
宅配ピザ業界の老舗ドミノ・ピザ。
同社はこれまで、子どもにCMの企画・制作を依頼したり、月面への出店計画を打ち出したり、時給250万円のアルバイトを発表したりと、常識を打ち破るプロモーションを積極的に展開してきました。
そんな中、外国人社長が自ら動画で登場し、毎日ダジャレを発表するというキャンペーンサイトがオープンし、さらに話題を集めています。
ドミノ・ピザ ジャパンは、「ドミノオンライン本店」と称した同社HPに、2013年6月からキャンペーンサイト「DAJARE-A-DAYダジャレやで~」をオープンしました。
このサイトでは同社のスコット・オルカー社長が渾身のダジャレを毎日1つずつ動画で発表。ユーザーがいいね!と思ったダジャレに「ピザぶとん」をあげるとクーポンがもらえるというプロモーションになっています。
この企画、実は社長が日本語の勉強中にダジャレにはまったのがそもそものきっかけだとか。社内でダジャレを言うだけでなく、日本にも広めようという社長の「思いつき」で始めたそうです。
外国人社長が日本語でダジャレ?
さて、肝心のダジャレの内容は?
これは、今までで「ピザぶとん」を一番多く(800枚以上)獲得したダジャレです。この動画からは、大会社の外国人社長が、演技を交えて自信たっぷりに日本語ダジャレを発表しているおかしさと、自ら楽しんでいる社長の人柄がうかがえ、目を引きます。
さらに、ダジャレの内容がピザがらみなので、商品やサービスのPRにも一役買っていることもポイント。ユーザーは楽しみながらも、いつの間にかドミノ・ピザについて詳しくなっているというわけです。
ソーシャルメディアへ拡散する仕掛けも!
このプロモーションでは、実際に「ピザぶとん」をあげようとすると、twitter/facebookいずれかのアカウントが必要になっています。つまり、ログインすると自動的に友だちに情報がシェアされるという仕掛けなのです。そしてクーポン取得にはドミノオンラインのお客様登録が必要なので、顧客獲得にもつながっています。
▼ピザぶとんをあげたるとTwitterへ投稿される(Twitter連携の場合)
さらに毎日配信することで、ピザは注文しなくてもサイトをのぞきにくるよう、ユーザーを促しています。これだけ頻繁にアピールされると、ドミノ・ピザの社長は「スコットさん」だということも覚えてしまい、会社への親近感もわいてきますね。
サイトの予想以上の反響で、ダジャレを社内公用語に?
このダジャレサイトは、オープンから一週間で合計約3000枚もの「ピザぶとん」が集まるという大反響を得ました。それを受けたスコット社長は何と、ドミノ・ピザ ジャパンの社内公用語に「ダジャレ」を導入することを決定し、HPに告知。
社内では、ダジャレと仕事に関する独自調査を実施し、試用期間中に4つのダジャレ施策(1会議1ダジャレ、ダジャレシェアシステム、ダジャレ自主トレーニング、ダジャレ合宿)を行い、将来的にはダジャレ賞与、ダジャレオブザイヤーなどを導入することをユーザーに公表しました。
▼1会議1ダジャレ
さらには参考資料として謎のプレゼン資料まで用意したという、どこまで本気なのか分からない、まるでダジャレのような展開に発展しています。
7月12日(金)の発表ではこの「ダジャレを社内公用語化」は約2週間の試験運用を経て、本採用することは見送ることなったようですが、ダジャレに味をしめたオスカー社長はついにTVCMでも「ダジャレ」を採用することにしたようです・・・。
差別化しづらい商品だからこそPRに独自性を!
ドミノ・ピザはこのような動画で、ユーモアにあふれた人材を歓迎する社風であることをユーザーに印象づけ、会社に親近感をわかせることに成功しています。
そしてユーザーに、「この社長の会社なら、今後も何か面白くて楽しい企画を発信してくれるだろう」という期待も抱かせています。いわば、新しい企業PRの形と言えるでしょう。実際、サイトの好評を受けて、「ダジャレ社内公用語」「ダジャレCM」とユーザーの好反応を見て、とても早いスピードで次の企画を次々と打ち出しています。
宅配ピザ大手はどの会社もラインナップや価格帯は似通っていて、なかなか明確な差別化や「そこに頼む理由」を会社側が訴求しにくい面があります。そんな中で、他社があまりやらない大胆なプロモーションの試みを続け、ユーザーのマインドシェアを高めることで他社に差をつけているのがドミノ・ピザなのかもしれません。
[参考]
宅配ピザのドミノ・ピザ「ドミノオンライン本店」
http://www.dominos.jp/
ダジャレサイト「DAJARE-A-DAY ダジャレやで~」
http://dajare.dominos.jp/
ダジャレ公用語試験運用開始
http://www.dominos.jp/topics/130624_a.html