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ケーススタディ 2015年07月17日

YouTuberの起用でCM効果を最大化!今年のスーパーボウルCMでNo.1に輝いた日産が見せた新たな試み

今年のNFL(米ナショナルフットボールリーグ)のチャンピオンを決めるスーパーボウルでは「父親」をテーマとしたテレビCMが多く披露されました。

その中のひとつ、今年久しぶりにスーパーボウルにCMを出稿した自動車メーカー、北米日産は、これまでになかった手法でテレビCMを盛り上げ、大きな反響を集めました。そのキーマンとなったのは、今マーケティング業界で存在感を高める7名のYouTuberでした。

アメリカンフットボールは全米でも有数の人気スポーツ。その大一番である「スーパーボウル」は全米が注目する大会だけあり、スポンサーは毎年、試合中に放映されるテレビCMの制作に力を入れています。特に男性向けの商材を扱う企業は、ターゲットへの絶好のアピールチャンスとして、あの手この手で話題化を図ります。

自動車メーカーも例外ではありません。movieTIMESでもたびたびご紹介してきたように、毎年各社がユニークなクリエイティブを展開しています。

そんな中、北米エリアでのシェア拡大を図る北米日産(以下、日産)は今年、約20年ぶりにスーパーボウルへのCM出稿を果たし、話題となりました。

▼Nissan 2015 Super Bowl Commercial | “With Dad”

 

「With Dad」と名付けられたこのCMでは、4ドアスポーツカー「マクシマ」と、ル・マン24時間レースに戻ってきた「Nissan GT-R LM NISMO」の初披露とともに、仕事と家庭の両立にもがき、さまざまな努力や苦悩を通して絆を深めていく一組の家族の姿を映し出します。この普遍的な家族のストーリーが視聴者の共感を呼び、2200万回以上の再生を記録。その年のスーパーボウルのNo.1CMを選出する「YouTube AdBlitz」でも見事1位に輝いています。

YouTuberとのコラボでスーパーボウルCMへの導線をつくる

実はここ数年、スポンサー各社はスーパーボウルCMへの注目度を高めるために、開催前にティザーCMを放映するケースが増えています。本番CMの内容を断片的に見せることで、スーパーボウル当日への期待を高める狙いです。
しかし、一部を事前に見せてしまうことで、本番CMでのインパクトが大きく損なわれてしまうと考えた日産は、ティザー広告とは違う盛り上げ役を用意しました。

それが、7名の人気YouTuberによるオンライン動画です。日産は父親世代の人気YouTuberに対し、“ワークライフバランスの向上にチャレンジし、家族の生活を楽しくする父親”というテーマで動画の制作を依頼したのです。

YouTuberたちは、必ずしも日産の車を登場させる必要はなく、テーマに沿って自由に動画を制作。動画の最後で本編が日産のスポンサードであることを明示しながらスーパーボウル当日のCMへの誘導を図ります。これらの動画は#withdadシリーズとして日産のチャンネル 外部リンク内に集められています。

nissan

今回起用されたYouTuberの一人、ローマン・アトウッド氏はプランク(いたずら)動画で有名です。

動画は、彼が仕事中の妻に電話をかけるシーンから始まります。妻の帰宅まで時間が十分にあることを確認すると、すぐに友人を自宅に呼び、子どもたちと一緒に自宅の一階をカラーボールで埋めつくします。
途中、妻から電話で「子どもたちと何をしているの?」と聞かれても「何もすることがなくて退屈しているよ」ととぼけるアトウッド氏。そして、妻が帰宅して玄関の扉を開けるとカラーボールが外に溢れ出し、彼女の驚く姿とともにエンディングを迎えます。子どもも大人もボールプールを存分に楽しみ、“ドッキリ”に遭った妻も最後にボールプールに加わる様子から、家族を笑顔にする父親像を表現しています。この動画は、自身のチャンネル内の動画と#withdadバージョンを合わせておよそ4000万回も再生されました。

▼ローマン・アトウッド「Crazy Plastic Ball PRANK!!」

 

一方、日産の自動車を巧みに動画に登場させたのは、アメリカの映画制作会社ドリームスワークスに勤務するYouTuberのダニエル・ハシモト氏。彼の幼い息子が主役を務め、得意のCG技術を駆使した“アクション・ホームムービー”を集めたチャンネル「Action Movie Kid」は日本でも人気です。

今回の#withdadシリーズでは、息子が父親をキャッチボールに誘い、“自作”ロボットでボールを発射したり、日産車に乗りながら外の敵を倒していくという、親子の微笑ましい動画を作成。これまでに100万回近く視聴されています。

▼Action Movie Kid - Playtime with Dad

 

オンライン動画×テレビCMの立体的な施策で費用対効果を高める

スーパーボウル中継でのCM出稿料は年々高騰し、2015年は30秒で約4000万ドルと言われるほど。そのため、スポンサー各社はその広告効果を最大限に高めるため、ティザーCMのほかにもソーシャルメディアでの話題づくりなどさまざまな施策を打っています。

その中で今回の日産の取り組みがユニークだった点は、YouTube動画を活用してスーパーボウル当日のCMへの期待感を醸成したことです。YouTuberたちがそれぞれに思い描く父親像を表現することで、“父親とその家族への称賛”というCMにつながるキャンペーンメッセージに深みが生まれました。

クリエイティブの面でも、YouTubeの特性を誰よりも理解したYouTuberたちが、クオリティの高い個性的な動画を完成させました。彼らのファンではなくても、面白い動画コンテンツの力により、それに続く日産の広告が多くの人に好意的に受け止められたことでしょう。もちろん、動画配信に媒体費がかからないことも、企業にとっては大きなメリットと言えます。

昨今、マーケティングの世界ではオンライン施策への予算投資が増加傾向にありますが、今回の日産による取り組みは、テレビCMとオンライン動画をうまく融合させることで費用対効果を高めた成功事例の一つとなりました。YouTuberを含めたオンライン動画の可能性が今後もさらに広がることを期待させてくれています。

 

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