
PanasonicはCSR活動のひとつとして「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を展開しています。
このプロジェクトは電気の無い生活の人々にソーラーランタンを寄贈するという内容。
今回「Cut Out the Darkness」と称し、世界中の人々にこのプロジェクトへの協力を呼びかけています。
その活動内容の啓蒙や、参加の呼びかけの一助をなしているのが、動画。
たった1分半のその動画の中にでは、単なる慈善活動として見過ごされがちなCSR活動を、一般消費者にもしっかり関心を持ってもらい、更には活動に巻き込んでいくための仕掛けが用意されていました。
無電化地域の実態をまざまざと映し出す動画
パナソニック株式会社は、創業100周年となる2018年までに世界の電気の無い地域にソーラーランタンを合計10万台寄贈する「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を推進しています。
2013年には、インド・ミャンマー・カンボジアに計1万台を寄贈し、その様子を動画で公開しています。
この動画からはカンボジアでの現地の声がひしひしと伝わってきます。
「出産をするときにソーラーランタンを使うことで、出血や傷口の問題など今までの明かりでは見えなかった点が見えるようになった。」
「女性たちが働く工場では、夕方になってくると手元が見えなくなり、作業効率が落ちたり、品質が落ちたり、作業者の頭痛がひどいなどの問題があったが、こういったものが解決された」
「夜間に行われる教育では、ソーラーランタンを使い、子供たちが読み書きを学ぶ場を提供している」
一つひとつは小さなことに見えますが、こうした変化がカンボジアという国の「保健医療の未発達」「こどもの人身売買」「教育格差」などの根本的な問題の解決の一助となっており、ソーラーランタンがともす「小さな灯り」が大きな役割を果たしていることが分かります。
パナソニックにとっての”灯り”とは?
パナソニックはどのような想いでこのプロジェクトを行っているのでしょうか?
パナソニックの創業者で、経営の神様とも言われている松下幸之助氏はこんなエピソードを残しています。
ある日、しらけたような顔で電球を磨いている社員に対して、松下氏が質問しました。
「この電球はどこで光っているか知っているか?」
そしてこう続けました。
「子供たちが絵本を読んでいる。すると、外が暗くなる。家の中はもっと暗くなる。
そうなれば、どんな物語も途中で閉じなあかん。
でもな、あんたが磨いている電球一個あるだけで、子供たちのドラマは続行や。あんたは電球を磨いているんやないで。子供たちの夢を磨いているんや。
子供たちの笑い声が聞こえてこんか?物作りはな、物を作ってはあかん。
物の先にある笑顔を想像できんかったら、物を作ったらあかんのやで。
子供たちの夢のために、日本中、世界中にこの電球を灯そうや」
“子供たちの夢のために、日本中、世界中にこの電球を灯そうや。“
この言葉にあるように、このプロジェクトはただ、家の中を明るくするためだけではありません。人々の心に灯りを届け、その灯りは人々の人生を明るくし、笑顔にするのです。
世界中の人々が参加できるプロジェクトが始動
そして、「ソーラーランタン10万台プロジェクト」の一環として、誰でもウェブ上から参加できるプロジェクト「CUT OUT DARKNESS」が立ち上げられたのです。
特設サイト上ではプロジェクトについての動画が公開されており、1分半という短い時間で、このプロジェクトの全貌を理解できるようになっています。その一部を見てみましょう。
私たちが日々、あまり触れることのない無電化地域の実情。
照明やネオンがあふれる日本では想像しづらい、「まばたきしても分からないほどの闇」を擬似体験できるよう、動画が一瞬真っ暗になります。
そんな状況を変えるべく、自分でできること、すなわちプロジェクトに参加し、サイト上でシェードをデザインできることが説明されます。
そして、自分でデザインしたシェードがランタンと共に、無電化地域の人々に届く様子を描くことで、プロジェクトの成し遂げる結果、つまり人を喜ばせ、幸せにできるということを実感でき、参加者に”ワクワク”を生み出す動画になっています。
動画では「CUT OUT DARKNESS」というプロジェクト名にふさわしく、闇と光のコントラストがうまく使われています。暗闇に優しい光が灯るかのように、多くの問題に苦しんでいた人々の暗い心に、喜びと希望の光が灯されていく様子が表現されています。
▼1分半の動画で伝わることを実感してみてください。
1分半という短い動画ですが、「誰が」「なぜ」このプロジェクトをしたいと思っているのか。そして「どうやって」参加し、その後「どうなるか」までが動画を通してしっかりと伝わってきます。
動画で伝えることの意味
現地の様子を伝える動画では、「無電化地域が抱える問題」を現地の人々の様子や実際に支援に携わっている人々の声を通して伝えることで、文字や写真で見るよりも、ぐっと現実感が増します。さらに、現地の生活をそのまま映しだすことができる動画はソーラーランタンが、現地でどのように活かされるのかも、しっかりと伝えてくれます。
そして、活動内容を多くの人に伝えるだけでなく、世界中の誰もがその活動に参加できることを教えてくれるこの動画。
「周知啓蒙」と「アクション喚起」という2つの要素をたった1分半に凝縮した「伝わる」「感じる」動画なのではないでしょうか。
[参考]
電気が使えない地域の人たちにあなたの想いを込めたソーラーランタンを届けよう~Cut Out the Darknessプロジェクト
http://panasonic.co.jp/news/topics/2013/119102.html