
企業が身体をはって挑む「実験映像」が、面白い!
アート作品だったり、ハラハラドキドキしたり、長年の謎が不思議と解明されたり・・・。
フレッシュな驚きを与えてくれる「実験映像」は、まさに、商品PRの新たな成功手法のひとつといって言いでしょう。ロレアル、スバル、ソニー、ユニリーバ・ジャパンといった、いずれも世界で活躍する一流企業の例から、その効果をご紹介していきます!
【日本ロレアル】YouTubeで120万回を記録した「アート」な実験映像。
日本ロレアルがはじめて手がけたWEB動画、UVケア商品のプロモーション「Go Beyond Protection-最高のUVブロックだけじゃない-」が、話題をよんでいます。 美白をウリにしている製品はたくさんありますが、多くは商品効果を説明したものがほとんど。
日本ロレアルは、同商品を絵の具に見立てて、女性の身体に美しい模様を描き、日焼けマシーンを使って身体に“日焼けアート”を施す様子を表現しています。ボディペイントを手がけたのは、イラストレーターのKITAJIKO氏。言葉を一切使わずに映像だけで表現しているため、世界中で注目されています。
「作り手の押し売りにならない表現方法とは、何か」そうした想いを追求した結果、商品を紹介する映像をアート作品へと昇華させることで、存在感と高級感を高めるブランディングに成功。クリエイティブセンスが光る実験映像の一例です。
【スバル】非公開の実験を挑発的に見せる。まさに「究極」の実証映像。
スバルが手がける"FORESTER LIVE"。1年間で世界5大陸、10万キロを『フォレスター』で走破するという、壮大なプロジェクトをご存知でしょうか。
歴史に裏打ちされたスバルの確かな「ものづくり」と「信頼性」を証明するために、本来はサーキットなど非公開の場所で行われている実験走行を、映像にて大公開しています。
灼熱の荒野、アイスバーン・・・。どんな過酷な道でも安全に走りきる、フォレスター。使用されているのは特別車ではなく、あくまでも市販車を用い、脅威のパワーを見せつけています。
視聴者は、フォレスターが駆け巡る5大陸における挑戦的な冒険に、ハラハラしながらもぐいぐいと引き込まれていき、自然とその機能性や耐久性を実感してしまう、という臨場感たっぷりの仕掛けは注目です。
【ソニー】落とす、削る、曲げる…。眼をつぶりたくなる「耐久性」の実験映像。
ソニーの「VAIO Duo 13」。デザイン性やスマートさといった「イメージ」をウリにすることが多いパソコン業界において、同商品はまったく違う表現に挑んでいます。
「VAIO Duo 13」の強みは、なんと言っても耐久性。高いところから落とす、ディスプレイを鍵でゴシゴシと強くこする、逆さまにして強い圧力をかける、ヒンジを曲げてはいけない方向に曲げるといった、パソコン所有者が絶対やってはいけないことの連続・・・。しかし、こうした眼をつぶりたくなるような超絶なる耐久テストも、「VAIO Duo 13」にとってはなんのその!
いまや、プライベートでも仕事でも、なくてはならない存在になった”パソコン”。あちこちに持ち運ぶことも多くなり、予測のつかない事故で壊れるケースが増えているのも事実です。
機能や、ソフトウェアは日進月歩でバージョンアップしていますが、そもそも「本体」が壊れたらどうしようもないハズ。こうした「本質的な課題」に眼を向け、どんなに酷使しても、大事なデータを守り続ける最強のパソコンであることを、実験映像でアピールしています。
【ユニリーバ・ジャパン】 女の子にモテなきゃ意味がない!? 香りは女の子にどのように影響する?
ユニリーバ・ジャパンが発売している「AXE フレグランスボディースプレー」では、"香りに秘められた見えない機能を、見えるようする実験映像"を公開しています。その内容は、「そもそも香りによって、女性からの第一印象は変わるのか!?」という男性のするどい疑問への解答となる、おもしろ実験映像!
美人モデルに好感度解析装置【EMOTION CAPTURE SYSTEM】という謎のマシンを装着して、エレベーター、図書館、受付、さらにニコニコ動画のライブ中継(期間限定)など、さまざまな場所で実験を行っていきます。
フレグランスの有用性を、女性の”平均心拍数”、”平均体温”、”平均発汗”によって解明していく、同企画。男女関係をベースにした、「リアル」で「ユニーク」な実験によって、AXEが単なるフレグランスではなく、「モテの秘密兵器」として見えてくるから不思議です。
さらに、サイト内には、脳科学者まで登場し、科学的根拠として匂いの有用性がわかるページも設置。眼には見えない機能を、おもしろ楽しくビジュアライズした実験映像です。
実際の映像はサイトにてご覧ください!
AXE脳科学研究所 http://www.axeeffect.jp/axelab/
商品PRのトレンドは、「リアル」で「ユニーク」な世界へ。
従来多く見られた華美な演出で表現する「イメージ先行型」の商品PRではなく、新たな手法として注目されている「リアル」な実験映像。
世界的に評価の高い一流企業が挑戦しはじめていることからわかるように、自身の商品や技術力に自信がないと表現できない手法と言っても過言ではありません。
こうした「リアル」な実験映像へと商品PRのトレンドが移行する動きは、企業が手がけるサービスや商品のクオリティも自然と上がっていくという、消費者にとって嬉しいスパイラルへのきっかけとも考えられます。
しかしながら、実験映像を単に流しているだけでは、すぐに飽きられてしまうもの。今回注目した4つの企業の実験映像で注目すべきポイントは、商品のウリを押しつけることなく、「挑戦」を通して、脳裏に強いインパクトを残すことができる「ユニークな工夫」を行うことによって、視聴者の興味関心にしっかりとリーチできている点ではないでしょうか。