
国内外の動画需要がますます高まる中、YouTube/Googleは米国内でのYouTubeについての最新の統計情報やトレンドを集約させた「YouTubeの今」がわかるレポート『YouTube Insights』を、昨年7月より四半期ごとに発表することになりました。
今回は、YouTubeの視聴者層、人気チャンネルの動向、表現方法、効果をテーマに昨年7月に発表された第1号の内容をご紹介。現状レポートから今後のYouTube活用におけるヒントを見出します。
米国では動画の人気がますます高まり、日々、新しいYouTubeチャンネルが登場し、既存チャンネルも成長を遂げています。この状況を受けて各企業はこれまで以上に、自社情報を伝える独創的で先駆的な方法を模索し、多くのユーザーの関心を引き付けようとしています。
そんな中YouTube/Googleが、米国内でのYouTubeの最新の統計情報やトレンド、考察を四半期ごとにまとめたレポート『YouTube Insights』の定期公開を昨年7月より開始しました。
2013年7月に発表された第1号では下記の4つのテーマごとに現状が報告されていました。
- 視聴者層
- 人気チャンネルの動向
- 成功事例から学ぶ動画コンテンツの表現方法
- 効果
今後もmovieTIMESでは定期的に発表される『YouTube Insights』を随時ご紹介していきたいと思いますが、まずはこの第1号のレポートからご紹介します。
1.視聴者層
YouTubeの成長を牽引する「ジェネレーションC」
YouTubeでは「ジェネレーションC」と呼ばれる世代が中心的な存在として認識されています。彼らは「ありとあらゆる時間帯と場所でコンテンツを消費する世代」で、以下の4つのCを特徴としています。
■コネクション(connection):PCやモバイルなどでいつでも誰とでもつながる
動画視聴後、50%は動画について友達と会話し、38%はSNSで動画を共有。
■コミュニティ(community):ネットワークを活用・共有し、仲間を構築
55%がソーシャルサイトで100人以上とつながり、500人以上繋がる人も15%。
■クリエイション(creation):テクノロジーを活用し、自ら多くのコンテンツを作成
65%が自作動画をアップロード、25%が動画を毎週アップロード。
■キュレーション(curation):話題になるものやおもしろいものの発見や収集を行う
90%が、ネットで見つけたコンテンツを人に知らせずにはいられないと回答。
ジェネレーションCが与える影響
ジェネレーションCは、文化や経済活動を牽引する強力な新勢力で、5000億ドル規模の消費を左右する存在である。
ジェネレーションCの属性
ジェネレーションCは、特定の年齢層の世代ではなく、上記4つのCを好むという共通の“気持ち・嗜好性”を持っているグループであり、様々な年代にわたって構成されている。(35歳未満は65%、35歳以上は35%。)
その他の視聴者情報
月間ユニークユーザー数
YouTubeは2013年3月、月間ユニークユーザー数10億人を突破。
YouTubeの動画視聴時間
YouTubeの視聴時間は、他の動画サイト上位5社を合わせた時間より遥かに長い。
モバイルでYouTubeを視聴する割合
アメリカ40%、イギリス40%、オーストラリア40%、日本50%、韓国60%
世界中の人々が様々なデバイスで動画を視聴しているが、なかでもモバイル(スマートフォンやタブレットなど)が台頭。
全世界で、毎月15億時間(全体の25%)の動画がモバイルで視聴されている。
「4つのC」と呼ばれる視聴者層の存在や「モバイルデバイス」という視聴環境を意識することが、今後のYouTube活用におけるコンテンツ制作や運用の指針の一つとなり得るでしょう。
2.人気チャンネルの動向
YouTubeの動画コンテンツはここ数ヶ月間で新境地に達し、登録者数100万人を突破したチャンネルや、信頼性の高い動画で何億人もの視聴者に影響を及ぼしたブランドが次々に登場しています。
登録者数100万人を突破した、YouTubeチャンネル
2013年6月時点で、登録者数100万人を突破したYouTubeチャンネルは317に達し、うち約半数にあたる170チャンネルは、2013年の前半に100万人を達成した。
YouTubeブランドチャンネルのトップ10(登録者数順、2013年6月30日時点)
1位:RED BULL(登録者数250万人)
2位:Google(登録者数170万人)
3位:Apple(登録者数130万人)
(OpenSlate, openslatestudios.com, as of 30 June, 2013)
Does not include any entertainment brands.
実際に上位チャンネルを見てみると、RED BULLやGoProの動画では、製品自体が映し出されているものがほとんど無く、製品がもたらすエネルギッシュで豊かな「体験・ライフスタイル」が表現されていました。
また、6位にランクインをしたPEPSIは、チャンネルデザインにこだわり、通常よりエンターテイメント性や回遊率の高いデザインへと工夫を施しています。
世界最大の動画共有サイト最大手であり、企業のプロモーション活動をも大きく左右するYouTubeが『Insight(洞察)』と題し、各種統計数値や実情を余すこと無く、またタイムリーに公開するこのレポート『YouTube Insight』により、公開と同時に米国と同じスピードでこれらの情報を入手できることになります。これまで日本と米国の間に常に存在していた“情報のタイムラグ”を埋める貴重な存在になるのではないでしょうか?
次回は、このレポートから、いよいよ「成功事例から学ぶ動画コンテンツの表現方法」や「効果」など、実践に役立つ情報をお届けします。
[参考]
YouTube Insights Issue One July 2013
http://ssl.gstatic.com/think/docs/youtube-video-insights-stats-data-trends_research-studies.pdf
グーグルが明かすYouTube動画広告制作12のポイント、スマートデバイス時代の動画視聴世代「Generation C」とは