[イベントレポート]YouTube/googleが語る、動画コンテンツの現在と未来
キーワード: YouTube

2013年10月末、都内某所で行われた招待制イベント「YouTube Pulse(ユーチューブパルス)」。
Google/YouTubeが主催のこのイベントは「オンラインビデオ戦略、クリエイティブ、メディアについて考える場」として開催され、 YouTubeの幅広い事例から、現在国内で活躍しているYouTubeクリエイター達とのディスカッションなどが行われました。
Pulse(鼓動)というイベントの名の通り、現在のYouTube内で起きている変化、これからのオンラインビデオの在り方を議論するなど今、まさに熱い話題で溢れたイベント。 その一部を今回、特別に紹介させてもらえることになりました。 読者の皆さんにも動画コンテンツの"Pulse"を是非感じてもらえればと思います。
2005年、日本版YouTubeが公開されてから、8年の間にYouTubeは凄まじい成長を遂げてきました。 今や、アーティストがPVを配信するのは当たり前となり、 テレビ局とのコラボレーションや、映画の有料配信など既存メディアとの連携も次々と進む中、 2012年にはGoogle Playでも映画配信を始めるなど、マルチデバイス化にも余念がありません。
このように日々進化を続けるYouTubeについて、グーグル株式会社、YouTubeコンテンツパートナーシップ日本代表・水野有平氏が「YouTubeの今とこれから」について語りました。
YouTubeでは“今“なにが起こっているのか
今や、自身で動画を制作し、YouTubeにアップロードするクリエイターは日に日に増えています。中には、YouTubeへのコンテンツ配信のみで生計を立てている人もいるほどです。では、なぜ一般の人々が発信する動画コンテンツが、多くの人々に受け入れられているのでしょうか?それには時代の大きな流れと共に、メディアに対する消費者の感覚が変化していることが関係しているようです。
その指標の一つとして水野氏は「Generation C」(以下、C世代)の存在を挙げました。C世代のCには4つの意味があり、Curation(キュレーション)/Creation(クリエイション)/Connection(コネクション)/Community(コミュニティ)を意味しています。
また、このC世代には、以下のような特徴があるといいます。
- ・他の媒介なくして、直接、コンテンツそのものと結びついている、初めての世代
- ・彼らはITリテラシーが高く、インターネットや、モバイルや、SNSなどからの情報を、適宜、現実的なものとして捉え、信じている。
- ・2020年までに、先進国の40%はこの世代が中心となり、世界の消費の中心の世代になると考えられている。
C世代は「35歳以下の男女」と定義されているものの、心理的な状態を呼ぶため、実質的に年齢は関係ありません。
そんなC世代の彼らが支持するのは、「型にはまらないコンテンツ」だと言います。テレビなどで流れる「見飽きた」コンテンツではなく、新しい形のコンテンツに興味を持つ世代です。
そのため、C世代はテレビでは真似できない、新しいコンテンツが日々増えていく「YouTube」を好むのです。
最近ではその影響力少しずつ形となって現れ始めています。
例えば、YouTuberと呼ばれる人気YouTubeクリエイターには何万人ものファンがつき、動画をアップすれば、数万回の再生回数を軽々と叩き出します。中には、YouTube上での活動が話題になり、あのエアロスミスのライブに登場し共演をした人までいます。
今後、YouTubeは時代を動かしていくのか
こうした時代の変化を身近に感じている水野氏は、最後に『今後の日本でのコンテンツの展望』について、「個人的な展望ではあるが」と前置きをした上で、次のように述べました。
日本は1900年代には映画、1953年からはテレビが台頭してきた。今後は”オンラインでの映像”の時代である。”オンライン”で活躍するタレントなどが今度登場するだろう。
YouTubeは、 1年間で3億5千万本のYouTube動画がTwitterで紹介され、1日で500年分の時間に相当する動画がFacebookで再生されているほど、強大な拡散力を持つ”拡散するメディア”です。
映像のプラットフォームとして機能し、各メディアと結びつき、そこからコンテンツ大きく広がっていく。その広がり(拡散力)が今後、YouTubeが映像の中心となっていくと考えられる最大の理由です。今後、更にあらゆるデバイスへの対応を実現していくと思われるYouTubeが、どのようにオンライン映像を変えていくか非常に楽しみです。
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