
セクシーな動画を効果的に用いることで、ブランドを強烈にアピールすることに成功したプロモーションをご紹介します。
また、このような動画はシェアされやすい傾向にあり、より多くのユーザーに見てもらえる可能性も秘めています。
緻密に設計されたクールな演出と映像の完成度の高さに、注目です。
服を売るために、服を脱いでいく!? アパレル業界ではありえない発想で成功!
フランスのカジュアルウエアブランド「Vicomte A.(ヴィコント アー) 」の特設サイト“Social Striptease(ソーシャル ストリップティーズ)”。ノリノリの音楽とともに同ブランドの洋服を身にまとった美しいモデルが登場。
ここまでは、ファッションブランドらしいテイストになっていますが、実はこの映像にはセクシーな仕掛けが施されています。
ユーザーが女性の洋服をクリックすると・・・音楽に合わせて躍りながら、服を脱いでくれるという大胆な企画なのです。
そもそも、“Social Striptease”は、自社のオンラインストアへのアクセス数を増やすために制作されたプロモーション映像です。仕組みは、いたってシンプル。ユーザーがアイテムをクリックすると、ユーザーのFacebookやTwitterで簡単にシェアできると同時に、「Vicomte A.」のショッピングサイトへのリンクがウォールに表示されます。動画とSNSとのスムーズな連動で拡散されていく仕掛けです。
服を見せることが常である業界の常識を、「脱ぐ」という大胆な行為によって覆した“Social Striptease”。斬新さが功を奏したプロモーションです。
▼こちらの動画ではプロモーションの成果がまとめられています
男性の深層心理に挑戦!? LGが仕掛けた男子トイレでの実験。
大手家電メーカーLGが新発売した、“横縦比21:9サイズ-ウルトラワイドIPSモニタ”。その画質の素晴らしさを実証するために企画された、プロモーションが話題となりました。
舞台となったのは、男子トイレ。男性が用を足そうとトイレの前に立つと、目の前の壁に備え付けられた高画質のモニタに、セクシーな美女が登場します。果たして、美女にじっと見つめられながら、男性たちは用を足すことができるのでしょうか?
実験結果によると、多大なプレッシャーを抱いた人が多く、通常より平均16秒長く時間がかかり、また参加者の26%は用を足すことができなかったそうです。美女があたかも目の前に立っているかのように感じられ、モニターの中の美女が手を差し出すと、ついつい手をあわせてしまったり、話しかけてしまう人も・・・。
このユニークな実験シーンはYouTubeにて公開され、わずか2日間で70万回以上再生という、驚くべき再生数を生み出しました。
▼実験結果は、男性の表情を見ればわかります。
アディダスのスタイリッシュな“パンチラ”実験
アディダスが発売したシューズ、“adizero(アディゼロ)”。より速く走ることを目的に、軽量化とグリップ力の強さに特徴があります。
その“adizero”の威力を実証するために、公式ムービー「adizero vs MiniSkirt」が公開されました。“adizero”を履いたランナーが、全速力で駆け抜けるときに発生する上昇気流を使って「パンチラ実験」を行うという、前代未聞の企画です。果たしてミニスカートをめくり上げることに成功し、中の下着が見えるのか・・・。一見ハチャメチャに思える実験を、アディダスらしくスタイリッシュに描いているのはさすがです。
実験場に設置された、ミニスカートを身につけた数体のマネキン。時速30キロで走り抜ければ、スカートをめくり上げる上昇気流を起こすことができるに違いない・・・。そんな計算に精を出すランナーの真剣な姿を、応援したくなる気持ちが芽生えてきます。
決戦の幕があき、全速力で駆け抜けるランナーと、見事にめくれていくミニスカートたち。そして、コースのラストに立っているのは、マネキンではなく、なんと本物の女性・・・!
商品の機能性を印象的に伝えるために、効果的にセクシーさを用いたアディダス。「all light all fast すべてを軽く すべてを速く」というシューズが持つコンセプト
に、妙に納得してしまうユーザーが多いのではないでしょうか。
▼男心を掴む、真面目な実験です
100人の裸が描く、ストップモーションアニメ。
Wi-Fi接続によって情報を保存でき体重管理がはかれる体重計や、モバイル機器と連携できるデジタル血圧計などを販売しているWithings。そのプロモーション映像「Beautiful Naked Stop-Motion」は、ストップモーションアニメを用いた、渾身の映像です。
この映像は、自分の身体に自信をもてなかったサムが、運動する喜びを知り、次第に身体を好きになっていくというストーリー。これを表現するのは、なんと100人の裸の男女の身体。瞳や雲など、さまざまなカタチを表現し、撮影。2000枚にも及ぶ写真を編集し、ひとつにつなぎあわせて映像化しています。
100人の裸という驚きの企画ゆえに、強い訴求力をもってユーザーに伝えることに成功していることは確かですが、同社のプロモーションは裸である理由が存在し、絵本のようなチャーミングな動きを随所に加えることによって、あたたかな雰囲気さえ感じられます。そして、最終的に、同社が伝えたかったであろう、“身体を愛することの大切さ”を、ユーザーにしっかりと訴求できる映像となっているのではないでしょうか。
▼撮影だけに3日間かかった、渾身の作品はこちら
セクシー動画でインパクトと波及性を高める
冒頭でご紹介した、フランスのカジュアルウエアブランド「Vicomte A.」のキャンペーンでは、スタートから48時間で15万回もFacebookでシェアされ、ツイートされた回数は30万回にものぼりました。
さらに、様々なメディアにパブリシティとして掲載され、その結果、ECサイトへのアクセス数は5倍も増加したといいます。つまり、かかった広告出稿費(媒体費)はゼロという驚異の結果を導き出すことに成功しています。
今後、こうしたちょっとセクシーな映像を、手法のひとつとして検討してみるのはアリかもしれません。