
たった1枚のティシュが小鳥、カエル、オオカミ、シカなど様々な動物に変化していく、かわいらしく不思議な映像。
あまりにも芸術的で見るものを惹き込んでいくこの動画に込められたメッセージとはいったい?
1枚のティシュから生まれる、芸術的な森
まず、1枚のティシュからいろいろなものが生み出される芸術的な映像をご紹介。
ティシュを1枚取り出します。そのティシュがあっという間に...
1本の木に変化。幹の部分、ティシュで出来たと思えないくらい樹皮のごつごつとした感じがよく表現されています。そしてふわりと宙を舞って今度は...
小鳥になって空を飛びます。翼はまるで本物のようにしなやかに動き、バサバサする様がティシュの質感で絶妙に演出されています。
次は、カエル。手足に注目してみてください。3本指になっていて、ティシュと思えない細かさです。
その後もカンガルー、オオカミ、魚、クマ、ヘビ、サル、シカの動物に変化し、そして人間、苗から木になり映像が完結します。1分41秒の間にさまざまな生き物に変化するティシュ。
その精緻さに「これ全部、本当にティシュで作ったの?」と驚くばかりです。
実際にその動画を見てみましょう。
6日間かけて出来上がった、ムービーの舞台裏
最後まで動画を見た人はお気づきだと思いますが、これはティシュペーパーやトイレットペーパーなどを生産するネピアのブランディングムービー『Tissue Animals』なのです。
まるで生きているように動く動物達、一体どのように制作されたのでしょうか。気になりますよね、裏舞台をちょっとお見せします。
『Tissue Animals』は「コマ撮り」と呼ばれる特殊な撮影技法と、ティシュクラフトアートのコラボレーションによって生み出されました。
たとえば、小鳥。
1コマ1コマ画面内の位置や、前後の関係性を考えながら、少しづつ「小鳥」のカタチに近づけていきます。
そして、1枚の紙から翼や尾羽を作り、紙ヒコーキを変形させたようなフォルムにしています。こうすることで、いかにも鳥が羽ばたいているような演出がなされているわけです。
くちばしや足などの細かい部分は、折り紙の「ちぎり」や「ねじり」を取り入れながら表現しています。
機敏な動きのサル。手足の中に骨を入れることで、躍動感を出すなど、見えないところでたくさんの工夫がなされています。
1コマ1コマ、少しずつ作業を進め、撮影に要した時間はなんと丸6日間。
折り紙の技法や、ティシュ独特の素材感を活かした「ちぎり」や「ねじり」を用いることで、芸術的なストップモーションムービーが出来上がったのです。
“森にありがとうの想いを込めて”の本当の意味とは?
このムービーを制作したネピアは皆さんご存知の通り、家庭用の紙製品を製造、販売しています。
ネピアを含む王子グループでは、「木を使うものは、木を植える義務がある」と考え、国内外で積極的に植林。現在、合わせて東京都のほぼ2倍に相当する47.4万ヘクタールの「王子の森」を管理しており、資源を有効利用した商品づくりに取り組んでいます。
このような自然保護の取り組みが評価され、ネピアは商品に「FSC認証」をつけることを許可されました。
「FSC認証制度」とは、世界的に認められている森林認証制度のひとつで、10の原則と56の基準によって、きちんと森林や木材を管理しているかどうかをチェックする制度です。
ネピアは2011年からは主力のネピア商品にFSC認証紙を採用し、今回の動画でもそのFSC認証紙を使っています。
そんな環境に優しいネピアが“森に、ありがとう。”というメッセージを込めてつくったのが、このムービーなのです。
紙を作る企業であり、森林保全する企業であるネピア
今回の動画は、FSC認証のティシュを使ってさまざまな森の生き物たちの営みを表現し、生き物を含む森と、森から生まれるティシュは切っても切りはなせない密接な関係にあることを伝えています。
「森林を伐採し、紙を製造する」と「森林保全すること」は一見相反することのように思えますが、前述したようにネピアは「木を使うものは、木を植える義務がある」と考え、「植林、伐採、活用」のサイクルを大切にし、木が生き、動物が生き、人間が生きている”森”の未来のために努力をしているのです。
ネピアのサイトにはこう書いてあります。
人と人とのつながりも生まれているんです。
ただ、美しいだけのブランディングムービーではなく、ネピアの日々の努力とメッセージがたくさん詰まったムービーなのです。