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インタビューテクノロジー 2015年12月07日

【編集長インタビュー】パーソナライズド動画の先駆者に聞く、ソリューションツールとしての2つの価値と今後の進化

movieTIMES編集長、瀧 良太(株式会社LOCUS代表取締役)が動画マーケティングの最前線で活躍する方たちにインタビューする不定期連載企画、第2弾。

今回は、パーソナライズド動画『EngageOne® Video』を提供するピツニーボウズ社のセールス、デジタル・コマース・ソリューション担当副社長デイヴィッド・シュワルツ氏にインタビュー。動画マーケティングで先を行くアメリカで、パーソナライズド動画にいち早く着目したシュワルツ氏にその魅力と可能性について伺いました。

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従来のマスを対象にしたコミュニケーションから、対個人のより緻密なターゲティングに基づく「パーソナル・マーケティング」や「One to Oneマーケティング」に関心が集まっています。

今年に入り、動画マーケティング領域でも大和ハウス工業株式会社や、チューリッヒ保険会社がパーソナライズド動画を導入し、お客さまの名前を呼びかけ、1人1人にカスタマイズした内容の動画を配信するなど、「個」に向けたマーケティングのソリューションとしてパーソナライズド動画が注目を浴びつつあります(参考)。

今回はそんなパーソナライズド動画の可能性をお伝えするべく、2008年にパーソナライズド動画にいち早く着目し、アメリカで先行事例を作ってきたピツニーボウズのセールス、デジタル・コマース・ソリューション担当副社長デイヴィッド・シュワルツ氏にインタビューを敢行。パーソナライズド動画の活用方法や、技術の進歩に伴うソリューションツールとしての発展性について、お話を聞くことができました。

オペレーションコストの大幅削減を期待できるパーソナライズド動画

:パーソナライズド動画というと、海外でさまざまな成功事例が報告されていることから、日本でも徐々に注目を集め始めているツールです。具体的にはどのような活用方法があるのでしょうか?

シュワルツ氏: フォーマットとしては2つあると思います。1つ目は、お問い合わせ内容の確認や請求書の内容説明などのオペレーションツール。そして2つ目が新規顧客を獲得するソリューションツールです。

:問い合わせなどのオペレーションツールとしてはどのような業種で導入されていますか?

シュワルツ氏:通信業者が一番多いですが、金融や保険業界も多いですね。

アメリカは日本のように政府が医療保険を提供していないので、毎年1年間の医療保険を個人が自ら購入しなければいけません。しかし、契約のプロセスは非常に複雑で分かりづらい。冊子にすると60ページにも及ぶ保険内容ですから、ウェブサイトや契約書に記載していても、問合せの電話がかかってくるわけです。「今の保険で何をカバーしているの?」「カードがなくなっちゃったんだけど、どうやって再発行できる?」といった具合です。とある保険会社は更新月の1月になると、800人もの従業員を増やして対応していました。

しかし、こういった場合の問い合わせの大半は同じことの繰り返しです。また、人と人が話をする以上にパワフルなコミュニケーションはないと思いますが、それだと対応できる件数がスタッフの数に左右されてしまいます。その点、パーソナライズド動画を使えば、お客さまの求めている情報に合わせて内容をカスタマイズできるので、100人相手でも1000人相手でも、限られた人的パワーで対応できます。パーソナライズド動画はこのように、たくさんのお客様とコンタクトをとるオペレーションの場面に非常に強いツールだと思います。

CRM目的だけでなく、営業効率や売上の向上に直接的につながる

:確かに、そのような用途でパーソナライズド動画を使えば、大幅なコスト削減が可能ですし、対応スピードも早くなることで顧客満足度も高まりそうですね。

シュワルツ氏:はい。顧客満足度はもちろん重要ですが、パーソナライズド動画のポテンシャルはそれだけではなく、ビジネスの効率化や売り上げの向上にも直接的に貢献できると思っています。

:それが2つ目の、新規顧客の獲得ということですね。

シュワルツ氏:私は以前務めていた会社で、顧客が何をどのような経緯で購入したかといった購入履歴データベースを活用してパーソナライズされたダイレクトメールを使い、マーケティング活動を行っていました。その結果、それまで1カ月に7台くらいしか売れていなかった機器が、このダイレクトメールによって15日間で51台売れるという大変に大きな伸びを果たすことができました。これを機に、ダイレクトメールとはいえ、パーソナライズされたツールとそこにしっかりとしたデータの裏付けがあれば効果が上がるということを実感しました。これは2000年の話です。もう15年前ですね。

この成功体験から、私は企業のデータベースを扱うEDA社に移りました。パーソナライズド動画が、営業ツールとして活用できると考えたきっかけは、2008年にEDA社の営業部隊の副社長として勤めていた時です。サッカーチームのマンチェスター・ユナイテッドFCが友達の名前、メッセージ、好きなプレイヤーの名前を選択すると、パーソナライズした動画を作れるというサービスを行っているのをたまたま見つけました。この時、顧客情報を活用し、お客さま一人ひとりに合わせたコンテンツを動画で提供することはできないかと考えたんです。パーソナライズド動画でバーチャルセールスマンを作れないかと。

:サッカーチームのファン獲得の施策を見て、営業ツールとして展開できないかと考えた。

シュワルツ氏:営業のためのプレゼンテーションはほとんど同じ情報が入っています。おそらく営業プロセスの中の8割はどのお客さまに対しても変わらないでしょう。であれば、テクノロジーを使ってバーチャルな営業マンを作り上げよう。そうすれば好きなだけ営業件数を増やしていくことができると。

実際に、EDAの取引先であるKomatsu Americaで、「ディーン」という名のバーチャルセールスマンを作り、お客さまの取引状況を伝えるパーソナライズド動画を作成しました。2009年9月に導入し、完全視聴した人の13%から注文をいただきました。売上でいうと223%という大きな伸びが見られました。説明にかかる時間もリアルな営業マンに比べて26%減少しています。セールスサイクルも通常だと124日間くらいかかるものを78日で終えることができ、37%も短くすることができました。

動画であれば、お客さまが好きなときに、好きなように視聴できるので、アポイントの調整が必要ありません。押し付けるのではなく、お客さま自身が必要に応じて視聴する、という仕組みでもしっかりと成果を出しています。このような経験があり、私はパーソナライズド動画というソリューションが、営業効率や売上UPに明確な効果を発揮すると確信しています。

:効果測定についてはどのように考えていらっしゃいますか?

シュワルツ氏:1人のお客さまを新規顧客として獲得するのにかかるマーケティング費用や実際の営業マンにかかる費用、最終的に契約が成約するまでのコストなどは、どこの会社も管理されているところだと思うので、それらの数値をKPIとして設定し、パーソナライズド動画の導入の有無で比べることができるでしょう。

対話型ソリューションへと進化するこれからのパーソナライズド動画

:今後、パーソナライズド動画はどのような進化をしていくのでしょうか?

シュワルツ氏:現在の一般的なパーソナライズド動画サービスは、名前やお客さまに関する情報を入れた動画を作成し、Eメールなどでお客さまにリンクをお渡しするスタイルです。私たちはこれを更に発展させ、対話型のコンテンツへと進化させています。例えばウェブサイトに訪れたユーザーに初めにいくつかの質問に答えていただくことで、その情報をもとにユーザーの興味の持ちそうな情報を動画にしてリアルタイムで提供するといったことが可能になりました。

このシステムであれば、ウェブサイトにいらっしゃったお客さまが、どのようなニーズを持っているのか把握し、ニーズに向けた製品の提案ができます。そして最終的には、セールスのファネルに落とし込む流れを作っていくようなことまで実現したいと考えています。

:日本ではまだパーソナライズド動画は黎明期という段階だと思いますが、日本でも米国のように浸透していくとお考えですか?

シュワルツ氏:日本の市場に参入するのは、2008年に最初にこの業界入ったときと同じような感覚です。ただ、大きな違いは技術の革新や変化がその当時よりもどんどん早くなっているということと、実績をもって語ることができること。また、日本には理解度やスキルの高い人たちが揃っていると感じています。サービスの提供側だけでなく、クライアントとなる企業側も高いスキルと知識がある。2008年から2015年まで7年かけてでき上がってきた成果と同じものを、日本では3年くらいで実現できるのではないかなと思っています。

:動画を軸にお客さまの課題解決を目指している私自身、とても刺激的なお話を聞くことができました。本日はありがとうございました。

Pitney05

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