郵送DMの効果測定も可能!「動画×紙」の次世代プロモーションツール活用事例集
キーワード: CRM アナリティクス・効果測定 プロモーション 認知拡大

先日の記事で、動画を使った新しいプロモーションとして、パンプレットに液晶ディスプレイを埋め込んだVideo in Print(ビデオ・イン・プリント)が欧米で注目を集めているとご紹介しました。
「動画×紙媒体」の新たな手法として、受け手にインパクトを与えることができるVideo in Print(ビデオ・イン・プリント)は幅広い用途で活用されています。
今回は、海外企業5社による活用事例を取り上げ、製品パンフレット、雑誌広告、年次報告書、効果測定機能付きDM、包装パッケージなど、ビデオパンフレットのあらゆる活用方法をご紹介。それぞれの課題を革新的な方法で解決している5つの事例から、ビデオ・イン・プリントの可能性を探っていきます。
先日の記事で、今米国で注目を集めている「動画×紙」のプロモーションツール、Video in Print(ビデオパンフレット)を取り上げましたが、今回は、実際にVideo in Printを使ったプロモーションを行っている5社の活用事例を元に、具体的な活用方法や広告効果をご紹介。
ビデオ・イン・プリントの中でも、Video Brochure(ビデオ・ブローシャー)と呼ばれる動画プレーヤーを搭載したパンフレットが、主流とされているようですが、以下の事例をみていくと、プロモーションの課題や目的に合わせた様々な使い方で活用されていることがわかります。
目次
1.【製品パンフレット】Audi
2.【雑誌内広告】Dolce & Gabbana
3.【年次報告書】ACUITY
4.【トラッキング機能付きDM】AT&T
5.【包装パッケージ】Brooks Sports
まとめ:幅広い用途で活用されるビデオ・イン・プリント
【製品パンフレット】Audi
画像元:http://www.americhip.com/ourwork/audi-brochure.html
オーストラリアでの新作発売に先駆けて、顧客向けのパンフレットを検討していたAudi(自動車)は、“Imagination meets Engineering”というキャンペーンタイトルに合う、スタイリッシュかつ革新的な方法で、製品イメージを伝えられるツールを求めていました。
そこで、従来の製品パンフレットをより革新的に見せる、ビデオパンフレットに注目。ボタン選択で2つの動画が再生されるようにし、ひとつはイメージ動画、もうひとつは製品の具体的な紹介動画を用意しました。
すると、オーストラリアのTV、ブログ、新聞などあらゆるメディアで、このビデオ・ブローシャーを使ったプロモーションが取り上げられ話題に。Audi のブランドマネージャーは「私がいままで見てきたダイレクトメールの中で、最も素晴らしいものになった。美しく革新的なツールに仕上がりました。」と述べ、キャンペーンは成功を収めました。
【雑誌内広告】Dolce & Gabbana
画像元:http://www.americhip.com/ourwork/dolce-gabbana-magazine-insert.html
新作の香水を発売するにあたり、Dolce & Gabbana(ラグジュアリー・ブランド)は、大手ファッション雑誌内の広告ページ(見開き2ページ)という限定された場所でも注目されるプロモーションを探していました。
そこで、雑誌内の差込広告に4.3インチの小型画面を設置した、ビデオ・イン・プリントを制作。この取り組みはイギリスの雑誌史上初めての試みとなりました。
雑誌発売後、雑誌内の広告であるにも関わらず、数多くのメディアに取り上げられ、世界中で話題に。ファッション雑誌の編集長は「こんな素晴らしいテクノロジーを最初に導入した雑誌になれたことを誇りに思う。Web上だけでなく、紙面で動画を見ることができるということで、新鮮で面白い体験をユーザーに提供することができた。」と述べました。
【年次報告書】ACUITY
画像元:http://www.americhip.com/ourwork/acuity-annual-report.html
米国の保険会社ACUITYは、通常、文字が多く退屈なものになりがちな年次報告書を、株主の印象に残るものにするため、自社の個性が伝わるクリエイティブなものにしたいと考えました。
そこで2012年の年次報告でビデオパンフレットを使った年次報告書を制作しました。各ページに幹部たちの顔写真を掲載し、その口の部分に動画プレーヤーを設置。再生すると、それぞれの幹部の声で報告がなされるというクリエイティブを考案。あたかも幹部が株主に向かって、直接報告をしているような仕掛けを施した結果、ユニークな工夫が株主の興味を引き、典型的な年次報告書よりもわかりやすいと好評を博しました。
【トラッキング機能付きDM】 AT&T
画像元:http://www.americhip.com/ourwork/att-direct-mailer.html
アメリカ最大手の電話会社AT&Tは、新規顧客に対して企業理念を伝えるDM制作を検討。しかし発送後の開封率などが把握できない「郵送によるDM」のパフォーマンスを測定する方法を考えていました。
そこで、副社長のメッセージや、これまで会社のストーリーを描いた動画で企業理念を表現する、動画つきダイレクトメールを制作。更にただ動画を再生させるだけでなく、データトラッキングと開封分析機能を搭載させることによって、DMの開封数、平均開封率などをリアルタイムで解析することが可能になりました。
分析結果
・受取人のうち63%が動画を視聴した(919通のうち578通)
・冊子が開かれた回数の平均は6回
・平均視聴時間は5分間
【包装パッケージ】Brooks Sports
画像元:http://www.americhip.com/ourwork/brooks-transcend-specialty-packaging-1.html
スポーツメーカーBrooks Sportsは新開発されたランニングシューズのプロモーションにあたり、新商品の性能(雲の上を歩いているような軽さとフィット感)を伝えつつ、かつ、世界に広がるようなインパクトのある広告キャンペーンを行いたいと考えました。
そこで記念パッケージとして、スペースシャトルのような靴箱に、動画プレーヤーを搭載したユニークな形の靴箱を開発。動画だけでなく、箱全体を近未来的なイメージで統一するため、ボタンによる自動開閉機能や、箱の内部にLEDライトを搭載するなど、細部にまで工夫が凝らされました。
「より印象的に」から「効果測定」まで。
幅広い用途で活用されるビデオパンフレット
プロモーションをより印象的にするだけでなく、説明的な内容が多く閲覧離脱されやすい年次報告や企業理念の伝達において、受け手を飽きさせずに情報を伝える手段として、ビデオパンフレットが利用されているようです。
また、上記の事例を見なおしてみると、限られたスペースにおいて多くの情報を伝達することができる、コミュニケーションツールとしての価値だけでなく、新しいテクノロジーの導入によりメディアに取り上げられる、プロモーション自体が話題となる、目に留まる、といった効果が多く報告されていることから、現段階では、認知拡大・プロモーションの拡散といった効果が一番期待できる効果かもしれません。
Brooks Sportsの事例のように、今後は冊子の形をしていなくても従来紙などの印刷物で作られていた様々なものにも、動画プレーヤーが搭載され、Video in Print は活用の幅を更に広げていくことでしょう。