
これまでのプロモーションサイトは、PCのブラウザ上で完結するものがほとんどでした。しかし今回ご紹介する事例はPCをモバイルと連動させ、ユーザーにより、リッチな体験をしてもらえるサイトです。
スマートフォンをリモコン代わりにし、パソコンの画面を操作できるインタラクティブな仕掛けは、これまでにはなかった新鮮な体験をユーザーに提供しています。今回は、そんなPCとモバイルの連動型プロモーションの好事例3選をご紹介します。
スマートフォンの回転とアニメの世界が連動
INGダイレクトとユニセフは、子どもたちが教育を受けることの重要性をキャンペーンサイト「LUNA」で伝えています。
PCから「LUNA」にアクセスし、「EMPEZAR」をクリック。スマートフォン専用サイトのURLとコードが表示されるので、スマートフォンにそれぞれを入力すれば連携が完了します。
アニメーション再生中にスマートフォンを上下180度に回転させると、PCと連動し、2つのストーリーを見ることができます。
教育を受けることができた子どもは宇宙飛行士となり、宇宙から地球を眺めます。希望に満ちた子どもの心情と、明るい景色が重なり合い、動画から幸せな様子が伝わってきます。
スマートフォンを回転させると別の世界を見ることができます。
それは、教育を受けることができなかった子どもの世界。
そこでは、子どもは工場でひたすら労働を強いられているのです。薄暗い映像のなか、下を向き悲しそうな表情をする子。
スマートフォンをユーザー自身が回転させることで、180度違う世界が存在することを実感できる作りです。「子どもには教育の機会が与えられるべき」というメッセージを、これまでになかった手法で伝えています。
古代コロッセオをパノラマビューイング
続いてご紹介する「The Curved Experiment(カーブの体験)」は、スマートフォンを使って古代コロッセオをパノラマビューイングで楽しむことができる、サムスンの4Kテレビのキャンペーンサイトです。
「LUNA」と同じく、パソコンのウェブサイトにアクセスし、スマートフォンにコードを入力。パソコンとスマートフォンを連動させます。
スマートフォンを左右に動かすと、PCモニターに映る古代コロッセオの景色が連動して動きます。
このワイドなパノラマビューイング体験は、画面が湾曲している「CURVED UHD TV」の臨場感をユーザーに疑似体験してもらうためのサイト。
本キャンペーンでは117カ国から91万にもの人々がサイトにアクセス。滞在時間の平均はおよそ1分30秒と、多くの人がサイトでカーブ体験を能動的に行ったことが伺えます。
銀行の人たちをスマートフォンでコントロール
ルーマニアのUniCredit Tiriac銀行のサイトでは、スマートフォンで口座を管理できることをインタラクティブに表現していることが特徴です。
PCサイトに表示されたQRコードをスマートフォンで読み取るか、URLにアクセスし、連動の設定が完了。
するとスマートフォンがリモコン代わりとなり、PC画面の中にある銀行のオフィスをコントロールできるようになりました。スマートフォンを左に傾ければオフィスも左に傾き、人々がごろごろと転がるのです。
他にもスワイプしたり、タップするとさまざまなリアクションが起こり、ユーザーを楽しませてくれます。
ユーザーがスマートフォンで口座をコントロールできることを、ユーモアたっぷりにプロモーションしています。
PCとスマートフォンの連動がより印象的な体験を生む
今までmovieTIMESでご紹介してきた事例の「双方向性」は、PCサイト上で完結するものがほとんどでした。
しかし近年のスマートフォンは、リモコンやコントローラー代わりにもなるほど多機能なデバイスへと進化しています。そんなスマートフォンを使ったインタラクティブな仕掛けが、デバイスの括りを超えて、これまで以上にプロモーションに活用されている事例が増えてきているように感じます。
ご紹介した3つの事例では、どれも「スマートフォンを操作する自分の動き」と「PC上の動画の動き」の連動を活かした体験をユーザーに提供しすることで、よりユーザーの印象に残るプロモーションとなっているのではないでしょうか。
[参考]
LUNA: http://www.unahistoriaquedalavuelta.com/
The Curved Experiment : http://www.curvedexperiment.com/
UniCredit Tiriac Bank Control your bank : http://www.controlyourbank.ro/app/