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動画の著作権って誰のもの?動画制作・配信の際に知っておくべき著作権法を徹底解説!

2020年05月29日

動画マーケティングの普及により動画制作に取り組む企業が増えていますが、その際、関係する法律を正しく理解しておく必要があります。もし間違った解釈をしていると、せっかく動画が完成しても使えないものになってしまったり、トラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。

そこで本記事では動画制作に関する重要なルールのひとつとして「著作権法」の基本を説明するとともに、背景の写り込み、楽曲使用など、動画制作時によく出る疑問について解説していきます。

著作権法の基本

著作権法は、文化的創作物を適切に守ることで文化の発展に寄与することを目的に制定されました。著作権などはこの法律によって守られています。申請登録が必要な特許などとは異なり、著作権は作品が完成した時点で自動的に発生し、効力が生まれます。

動画制作に携わる立場の人が理解しておくべき著作権周辺の全体概要をまとめたのが下の図です。それぞれの用語の意味を解説していきます。

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著作物

個人または企業などによって”オリジナルで”創作されたものはすべて「著作物」とみなされます。企業などの動画広告・動画コンテンツはもちろんのこと、個人が撮影したホームビデオなども著作物に該当します。ただし、他人のマネをして制作されたものは、著作物に該当しません。

なお、アイデアは著作物として認められていません。あくまで”表現”としてアウトプットされたものが著作物であり、その背景にあるコンセプトなどは対象とならないのです。

▼動画に関連する主な著作物

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著作者

著作物を創作した人を「著作者」と言います。動画関連の著作物については、プロデューサー、監督、撮影監督、美術監督など、著作物の”全体的形成”に創作的に寄与した人が著作者に当たるとされています。(映画などの)原作や脚本、楽曲など、動画の構成要素を創作した人は、動画全体の著作者にはなりませんが、それぞれの著作者にはなります。

また、以下の条件を満たしている場合は法人が著作者となり、「法人著作」「職務著作」と呼ばれます(法人格に限らず、団体などでもこれに該当します)。

・法人などの発意により制作された

・法人などの職務に従事する人によって、職務として制作された

・法人などの名義で発表された

・雇用契約や勤務規則において上記に異なる定めがない

著作者の権利――著作者人格権と著作権

著作物の創作によって生じた「著作者の権利」は、「著作者人格権」と「著作権」に分けられます。

「著作者人格権」とは、著作者自身が著作物や著作者名の公表方法を決められる(公表権、氏名表示権)ほか、その創作物を他人に勝手に改変されない権利(同一性保持権)を指します。著作者人格権は、他人に譲渡などできず、必ず著作者に帰属します。

一方「著作権」とは、著作物を放映、展示、翻訳、二次使用などができる権利です。著作権は原則的には著作者に属するため、動画の制作を制作会社に委託した場合は、制作会社が著作権を有することになります。

ただし、著作権は譲渡可能な権利のため、双方合意の上で、依頼主側に権利を移すこともできます。また、制作会社側が著作権を保有しながらも、依頼主側での一定範囲の利用を認める場合もあります。

「買い取り」について

動画や広告制作などの業界では慣習的に「買い取り」という言葉が使われます。その解釈が業界や企業で統一されていませんが、おおよその意味としては「著作権の譲渡」に相当します(費用についてはケースバイケース)。口頭で「買い取り」という約束が交わされるケースも見られますが、後のトラブルを防ぐためにも、契約書面上に、誰に著作権が帰属するのか、誰がどこまで利用可能なのかを明記しておくことが重要です。

著作隣接権

動画の演出家や出演者などの「実演家」、DVDなどに最初に収録した「レコード製作者」、動画コンテンツを配信するテレビ局やYouTubeなどの「放送事業者」はそれぞれ、著作者ではないものの、その著作物の制作において重要な役割を果たしたとして、「著作隣接権」が発生し、録画・複製したり、インターネット上で公開するなどの権利が認められています。

動画制作・配信において知っておきたい3つのポイント

著作権法の基本を学んだところで、次に、実際に動画を制作・配信するにあたって知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

屋外撮影での背景への写り込みは原則的には問題なし

屋外で撮影する際、背景にポスターやキャラクターなどの著作物、企業ロゴなどの商標物が写り込んでしまった場合はどうすべきでしょうか?

著作権法では基本的に、撮影対象物から「分離することが困難」であれば、著作物が小さく写り込んでしまっても権利侵害には当たらない(ただし著作者の利益を不当に害する場合を除く)とされています。ただし、写り込みの程度(大きさや見え方)や、「分離することが困難」か否かは、事案ごとに都度判断されるため、できるだけ著作物や商標物が写り込まないような撮影プランを立てましょう。

なお、音声に関しても同様の判断がなされます。

tokyotowerまた、屋外に恒常的に設置されているビルや電波塔などの建造物(「建築の著作物」と「美術の著作物」)、電車についても、それらを複製して建てたり、DVDなどにして販売する目的ではない限り、自由に撮影してよいことになっています。

ただし、企業による商用目的の映像の中で、特定の建造物や観光スポットなどを意図的にフィーチャーする場合には、撮影前に所有者に承諾を得ておいたほうが安心です。あくまで遠景の一部に含まれている程度であれば許可を取らなくても問題ないと考えてよいでしょう。

音楽素材を使用する際は適切な手続きを

music動画の企画演出として「音楽」は重要な要素ですが、言うまでもなく、著作権で保護されているアーティストなどのオリジナル楽曲や、商標登録されているサウンドロゴなどを無断で使用することは違法です。

動画にBGMを入れる場合は、著作権保護された楽曲を正式な手続きを踏んで使用するか、著作権フリーの音楽素材(有償/無償)を活用するか、オリジナルの楽曲を自ら制作するかを、企画や予算をもとに選択することになります。

なお、JASRACが管理する楽曲に関しては、主として従業員のみを対象とした社内イベントでの使用においては、当分の間、使用料が免除され、手続きも不要とされています(参考)。ただし、その社内イベントの様子を撮影し、著作権保護されたBGMが含まれる動画を無断でYouTubeやSNSに投稿した場合、著作権侵害を問われる可能性があるため、注意が必要です。

動画をオンラインで配信するという意味

動画をより多くの人に視聴してもらうためには、YouTubeやVimeo、各種SNS等への投稿は不可欠と言えます。

しかしこれらのメディアに動画などの著作物をアップロードすると、使用・複製・改変・配信などの一切のライセンスをメディア側に提供することになります(著作権自体は制作者に属します)。つまり、非公開設定など一定の機能は用意されているものの、動画投稿後は各メディアが定める条件に基づき、あらゆる場所で公開される可能性があります。

またメディア側が、アップロードされた動画を自社のコンテンツ素材としてプロモーションなどに使用する可能性もあります。その意味でも、動画制作の段階で著作権などをきちんとクリアしておくことが重要なのです。

各種メディアを利用する際は、事前に利用規約を確認する習慣をつけましょう。

主要メディアのサービス利用規約 ・YouTube   ・Vimeo(英語のみ) ・Facebook   ・Instagram   ・Twitter

国際的に守られる著作権

以上のように、動画などの制作に携わった人はさまざまな権利を与えられ、保護されています。だからこそ、知らないうちに他者の権利を侵害してしまわないよう、常に注意が必要です。動画を制作する際は、今回ご紹介したルールを自分で正しく理解しておくのはもちろんのこと、パートナーとなる動画制作会社や代理店にもこれらの法律をきちんと遵守することを求めましょう。

なお、もし著作物が国外に出ても適切に保護するべく、各国は条約を結び、お互いの国の著作物や権利を守っています。海外のコンテンツなら勝手に転用しても大丈夫、などとは決して考えてはいけません。

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