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ナレッジ市場動向・レポート 2016年06月15日

女性を応援するバイラル動画が近年増えているのはナゼ?押さえておきたい市場背景と動画企画のポイント

今、日本に限らず世界的な動きとして女性の活躍に注目が集まっています。そしてそれに呼応するかのように、ここ数年で女性を応援する動画が増え、世界的にバイラルする事例も複数生まれています。
その背景にある市場の変化と、マーケティング視点で成功する女性応援動画のポイントを考えていきます。

昨年のカンヌライオンズのグランプリ受賞作を振り返ると、女性の生き方を応援したり、古くからの偏見に立ち向かうような動画が多く並びました。
(参考記事:カンヌライオンズ2015を「動画」で総括。今もっとも評価される、社会を動かす動画とは?

またYouTubeが毎月発表している動画広告の再生回数ランキング(Ads Leaderboard)でも、人々を励ます内容の動画広告がこの1年で2倍以上に増えているそうです。

まずはこのように女性を応援する動画(広告)が増えている理由を考えてみましょう。

1. 女性の購買力の向上

2013年にNielsenが発表したレポートによると、この先の10年、米国では女性の購買力が大きく向上し、全消費行動の3分の2が女性によってもたらされると予想する企業もいるとのことです。
女性の社会進出や、より高いポジションでの活躍が世界的に推し進められる今、大きなポテンシャルを持つ女性の購買力に目を付ける企業が多いのです。

▽ NIKE「Better For It」:スポーツブランド各社はさまざまな動画で女性へのアプローチを図っている

 

2. 「共感」とソーシャルメディア

理屈よりも共感で物事を決定する傾向を持つ女性の性質を鑑みると、企業・ブランドは商品メリットをロジカルに説明するよりも、感情の面で共感を得られるコンテンツを発信することが重要になっており、それが女性を応援する動画という形で表れていると言えます。
2014年に行われた調査では、調査対象の628名の女性の52%が、企業が広告の中で描く女性像を気に入り、その商品を購入したことがあると回答しています。

そして共感を得ると、ソーシャルメディア上で広くシェアされる可能性が高まるという点も忘れてはいけません。これはバイラル化には不可欠な要素です。

反対に、性的描写を含む広告は記憶定着や購買促進効果がないことが昨年の調査で分かっていますが、このような時代に逆行するような動画を発信すると、ソーシャルメディア上での批判も高まり、ブランドイメージが大きく低下するリスクがあります。

このような状況を受けてか、YouTube上で高い成果を残した女性を応援する動画広告トップ10作(Empowering Ads Leaderboard)のうち半数が、制作責任者として女性が参加しているそうです。2014年の米国のデータでは、業界内の女性クリエイティブディレクターはわずか11%しかいないことを見ると、女性による女性のための動画、という構図が成功要因のひとつなのかもしれません。

empowering leaderboard

画像参照元:Empowering Ads Leaderboard

3. オンライン動画広告という新しいフォーマット

YouTubeのCEO、Susan Wojcicki氏はThinkwithGoogleに寄せた記事の中で、女性を応援する動画が増えている要因のひとつとして、オンライン動画広告というフォーマットを挙げています。

テレビCMしかない時代、動画広告の秒数は限られていましたが、YouTubeのような動画広告の配信面が登場したことにより、30秒や60秒を使って、よりリッチで繊細なストーリーを表現することが可能になりました。この変化が、女性の深い心理を明らかにしたり、根深い社会問題に一石を投じるチャンスを生み出しているというのです。

▽ Fanpage.it「Slap her」:女性への暴力という社会問題への関心を高めた

 

▽ Dove「Real Beauty Sketches」:他人の目を通して自分の美しさに気付かせる実験動画

 

例えばDoveの「Real Beauty Sketches」は女性を応援する動画の先駆け的存在ですが、3分という時間をかけて、女性が自分の美しさを再認識し、自信を取り戻す姿を映し出しています。このような企画はテレビCMというフォーマットの中では実現は難しかったでしょう。

そして人々もこのような動画広告を進んで視聴しているとのことです。その証拠に、上述のEmpowering Ads Leaderboardに挙がった動画広告は、他の動画広告よりも2.5倍もスキップされにくかったそうです。
さらに、ただ視聴回数が多かっただけでなく、実際に人々に大きな影響を与えていると言います。18~34歳の女性においては、これらのような動画広告を制作した企業を高く評価する傾向が2倍になり、視聴後にサムアップ(高く評価)やシェア、コメント、チャンネル登録などをしたいと考える割合も80%近く上昇。さらに広告想起に関する調査では、通常の動画広告よりも高い数値を残したそうです。

本当の意味でバイラル動画で成功するために

以上のような市場背景を見ると、このトレンドはまだしばらく続きそうです。しかし企業は女性からの支持を得たいからと、表面的に女性応援を謳うのは逆効果です。女性たちは、そのメッセージが核心を突いているのか、うわべだけなのかを直感的かつ敏感に感じ取るため、丁寧に女性のインサイトを研究し、そこに刺さる企画を生み出す必要があります。

また、あくまでマーケティグが目的である以上、売り上げやブランドイメージなどの向上に結びついていることも重要です。そうでなければ、単なる“いい動画”で終わってしまいます。

そこで次に、過去の動画事例をマーケティング視点で振り返り、成功のヒントを探ってみましょう。

Under Armour「 I will what I want」

 

完璧を追い求める女性を応援する本作。主役は一人の女性アスリートですが、同社のスポーツウェアを身に付けてトレーニングに励む姿を通して、そんな女性を応援するブランドであることを強く印象付けることに成功しています。

Always「Like A Girl」

 

生理用品ブランドのAlwaysが「女の子らしさ」とは何かを問いかけた本作は、2015年の代表作のひとつです。思春期を迎える女の子たちの戸惑いや葛藤といったインサイトを明らかにし、ありのままの女性であることを応援することで、ブランドイメージを大きく向上させました。
この動画の成功は、同ブランドのマーケットシェアの拡大という形で証明されています。

Barbie「Imagine The Possibilities」

 

バービー人形といえば女の子のおもちゃの代表的存在ですが、よく見る衣装はお嫁さんやモデルといった、かつての女の子たちが憧れた女性像でした。しかし現代の女の子たちはもっと多様な夢を持っており、バービー人形で遊びながらさまざまな未来を思い描いています。同社はこの動画を通してそんな女の子たちの背中を押すと同時に、バービー人形が子どもたちの可能性を広げるおもちゃであることを親たちに上手に訴求しています。

Verizon「Inspire Her Mind」

 

女性を応援する動画は、BtoB企業でも有効です。
通信会社のVerizonは、科学やテクノロジーの世界でもっと女性が活躍して欲しいという思いをこの動画に込めています。子どもの頃に数学や科学が好きだったのに、親や社会の影響を受けてその道に進むことを断念してきた女性たちの想いを代弁しているかのようです。
女性にもこの分野の未来を担って欲しいというメッセージは、同社の採用活動にも好影響を与えることでしょう。

COVERGIRL「#GirlsCan」

 

化粧品ブランドCOVERGIRLが制作したこの動画では、多くの有名人たちが「女性だって何でもできる!」とパワフルに訴えかけています。そのメッセージ性や訴求力の強さはさすがですが、残念なのが、動画の最後に登場するブランドのタグライン(Easy, Breezy, Beautiful)と女性への応援メッセージに関連がないため、このブランドの商品を使えば何でもできる、というブランディングにつながっていない点です。これではせっかく意義のあるメッセージを発信しても、マーケティング視点での効果はあまり期待できないでしょう。

このように振り返ってみると、女性へのアプローチを試みるのであれば、ただ漠然と女性を応援するのではなく、女性がイキイキと生きる世界の中でそのブランドや商品が果たす明確な役割を見出し、それをブランドメッセージとして開発することがもっとも重要だと言えそうです。そしてそれを女性の琴線に触れるストーリーと組み合わせることができれば、きっと大きな成功を収めることでしょう。それは決して容易ではありませんが、チャレンジする価値はあるのではないでしょうか。

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