
パンフレットや雑誌などの紙媒体に動画プレーヤーが埋め込まれているVideo in Print(ビデオ・イン・プリント)というものを目にしたことはあるでしょうか。
企業やサービスのWebサイトはもちろんのこと、街頭ビジョンや電車内などのOOH広告でも、動画を目にする機会が増えています。このように様々な媒体/広告面において、動画を始めとした”広告のリッチ化”が進む一方で、かつての主力媒体であった紙媒体は、その衰退化が叫ばれています。
そんな中「動画×紙媒体」という掛け合わせにより、今欧米で注目を集めている紙媒体の新しいプロモーション手法、Video in Print(ビデオ・イン・プリント)をご紹介したいと思います。
Video in Print(ビデオ・イン・プリント)とは
Video in Printとは、紙媒体のパンフレットや雑誌に極薄の液晶ディスプレイを搭載し、動画を視聴させることができるもの。(Video Brochure<ビデオブローシャー>/video pamphlet<ビデオパンフレット>とも呼ばれる)
動画の再生だけでなく、複数の動画から選択再生させることや音量調節など、さまざまな機能が備わっているものもあります。USBでPCと接続し、配信する動画を手軽に変更できるようになっています。欧米ではVideo in Print 専門の制作会社も多く、費用は1冊10ドルから45ドルくらいで制作できるようです。
▼Video in Printの紹介動画
活用方法
日本ではまだ馴染みのないビデオパンフレットですが、動画プレーヤーが搭載されていることで、通常のパンフレットよりも高級感があり、華やかな印象を与えることができるため、受け手の目を引くことができる新しいプロモーション手法として、欧米ではすでに消費者向けのパンフレットやダイレクトメール、企業プレゼンテーションや招待状など、幅広い用途で活用されています。
また、製品のイメージや説明を文字媒体よりも簡潔に、細部まで伝えることができることもメリットの1つといえるでしょう。
しかし当然ながらプレーヤーを搭載している分、紙媒体の広告よりコストがかかるため、自動車、ブランド品など比較的高価な商品のプロモーションに使われることが多いようです。
<自動車会社> 製品カタログ、パンフレット
画像元:http://www.tvinacard.co.uk/products.html#!prettyPhoto[1]/6/
<ファッションブランド> コレクションカタログ
画像元:http://www.americhip.com/ourwork/kenzo-media-kit.html
ビデオパンフレットは消費者にインパクトを与えるだけでなく、製品情報を様々な角度から豊富に提供できることから、視聴者の製品イメージをより豊かにする役割を果たします。
また、商品紹介だけでなく大学案内、映画の宣伝、会社紹介、などにも使われており、説明が多くなりがちなものをわかりやすく伝えることに適しています。
<大学> 学校案内
画像元:http://www.tvinacard.co.uk/
<映画> DVDパッケージ
画像元:http://www.americhip.com/ourwork/bonnie-and-clyde.html
<貿易会社> 会社案内
画像元:http://www.tvinacard.co.uk/
3.米国では5年以上前に登場
世界初のVideo in Printは、2009年にアメリカの放送局CBSが新番組の宣伝のために雑誌に動画プレーヤーを埋め込んだものだと言われています。
▼CBS 雑誌『Entertainment Weekly』2009年9月号
CBSのプロモーションから約5年が経っていますが、日本でVideo in Print(またはビデオパンフレット)のような動画の使い方を目にすることはあまりありません。
国内での動画広告需要が急騰している昨今、企業が保有する動画の量も自体も益々多くなっていくことでしょう。保有している動画の新しい活用法の一つとして、こうした新しいプロモーションが今後、日本でも流行するかもしれません。
次回はVideo in Printを使ったプロモーション事例を取り上げ、その効果と活用法をご紹介します。