)で詳しく解説しているとおり、Facebook広告には「マーケットプレイス動画広告」と「プレミアム動画広告」の2種類があります。
「マーケットプレイス動画広告」はFacebookページのファン数増加や、エンゲージメント向上を目的に利用されることが多い動画広告です。精密なターゲティング設定が可能で、予算も出稿者が設定できるため、幅広い企業のニーズに合わせて活用できます。
一方「プレミアム動画広告」は、短期間で多くのユーザーにリーチする目的で利用されます。企業やサービスの認知獲得などに適した動画広告で、出稿費用が固定かつ高額なため、主に予算が潤沢にある大企業向けの動画広告と言えるでしょう。
このような特徴を理解した上で、目的に応じて2種類の動画広告をうまく使いこなすことが、Facebook広告で成果を出すためには重要です。
今回は、あらゆる企業・業種に対応できる「マーケットプレイス動画広告」を中心に、4つの成功事例をご紹介します。
case1:動画広告と通常広告の相乗効果でイベント参加者が3倍に!

2011年からアメリカ各地で開催されている障害物レース「Savage Race(サベッジ・レース)」。レースへの興味を喚起し、参加者を増やすためにFacebook動画広告を実施しました。
同社はまず、全員泥まみれでエキサイトするレースの興奮が伝わる90秒ほどの動画を作成。「次回のレース開催地域に住む20〜45歳」にターゲットを絞り、動画広告を出稿しました。加えて、類似オーディエンス機能(
参考 
)などを用いて動画を配信した結果、動画の閲覧数は130万回に上りました。
▽動画イメージ
動画広告で関心を集めると同時に、Webサイトへのトラフィック増加を目的とした通常の広告も配信。2種類の異なる広告出稿の結果、
Webサイトへのトラフィックは5倍、イベントの参加者数は3倍に増加し、最終的に費用対効果12.5倍という大きな成果を残しました。
我々のビジネスはもうFacebook広告なしでは成り立たないだろう。Facebook広告によって信頼あるブランドへと成長した。特にFacebook動画広告は最高の費用対効果をもたらしてくれた。
―Sam Abbitt [CEO・共同創立者]
case2:精密なターゲティング設定でブランドイメージ・購入意向が上昇。

企業にとって、新しいサービスや製品のローンチ時は、情報発信の重要な機会となります。次は新サービスローンチ時の成功事例です。
インドネシアの航空会社Garuda Indonesia(ガルーダ・インドネシア航空)は新たにスタートしたマイレージサービスのリブランディングを図るとともに、本サービスの認知度を高めるためにFacebook動画広告を活用しました。
動画の内容はマイレージサービスの具体的な利点をシンプルに伝えるもの。同社のコアファンに集中的にアプローチするために、ターゲットを「国内の旅行者、および金融関係をはじめとする専門家」と細かく設定しました。
▽動画イメージ
本動画はモバイルとデスクトップのニュースフィードに配信され、わずか4日間で180万を超えるユーザーへのリーチに成功しました。動画配信後にニールセンが行った調査では以下の結果が出ています。
・広告想起率:24%アップ
・男性のブランドへの評価:6%アップ
・購入意向:3%アップ
Facebookは動画を多くの人に視聴してもらうのに、理想的なプラットフォームだ。さらに、精密にターゲティングされた動画広告は、ブランドの大幅な認知度拡大や購入意欲向上につながり、非常に満足のいく結果になった。
—Daniel Tumiwa[デジタル事業統括責任者]
case3:既存ユーザーとのエンゲージメントを高め、売上が約9%もアップ!

Bimbo(ビンボー)はメキシコ発の企業。食パン・製菓類を製造販売しており、中南米ではリーディングカンパニーとして非常に有名です。既に多くの人々に浸透しているブランドであるものの、「顧客のエンゲージメントをさらに高めたい」と考えた同社は、2014年6月、サッカーW杯開催に合わせ、サッカーに関する12のエピソードを配信する動画広告キャンペーンを実施しました。
本キャンペーンは2つの段階に分けて実施されました。まず、製品のメイン消費者である25〜35歳の母親層にアプローチし、次の段階では16歳以上のサッカー好きの男性までターゲットを拡大しました。
▽動画イメージ
その結果、
動画のリーチ数はほかのプラットフォームと比べ4.3倍多く、CTRは13%も高くなりました。しかもCPCは53%低いという、圧倒的な費用対効果の良さが見て取れました。さらに、本キャンペーンからおよそ100万人ものユーザーがWebサイトへアクセスしました。
効果はインターネット上だけにとどまらず、本キャンペーン展開中の
製品の売上が8.8%アップするなど本事業の成長にも寄与。エンゲージメントを高めることで、ビジネス自体を推進させることも可能であることが、本事例から明らかとなりました。
Facebookはユーザーのエンゲージメントを向上させ、我々に顧客やターゲット層のニーズを教えてくれる。そして最終的には私達のビジネスの向上に貢献してくれる。
—Guillermo Mauricio Guerrero Rojas,[デジタル部門マネージャー]
case4:既存市場への参入も怖くない。1日で国内ネット人口の2割以上にリーチ。

最後にご紹介する事例は、既存市場に参入する際にぶつかる壁のひとつ、“すでに違う企業の製品を利用しているユーザーの認知獲得”を図った事例です。
ヴァージン・グループの子会社としてポーランドで立ち上げられた「Virgin Mobile Polska(ヴァージン モバイル ポーランド)」にとって、東ヨーロッパへの進出は初めてのことであり、まずは認知してもらうことが最大の課題でした。そこで目をつけたのが多くのユーザーにリーチできる「Facebookプレミアム動画広告」でした。
同社のターゲットは13歳から35歳のミレニアル世代
(※1)。その中でもFacebookを頻繁に使っているユーザーに絞り、動画広告を出稿しました。また、プレミアム動画広告の特徴である、ログアウトページへの出稿(
参考 
)も行った結果、
1日でポーランドのインターネットユーザーの22%にあたる535万人にリーチ。ブランド認知は4ポイント上昇(※2)し、
Facebookページのファン数は20%増加しました。
▽動画イメージ
この結果を見た同社は、「今回、我々は初めてFacebook動画広告を出稿したが、ブランド認知の拡大を実感した。今後もブランド・ロイヤルティやWebショップへのトラフィック増加施策に活用していきたいと思う」とコメントしています。
Facebook広告は特にミレニアル世代をターゲットにした場合、新しいブランドを広めていく手段としては完璧だ。
—Carol Majewski オンラインマネージャー
(※1)主にアメリカで1980年代から2000年代初頭に生まれた人々の総称。
(※2)Nielsen Brand Effect調べ
まとめ
今回ご紹介した事例では、「イベントへの参加者数アップ」「新サービスの認知向上」「既存顧客とのエンゲージメント強化」「既存市場内でのブランドの認知獲得」という、異なる課題と目的を持っていたにも関わらず、いずれもFacebook動画広告を活用することで期待以上の成果を上げました。
これらの成功には、Facebookが保有している莫大なユーザーデータを元にした精密なターゲティングが大きく寄与したと言えます。また、普段慣れ親しんでいるFacebookのフィード上に動画広告が表示されるため、ユーザーの抵抗感が薄い点もポイントではないでしょうか。
さらに「プレミアム動画広告」「マーケットプレイス動画広告」「目的に応じた広告」を組み合わせた包括的なマーケティングも有効であることもわかりました。
Facebookならではの特徴を理解した上で、「どのような目的を持って、どのようにターゲティングをするのか」を明確にすることがFacebook動画広告成功の秘訣と言えるでしょう。

