menu

インタビュー市場動向・レポート 2015年08月12日

【編集長インタビュー】世界のDSPを牽引するTubeMogul日本法人新社長が語る動画広告の現在と未来

キーワード: テレビCM連動 ブランディング 動画広告

動画広告とテレビCMの理想的なすみ分けとは

:日本ではまだ「映像=テレビCM」という固定概念が強く残っているように思います。今後、動画広告とテレビCMはどのように使い分けていくことになるでしょうか?

近藤氏:コストを考えると、テレビCMを使えるのはおそらく大企業だけだと思います。しかもナショナルクライアントさんでさえ、No.1プロダクトでないとテレビCMが打てないとおっしゃる。しかしその他の商品でもセールスプロモーション用の映像は作ったりしているので、動画広告はその受け皿にもなり得るんじゃないかと思います。
また、動画広告の強みはデータとの連携です。テレビCMと動画広告を一緒に使うことで相乗効果が生まれたり、テレビCMでは実現できなかった価値を提供できたりするのではないかと考えています。
我々はインターネット広告会社というよりは、ブランディングのためのソフトウェア会社なので、オンライン動画広告だけでなくテレビCMまでを含めて動画広告と捉え、クライアントさん、広告会社さん、放送局さんと一緒に効果的な動画広告運用の実現を目指していきたいですね。

:我々も動画広告事業を展開していますが、その中で難しいと感じるのが、今までテレビCMを出してきたナショナルクライアントさんは動画広告にも理解があるのですが、そういう経験のない中堅企業さんからは、動画広告になかなか踏み出せないと言われるケースが多い点です。

近藤氏:どういう役割をその動画広告に期待するかによって、動画広告を使った方がいい企業とそうでない企業があると思うんですね。広く知らせるだけであれば、テレビCMのほうが良い場合もあるでしょう。一方で、もう少し深いコミュニケーションをとりたいときには、ターゲティングをかけて興味を持つオーディエンスにリーチをして、動画広告を使ってより深い情報を提供することができます。その際に有効な動画フォーマットは何かということだと思うんですね。「こういうケースはこういう使い方がいいよね」と分かりやすく説明し、かつデータやリサーチできっちり実証してコミュニケーションをとる必要があるかなと思います。

TubeMogul_interview02

新しいプレイヤーの参入と動画広告枠の多様化

:現在、日本では動画広告のマーケットシェアがTrueView広告に集中しています。この在庫の偏りに関しては、個人的には日本の動画広告市場の課題の一つかと考えていますが、そこは今後変わっていくでしょうか。

近藤氏:そうですね。広い意味での動画の効果は、誰しも実感し始めていると思います。その動画を使える場所が今YouTubeに偏在しているのは事実だと思いますが、今後はきっといろんなサービスが展開されていくでしょう。Netflixのような有料型サービスも立ち上がっていますし、テレビ局が見逃し配信を始めたりと、さまざまな取り組みが始まっています。
その他にも、デジタルサイネージもかねてからインターネットにつながるオンライン広告の一つと言われています。このように広く捉えると、YouTubeに在庫が偏っているということはあまり関係なくなりますよね。
我々はそういう中を横串でお手伝いできる会社の筆頭でありたいなと思っています。

ブランディングに特化した動画DSPに寄せられる期待

:日本でも動画広告に対応したプログラマティック・バイイングサービスを提供する企業が増えてきていますが、その中で御社はどのように差別化していくお考えですか?

近藤氏:我々はブランディングに特化しています。ブランディングというのはマーケティングの一番上流ですよね。その下にあるダイレクトレスポンス目的の広告も手がけますが、我々はあくまでブランディングの延長でそういうお手伝いをしています。反対に、効率だけを追求するサービスとは一線を画すことになると思うんです。

tubemogul_map

「プログラマティック」というのもバズワードで、いろんな解釈があります。我々がプログラマティックと呼んでいるのは、出稿プロセスを簡単にしてダイレクトレスポンス目的の広告を効率的に出すためのRTB(リアルタイム入札)に限らず、あくまでブランディングのためのビジネスに使っていただく機能だと考えています。この点も業界のみなさんにきちんとコミュニケーションしていく必要があると思っています。実はTubeMogulとしては、もしかしたら日本ではプログラマティックという言葉を使わないほうがいいんじゃないかと社内で意見が出たりするくらいです。

:広告主の方からの声はいかがですか?

近藤氏:着任してから何社かの方とお話をさせていただきましたが、本当に期待の大きさは感じますね。それは広告主さんもそうですし、広告会社さんもそうです。お会いしたのは、テレビCMも多く展開していらっしゃるクライアントさんですが、さっきお話したような、テレビCMを打ったあと、より効果を得るためにプロモーションやマーケティングを展開するには、やはりネットに力を入れていかなければならない、というご意見をよく聞きます。「でもバナー広告じゃないんだよね」と。そのとき、動画広告が重要になってくるんだと思います。

(次回は、日本の数年先を行く海外市場での最新動向についてです。お楽しみに)

プロフィール

株式会社チューブモーグル代表取締役 近藤弘忠

株式会社リクルートを経て、2000年にヤフー株式会社入社。営業企画部部長、商品企画部部長、広告PM部部長を歴任。2010年にグーグル株式会社入社。ディスプレイ広告営業部統括部長、広告代理店営業部本部長を務める。2015年7月、株式会社チューブモーグル代表取締役社長に就任。

TubeMogulアジア担当副社長 スーザン・サロップ

UCLA Anderson schoolにてMBAを取得。10年間の日本在籍期間中カタリーナ マーケティング ジャパンでVice Presidentをはじめ、さまざまなポストを務める。その後、DELL、Google、Ask.comを経て、TubeMogulのAPAC,Vice Presidentに就任。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

動画制作や動画マーケティングにお困りならLOCUSへ

株式会社LOCUSでは大手企業から新進ベンチャー企業まで、1,500社以上の動画マーケティング支援を行っています。

幅広い用途や、多種多様な表現手法が揃う動画制作実績もご覧いただけます。