文章や画像は、動画で伝わるリアリティには到底かなわないものがあります。WEBでのリアリティやディテールの伝達精度を最大にするため、大手釣具メーカーのダイワとシマノは、それぞれ『FISHING ch.』と『SHIMANO TV』という動画専用ページを設け、釣りファンを魅了し続けています。
釣りとWEB動画。一見、遠い関係のように思える両者ですが、実はこれ以上ない相性であることに気付かされます。釣りのテクニックや、潮や波の状況を文章や画像で説明するには、どうしても限界がありました。しかし、動画によって細かいテクニックやポイント、海の状況を中継することにより、視聴者のニーズを余すことなく満たすことが出来、また釣り現場の躍動感や釣り人の興奮度も十分に伝えられます。
今回は、両社の動画活用状況やその使用方法から、Web動画を用いたPRが視聴者へどのような影響を与えるのかについて分析しました。
視聴者へのPRポイント その①
テレビ番組の配信や、シリーズ企画動画を配信。
ダイワの『FISHING ch.』では、テレビの釣り番組のThe Fishingと連動させた企画を展開し、視聴者は好みの回を選択し視聴することができます。これならTVでの視聴を逃しても安心です。本数は、The Fishingの配信動画だけでも41本と、コンテンツも充実しています。
一方シマノの『SHIMANO TV』では、オリジナルのシリーズ動画を展開。シマノでは、オリジナルイベントレポートなども動画で紹介しています。ここでしか見ることができないという特別感があります。
視聴者へのPRポイント その②
製品の特徴を動画で体感した直後に、サイト内でオンラインショッピング。 ユーザをそのまま購買行動へ結びつける効果。
ダイワ『FISHING ch.』では、ジャンルや製品別のオリジナル動画を公開し、視聴者は製品の特徴や使用する際のポイントを細かく確認することができるようになっています。
“HOW TO”コンテンツではダイワ製品を釣りのプロが紹介。そして動画に登場する全ての製品はリンクによって購入ページへ簡単に飛ぶことができるようになっています。購買意欲が最大に達している時を逃さず行動を促すことが可能です。
シマノ『SHIMANO TV』では、オリジナルDVDシリーズの紹介動画の一部をサイト内で公開しています。もちろんこちらも動画を見ながら、すぐに購入するこができます。中身を確認できた上で購入できる安心があります。
視聴者へのPRポイント その③
視聴者との新しいコミュニケーションツールとしての動画
ダイワでは、自社サイト内に”Free Style Fishing”というコンテンツを立ち上げ、訪れる人に釣りカルチャーを発信しています。
ここでは、テーマに応じたストーリー仕立ての動画が掲載されています。親子で楽しむ釣りや、女子会釣りバージョンなど、ダイワのコアユーザーである釣り愛好家だけではなく、ちょっとしたきっかけや興味があってダイワのサイトを見ている潜在的なユーザーへのアピールには、効果的。ドラマ仕立ての内容なので、釣りに詳しくないユーザでも楽しく分かりやすく視聴できるのがポイントです。
シマノでも、初心者釣り教室を”ビギナーズ”というコンテンツの中で行なっています。動画にすることで、特に釣り初心者は釣りについて分かりやすい解説を視聴することができます。
ダイワとシマノの両社とも、釣りの躍動感や、製品の説明を動画で分かりやすく再現しコアユーザーへアピールしている一方で、潜在的なユーザーや釣り初心者へのアピールとしても、ドラマ仕立ての動画や、まず釣りの楽しみ方をシンプルに知ってもらうような動画を取り入れるなど、それぞれのターゲットや目的別に動画を使い分けているようです。
未だWEB動画を用いたPRが一般的ではなく、一見WEB動画とは遠く離れてみえる製品でも、実は動画導入によって予想外の成功を生む可能性を秘めた製品もまだまだあるのではないでしょうか?
[参考]
●シマノ
企業サイト
http://fishing.shimano.co.jp/
SHIMANO TV
http://tv.shimano.co.jp/
●ダイワ(グローブライド株式会社)
企業サイト
http://daiwa.globeride.co.jp/
FISHING ch.
http://www.fishingch.jp/
フリースタイルフィッシング
http://freestyle.globeride.jp/