
2013年のビデオコマースは、ショッピングビデオの更なる進化を始め、セカンドスクリーンとテレビのコンテンツ連動、商品動画の枠を超えたECサイトでの動画活用となりそうです。
ソーシャルビデオコマース会社New Anticsの社長であるCJ Bruce氏は、2013年のビデオコマース(*ビデオコマースとは:動画データと商品情報データを連動させ、興味喚起から購入までをリアルタイムかつスムーズに一気通貫で紐付けたコマース手法のこと)の行方について、以下のように予想しています。
1. 視聴→購買へ。ショッピングビデオの台頭。
YouTubeは2012年、米国では関連Webサイトアノテーションと共に商品紹介アノテーション機能をスタートしました。この二つの機能のおかげで、動画内にクリックボックスを設置し、視聴者がボックスをクリックすることで商品サイトへ誘導し、摩擦なく購入画面へと導くことができるようになりました。
YouTubeの「ショッピングビデオ」を利用して、売り上げを上げようと試みているブランドには絶好のチャンスです。
ただ、YouTube側も認めているように、この機能を使用すると、動画から視聴者を引き離すことになるため、動画視聴時間が短くなってしまい、YouTubeの検索アルゴリズムでは、動画ランキングの下位になってしまうという一面もあります。
2013年YouTubeは、組み込む商品画像の表示等をよりカスタマイズし、これらのアノテーション機能を更に改良していくことでしょう。また、現時点でもいくつかの試みにて(たとえば非営利プログラムの募金やGoogle Playの購入など)リアルタイム取引に乗り出しています。
2.テレビ局はセカンドスクリーン向けにショッピング/視聴アプリをリリース
2013年もタブレット市場の拡大はとどまるところを知りません。米国のタブレット端末所有者の45%がテレビを視聴しながら、タブレット端末も使用しています。
しかし、eBay(米国の世界最大規模インターネットオークション会社)のiPad専用アプリ「watch with eBay」に代表されるような、テレビ番組とセカンドスクリーンを連動させた試みは、まだそれほど多くは行われていません。
2012年、こうした動きはFoxとAmerican Expressが協力して制作したFox Nowや、テレビを視聴中にお勧めのコンテンツを紹介するTeam Coco appのようなアプリと共に始まりました。2013年には、こうしたテレビとアプリのシンクロはより密接になり、キー局もこの施策に取り組む日がやってくるでしょう。
3. Eコマース動画は単なる商品動画の枠を超えて成長する
2012年は、購入前の消費者に向けた、商品のディテールや情報を提供できるという商品動画が小売業の中では一般化し、その効果も目に見えるものとなってきました。
しかし、購入前~購入後~使用のサイクルの中の、購入前以外の段階に関連する動画は比較的に少数です。例えば、カスタマーサポート動画や製品の使用方法、ブランドコンテンツ、プロダクトプレイスメントなど、それぞれの段階においての動画はまだそれほど多くはありません。
2013年には、小売業者がより多様に動画を活用するようになり、これまでとは違ったタイプのコンテンツがもたらす効果を認識することによって、商品動画以外の分野がさらに躍進していくこととなるでしょう。
[参考]
Predictions for Video Commerce in 2013
http://www.reelseo.com/predictions-video-commerce-2013/