
クライアントとの間に発生する書類。みなさんだったら、どうしますか?「そのままシュレッダーにかけちゃうよ。」という方がほとんどではないでしょうか。
そんな中、この”シュレッダー行きだったはずの書類”を利用して「クリエイティブに強い会社」という自社イメージの醸成に成功した事例があります。
平凡なクライアントとの書類を見事なペーパーアートに
南アフリカの広告代理店TBWA SouthAfricaが、クライアントからの書類を刻んでペーパーアートにして返送するというユニークなプロモーションを実施しました。
クライアントからの書類を
このように切ったり・・・
折ったり・・・
貼り付けたり…
出来た部品を組み立て
完成作品の一部がコチラ
どれも凝っていて綺麗です。
全ての作品には"We can do amazing things with your briefs”(私達はあなた方の書類を使って、こんな風に驚くべきことができます)というメッセージが入っています。
デジタル技術でクリエイティブを多く表現している会社は多くあるでしょう。しかし、それとは真逆の細かい手作業で”美しいクリエイティビティー”をアピール。この取組みは功を奏し6週間で仕事の依頼が450%も増えたそうです。
デザインの仕事をください
なぜここまで手の込んだプロモーションを行ったのか?その背景には仕事の伸び悩みがありました。
同社はマス媒体を使った広告の依頼は多く受けていたのですが、マスに頼らないデザイン関連の仕事は依頼が少なく受注数が伸びずにいました。
ABOVE THE LINE(マス広告事業)には多くの書類。DESIGN(クリエイティブ事業)には1件しか書類が・・・
そこでクライアントからの書類を、「各クライアントのイメージに合わせたペーパーアート」にして返送するというダイレクトマーケティングを実施したのです。
”我々は書類で驚くべきことができます”を世界に届ける
その後、同社はこのDMの制作過程や、今までの作品を紹介をした動画をYouTubeに公開しました。
こちらがその動画
自社チャンネル内の動画のほとんどが数十回~数百回の再生数のなか、このプロモーション動画は46,000回(2013年4月現在)も再生され、コメント欄にも「Amazing. Very thoughtful.(すごいわ。手が込んでいる!)」「Incredible idea!(なんて斬新なアイデアなんだ!)」といった称賛の声が上がっています。
既存クライアントに向けて手掛けた「一対一」で「アナログ」なDMはそれだけで終わらず、「デジタル」ツールである動画として世界に発信されたことで「不特定多数」の人々の目にとまるようになり、同社のイメージ形成を促すプロモーション動画にもなったのです。
- 国:南アフリカ
- 企業:TBWA
- 業種:広告代理店
[参考]
TBWASouthAfrica's channel- YouTube
http://www.youtube.com/user/TBWASouthAfrica
The inspiration room
http://theinspirationroom.com/daily/2013/tbwa-sent-their-briefs-back/