
9月18日から配信されたiOS8。このバージョンアップによりApp Storeへの動画掲載が可能となりました。
この機能は「App Previews」と呼ばれ、新しいアプリPRの方法として注目されています。
App Storeでは通常のアプリ同様、「App Previews」にも審査を設けており、動画自体の仕様や規定も定められています。
今回の記事では、どのような動画が掲載可能なのか、仕様や規定について解説します。
先日のニュース でもお伝えしたように、iOS8からApp Storeでも動画掲載が可能となりました。App Storeにプレビュー動画を掲載できる機能は「App Previews」と呼ばれ、以前はスクリーンショットが掲載されていた箇所に動画が掲載されます。
▼スクリーンショットの一番目に表示され(左)、タップで再生できる(右)
App Previewsの特徴
- 動画は必須ではなく、任意でアップロードできる
- iPhone4S以前などの3.5 inchディスプレイには対応していない
- 動画のサムネイルは自由に設定が可能
動画の規定は必ず事前に確認しよう
App Previewsではアプリ内のビデオスクリーンキャプチャとボイスオーバー(ナレーション)、テキスト(字幕)、デザインオーバレイしか使用できず、それ以外のApp Previewsはリジェクトされます。(App Store レビューガイドライン3-14より(英語))
具体的にNG例として挙げられているのは、過剰な演出を行ったり、手が映っていたり、人がスクリーン操作している演出の動画などです。
App Previewsページ では各ポイントに絞り、規定や動画制作のヒントがまとめられています。この中から特に重要なポイントをお伝えします。
コンテンツ・フォーマット
- 15秒から30秒の長さで制作すること。
- App Previewsのレーティングが4+であること。4+とは「倫理的に好ましくない内容を含まない」という評価であり、ここに該当しない、暴力的な描写・アダルト・誹謗中傷が含まれる動画はNG。
- 著作権や肖像権を犯していないこと。例えば、動画閲覧アプリのプロモーションの場合、App Previews内に映り込む動画や音楽は、権利を得ているものに限ること。
グラフィック・トランジション
- 手が映っていたり、人がスクリーン操作している演出は避けること。
ただし、操作方法をデモンストレーションするために画面内にタッチポイントを表示させることは可能。 - 画面の切り替わりは「ディゾルブ」や「フェード」など分かりやすい表現をすること。
その他
- テキストは文脈上、必要不可欠な場合のみ、分かりやすい言葉使いで挿入すること。
- App Previewsは各国の言語に合わせてローカライズすることはできないため、ナレーションも含めターゲット層が理解できる言語を使用すること。
- 課金した場合のみ使用できる機能をAppPreview内に入れるときは、その旨をきちんと伝えること。
動画の仕様
続いて、入稿可能な動画の仕様です。本仕様は2015年5月現在の情報ですので必ず公式ページ で確認をしましょう。
H.264 | ProRes 422 HQ only | |
拡張子 | .mov, .m4v, .mp4 | .mov |
ファイルサイズ | 500MBまで | 500MBまで |
動画の長さ | 15秒〜30秒 | 15秒〜30秒 |
画面の向き | 縦か横 | 縦か横 |
ビットレート | 10-12 Mbps | VBR ~220 Mbps |
形式 | Progressive, up to High Profile Level 4.0 | Progressive, no external references |
推薦フレームレート | 30 fps | 30 fps |
オーディオ書き出し設定 | ステレオ | ステレオ |
コーデック: 256kbps AAC | コーデック PCM or 256kbps AAC | |
サンプルレート: 44.1kHz or 48kHz | Bit Depth (for PCM): 16-, 24-, or 32-bit | |
サンプルレート:44.1 or 48kHz |
解像度はデバイス固有の仕様となっています。
一般的な解像度 | 有効な解像度(横向き) | 有効な解像度(縦向き) | |
5 Series | 1136 x 640 (16:9) | 1920 x 1080 or 1136 x 640 |
1080 x 1920 or 640 x 1136 |
iPad | 2048 x 1536 (4:3) | 1200 x 900 | 900 x 1200 |
iPhone 6 | 1334 x 750 | 1334 x 750 | 750 x 1334 |
iPhone 6 Plus | 2208 x 1242 (Rendered Pixels) |
1920 x 1080 | 1080 x 1920 |
1920 x 1080 (Physical Pixels) |
App Previews事例
最後に、今までご紹介した規定をクリアした、実際のApp Previewsをご紹介します。どれもシンプルなものが多いですが、アプリの内容は充分理解できることが分かります。
ビデオキャプチャーのみ
ストラテジーゲームの「ドミネーション」ではカットしたビデオキャプチャをつなぐシンプルな構成です。
テキストで機能訴求
曲検索アプリ「WeddingDJ」ではテキストとビデオキャプチャを繰り返す構成で機能訴求をしています。また、タップ部分を表す「タッチポイント」の動きも取り入れています。
ナレーションで説明
写真加アプリの「Opak」ではビデオキャプチャにナレーションを加えて機能説明をしています。
ビデオキャプチャーは、iOS8以降のバージョンのiPhoneとOS X Yosemite以降のパソコンがあれば簡単に用意することができます。(参考 )動画と静止画では明らかに訴求力が異なります。App Previewsを掲載していない企業は、次回のアップデート時に掲載を検討してみましょう。
[参考]
iTunes Connect Developer Guide: iTunes Connect App Properties
App Store Review Guidelines - Apple Developer : https://developer.apple.com/app-store/review/guidelines/