
movieTIMESでもアノテーション機能についての記事はいくつかご紹介してきましたが、今回は「Heart Rescue(ハート・レスキュー)」という海外団体が行ったアノテーション機能の活用事例をご紹介します。
目の前で突然人が倒れるところから始まり、あなたの選択によって、その人の命を救えるかどうかが変わってきます。
動画を視聴しながら、人命救助を学び、予行演習できるところがポイントのこの動画。さっそく内容を見てみましょう。
プロジェクトの背景にある、ショッキングな事実
あなたが街を歩いている時、突如見知らぬ人が目の前で倒れたら、あなたはその人のことを助けることができますか?
いざという時の自分の行動を想像することは難しいもの。そんな時に役立つのがハート・レスキュー・プロジェクトが提供するシミュレーション動画です。
このプロジェクトの背景には、毎日のように突然の発作で倒れる人を何千という人々が目撃しているにも関わらず、「倒れた10人のうち9人が救われていない」というショッキングな事実があります。
総務省消防庁の資料によると、心臓や呼吸が止まった人の命が助かる可能性について、その後約10分間までが応急手当による救命のチャンスで、それ以降は助かる可能性が急激に少なくなっていくといいます。(参考:応急手当の基礎知識[PDF])
このことから、人命を救うカギは、その場に居合わせた「あなた」がいち早く応急手当を行うことなのです。
あなたは正しい人命救助が行えますか?
米国のMedtronic(メドトロニック)社はこのような事実を受け、「ハート・レスキュー・プロジェクト」という、発作を起こした人への人命救助法を啓蒙する活動を行っています。
毎日のように起こっている「突然の死」を少しでも防ぐために、同プロジェクトではYouTubeのアノテーション機能を使い、シミュレーション動画を制作しました。
動画は英語ですが、分かりやすい英語と映像ですので、まずは見てみましょう。
ショッピングモールでカップコーヒー片手にくつろぐあなたの前で、不意に人が倒れるのを目撃するところから動画は始まります。
倒れた彼にかけよると、「助けを求めにいくか」「救急番号に電話するか」2つの選択肢が現れます。
このように、次々と取るべき行動の選択肢が現れ、展開していきます。選択によって倒れた男性の様態が変わります。行動が正しければ応急処置を続行、そうでない場合は、男性を助けることはできません。
助けられなかった場合でも、あなたがとるべきだった”正しい方法”を示してくれます。
アノテーションを「学び」に結びつける
アノテーション機能は、動画にゲーム性を持たせたり、複数のストーリーを選択することで展開を楽しませるための使い方が多くみられますが、今回の動画では、それぞれのシーンで自分自身の「行為」を選択させ、実際のシーンをシミュレーションしロールプレイングさせることで、“体験”させて“学び”につなげるという活用方法になっています。
例えば、「AEDを開始する」という選択肢を選ぶと、普段は目にすることがないAEDの中身や、その使い方を動画で「体験」しながら学ぶことができます。
いざという時に行動にうつせるように「予行演習ができる」。これが今回の「シミュレーション動画」の最大の効果と言えるでしょう。
こういった一見難しく思えてとっつきにくい内容や、普段あまり頻繁に起きることない事態を動画にし、疑似体験してもらえるのは動画ならでは。そこにアノテーション機能をプラスすることで、アクション(行動)を伴ったさらに深い体験と学びを得ることができます。
動画×アノテーション機能でつくるシミュレーション動画。試してみてはいかがでしょうか?
[参考]
▼プロジェクト概要動画
▼こちらのサイトでシュミレーション動画が体験できます
Heart Rescue Project(ハート・レスキュー・プロジェクト)
http://www.heartrescuenow.com