
最近欧米にて多数話題になっている、バス停でのプロモーションをご存知でしょうか?
今回はその中でも映像(デジタルサイネージ)を利用している事例をピックアップ!
コカ・コーラ、ペプシ、アドビ、ヤフーという、若い人々に支持を受けている企業が仕掛ける企画は柔軟性に富み、面白い仕掛けばかりです。
”バス停だからこそ活きてくる”プロモーション。さっそく見て行きましょう。
コカコーラ:極寒のバス停をある方法で夏に!
キャンペーン概要
コカ・コーラ社がグローバルで展開している“Happiness Project”の一貫として行われたスウェーデンでのプロモーション。
日没後で寒さも厳しいバス停にコカ・コーラの自販機を設置し、バスを待つ乗客の背後に「夏の明るい風景」を映し出すことで、人々の心に「温かさ=幸せ」を届けるという試みです。
舞台は長く暗い冬の中にあるスウェーデンのとある町。頭をすっぽりとフードで包み込み、寒さに耐えながらバスを待つ男性。
突然、バス停に設置されていたコカ・コーラの自動販売機の電気が点ります。と同時に、夏のさわやかな高原の風景が映し出されます。
唖然とするその男性に、今度は自動販売機からコカ・コーラのプレゼントが。何が何だかよくわからない状況に戸惑うも、極寒の中で「夏の気分」を体感させてくれたことに気がついた様子。こぼれる笑顔は幸せな気持ちになったことを物語っています。
ペプシ:ARを用い、あり得ない日常を実現
キャンペーン概要
公式YouTubeチャンネル内「Pepsi Max Challenges」の取り組みの一つとしてロンドンで行われたビックリ・プロモーション。
バスの動きやバス停はそのままに、AR技術を使い、バスシェルターのガラスに見せかけたモニターで衝撃映像を映し出します。人々に驚きと笑いを与え、強いインパクトを残したキャンペーンです。
ロンドンのニューオックスフォード通り。バス停を通して見える風景に、ちょっとしたサプライズが仕掛けられています。
バスを待つ乗客の目の前に突然、現れる非現実的なモノの数々。空から降ってくる隕石に始まり、地下から伸び出すタコの足、飛び交うUFO、風船の束にしがみついて飛んでくる人がいるかと思えば、ロボットがミサイルを発射、想像の世界をはるかに超えた物体が次から次へと登場してきます。
しかし、そこはロンドンっ子。最初は驚きの表情でいっぱいですが、Pepsi Maxが仕掛けたジョークだと気がつくと写真を撮ったり、仕掛けをのぞき込んだりと、楽しんでいる様子が動画から伝わってきます。
アドビ:プロによる”ライブペインティング”で驚きを
キャンペーン概要
昨年、ヨーロッパ、中東、アフリカ各地で開催された「Adobe´s CreativeDays」のプロモーションとして行われましたこのキャンペーン。
バス停にあるデジタルサイネージに映し出されている自分の姿が目の前で加工されていき、そのユーモアにバス停で待つ人々を笑顔にさせた取り組みです。
カメラマンによって撮影された画像がPhotoshopクリエーターの手によって次々と変化。
おじさんの顔が風刺漫画のようになったり、瓶の中に閉じ込められたり、見知らぬ男女がケーキの上でキスをしたり、挙句の果ては年配の男性がキングコングのポスターになったり。
電子看板を通して見ている本人たちも大喜び。フォトショップのアーティストがライブペイントする様子からそのクリエイティビティを一般の人々にも知らしめました。
ヤフー:地域対抗 バス停で勝負ができるソーシャルゲーム!
キャンペーン概要
「バス停」を「ソーシャルゲームハブ」に見立て、2ヶ月間に渡って繰り広げられたヤフーのキャンペーン。
サンフランシスコにある20ヶ所のバス停に72インチのインタラクティブスクリーンを設置し、ゲームができるようになっています。他のバス停で、バスを待つ乗客=プレイヤーと闘うことも可能。ゲームに勝つともらえる賞品は、米国で人気のロックバンド「オーケー・ゴー」のコンサートチケット!
サンフランシスコを地区ごとに20のチームに分け、近所の人たちと同じチームになり、異なるチームの人と闘えるような仕組みになっているのが、今企画の特徴となっています。
ソーシャルゲームで対抗戦にすることで、よりゲームの楽しみが増し、バスの待ち時間が楽しくなるという仕掛けです。
人々を巻き込むプロモーションで、見ている人にも笑顔を
通勤でなくても、多くの人にとって「バスを待つ」のは退屈な時間。 そんな「やるせない時間」を少しでも楽しくするエッセンスを与えたのが、 バス停でのプロモーションであり、バス停という普段は何もない空間だからこそ、ジョークの効いた仕掛けがより、人々に楽しさと驚きを与えています。
さらに、その様子を動画におさめ、YouTubeなどで配信することで、 ユーモア溢れる取り組みが人々の心を動かし、人々に共有したいという思いを生みバイラル動画となっていきます。
日本では一般の人を巻き込んで仕掛けるようなプロモーションはまだ少ないですが、 このように仕掛け自体が人々の心を動かすことができれば、動画を見ている人までも楽しめるプロモーションになると実感できる事例です。