
百貨店ブランドよりもリーズナブルで、量販店よりもおしゃれ―「ファッションカジュアル」という市場を新たに作り上げた株式会社ポイント様。
ローリーズファーム、グローバルワークなど数々の有名ブランドを輩出し、10代〜30代の男女に大きな影響を与えています。
昨年11月、WEBストアを大々的にリニューアルし、ブランドサイトを統合。新たに動画コンテンツを導入するなど、WEBサービスの強化を進めています。
リニューアルされたWEBストアには、お客様にとって使いやすく、そして楽しんでもらうための様々な工夫が存在しています。
売上高1216億円、国内外で899店(※2013年2月末時点、子会社連結)を展開するファッションカジュアルチェーンの株式会社ポイント様。
「ファッションカジュアル」とは、百貨店と量販店が展開するセグメントの隙間のマーケットポジションです。顧客ニーズの多様化に応じて複数のブランドを展開し、全国の駅ビル、ファッションビル、ショッピングセンターなどに出店。海外では香港、台湾、中国、シンガポールに出店し、グルーバル展開を拡大させています。
現在WEBストアのTOPページにブランド動画、スタイリング動画という2種類の動画コンテンツを配置すると共に、商品の詳細ページにも動画を導入し、さらにWEBマーケティングの強化に挑戦されている株式会社ポイント様。今回、WEBプロモーションご担当者様にお話をお伺いしてきました。
WEBストア強化の流れの理由とは?
―昨年11月にWEBサイトを大幅にリニューアルされたとのことですが、どういった背景があったのでしょうか?
2013年2月期よりスタートした中期経営計画における成長戦略の1つとして“WEBストアを強化、店頭・SNS・CRMとの連携による顧客接点の拡大”が軸にありました。実店舗とWEBとの相乗効果を発揮し、お客様に“より一層ワクワクするお買い物をしていただけるようなサービスを”ということでWEBサイトの全面リニューアルに至りました。
―会社として「WEBでのプロモーションに力をいれていこう」という流れがあったのですね。
ECサイトを運営していて、WEBの可能性は非常に感じていました。ブランドサイトとWEBストアを統合することによって、ひとつのサイトで欲しい情報にアクセスすることが可能になりました。
また、統合の際のリニューアルで、WEBストア上で実店舗の在庫数を閲覧できる機能であったり、購入履歴から一人ひとりに対してのお勧め商品をご提案するレコメンド機能などを追加しました。とにかくお客様に楽しくワクワクしながらお買い物していただくためにはどうしたらいいのだろうか、ということを意識しました。
楽しんでお買い物していただけるサイト作りの新たな手段のひとつ
―動画もその点を意識されて導入されたのですか?
そうですね。魅力あるサイト作りの1つの選択肢として動画がありました。
静止画よりも動画のほうがサイトとしても個性が出ますし、情報量という点においても、よりイメージが伝わりやすいと考えています。
動画の導入は新しい取り組みだったので、自分でも相当調べましたが・・・本当に情報が少なくて大変でした(笑)海外においてのECサイトにおける動画の利用は活発になってきているものの、日本はまだまだこれからですね。そういった意味でも、自分たちで国内ECサイトでの先行事例になるようなサイトを作りたいという思いもあり、海外サイトなどを参考にしつつ試行錯誤して動画を取り入れました。
ご担当者様が語る、動画導入の三つの理由
■動画特有の情報量の多さによる、イメージの伝わりやすさ
■国内にて先行事例となることができる可能性
■海外のECサイトでは動画活用による成功事例が多数あること
―まさに「挑戦」ですね。
WEBの世界では、やらないと負けだと思うんです。とにかく新しいことをやっていかないと遅れてしまう。海外事例は動画自体への工夫であったり、活用方法であったり、色々と良い研究素材になりましたね。そこから仮説を立てて、サイト内での動画の配置やコンテンツについて様々な工夫を行いました。
――色々研究されたとのことですが、動画の中身についてはどのようなことを意識されているのでしょうか?
結局動画は、配信のロジックと内容の見せ方がすべてだと思うんですね。当社の場合ECなので、商品をしっかりと見せることが重要です。けれど、それだけだと面白くない。
そこで“商品をしっかりみせる”という軸はぶらさず、そこへ、いわゆる“かっこいい”“可愛い”であったり・・・そういったエッセンスを加えました。ここのバランスがとても大事だと思います。
▼ティーンズブランド「repipi armario」のブランドイメージ動画
それぞれのページの意味合いと特性に合わせて動画配置を検討
―「直営ECポータル collect point」のサイトではTOPページのファーストビューに大きく動画を取り入れ、スタイリング動画やブランド動画のコンテンツもメイン動画の下に配置するというかなり動画が全面に押し出された作りになっている一方、個々のブランドサイトではあくまでコンテンツのひとつとして程度で、同じ動画でも取り扱い方の違いを感じたのですが、この配置や構成についても考えがあってのことなのでしょうか?
▼「ブランドサイト ローリーズファーム」動画はコンテンツのひとつ(緑丸内)
はい。例えばポータルサイト「collect point」の方は当社で扱う様々なブランドが集まった公式通販サイトなので、色々なブランドや洋服のイメージの違いを感じてもらう必要があり、そういった意味でイメージが伝わりやすい動画が有効と考えました。そこで動画をTOPページに大きく配置しています。
一方、各ブランドWEBストアはそのブランドの商品に興味があってお客様にアクセスして頂いている。となると、WEBストアTOPページの方は1ページにつき商品の掲載数を多くとれる画像をメインにした方が沢山の商品が1度に目に入りますし、商品の売り上げを伸ばすためには効果的だと考えました。
WEBストアは、ページによって流入経路や訪問ユーザーの目的も異なるので、そこをきっちりと分析し、各ページの意味合いを考えて、売り上げにつなげることを念頭に置いて作っていくことがポイントだと思います。
結局はやるかやらないかの違い。使えば武器になる
▼広告宣伝・WEB事業部 田中順一様
―リニューアルから6ヶ月(取材日時点)がたちますが、当初の想定に比べていかがですか?
自社ポイントサービスの開始なども含めて、おおよそ期待通りの効果がでています。動画単体の効果についても社内で色々な視点から検証中です。一定の期間、様子をみて定期的に振り返り、一番適したプロモーション戦略というものを探りつつ、使い方や見せ方も含めて、必要な部分はこまめに変えていくつもりです。
―改めて振り返って、まだ先行事例の多くないECサイトでの動画の積極導入に踏み切れたのはどうしてなのでしょう?
当社の場合、これまでに静止画撮影のためにスタジオや機材などのインフラをしっかり作ってきたという土台があったので、イニシャルコストや環境整備の面で、比較的取り組みやすかったという背景はありますね。
―それでも私たちが知るかぎりでは、「動画導入に興味はあるけど踏み切れない」という企業さんが多くいらっしゃる中、非常に積極的なチャレンジだという印象を受けました。
こういうものは、どれだけ仮説をたてて研究しても、やっぱり最後はやってみないとわからないものだと思うんです。動画はお客様へのサービスの一環ですし、使えば必ず武器になると感じています。結局はやるかやらないかの判断だと思います。
技術はどんどん進歩していきますし、私たちもそういった新しい技術をどんどん取り入れていく必要があります。当社のサイトの動画に関しても、将来を見越して新しい手法が出てきた時点で差し替えられるような仕組みにしています。WEBという流れが早い世界で勝っていくためには、新しい手段や情報に常に敏感で、いいと思うものはどんどん取り入れていかなければいけないと思っています。
―WEB動画マーケティングの周知啓蒙を目的とする当サイトとしてもぜひ応援させていただきたいお取り組みです。今後の展開も非常に楽しみしています。本日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
WEBの可能性、新たなプロモーションの可能性への挑戦
今回お話をお伺いし、動画の導入をはじめとしたWEBの可能性に対し挑戦しづける株式会社ポイント様の姿勢や企業としての勢いを強く感じました。
WEBだからこそ、新しい手段に常に敏感でいる必要があり、そのためには情報を収集し、挑戦しなければならない。
ポイント様ではその1つとして動画を積極的に取り入れていらっしゃいました。これから検証を続けられる中で、更なる工夫や改良がなされていくのだと思います。
今後もmovieTIMESは、新たなプロモーション方法を模索し続けるポイント様を応援し続けたいです。
ポイント様、どうもありがとうございました!
[参考]
collect point
http://www.point.jp/