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クリエイティブ 2016年03月02日

10代、20代に“刺さる”動画広告とは?Googleの比較実験からミレニアル世代に向けた広告クリエイティブを考える

キーワード: A/Bテスト TrueView

デジタルネイティブとも呼ばれ、インターネットやソーシャルメディアを積極的に活用する10〜20代は、トレンドを生み出す世代でもあり、消費行動を喚起していく上で重要なターゲット層です。

今回は、Googleが実施した動画広告に関する比較実験から、「若年層に効果的な動画広告」を考えます。

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米国のミレニアル世代では、オンラインでの動画視聴がテレビを上回り、1日あたりの動画視聴時間は年25%のスピードで伸びていると言われています。
(参考記事:YouTubeのCBOが語る「動画がこの先の10年でテレビを超える4つの根拠」から動画マーケティングのヒントを探る)

さらには、自分で撮影し、公開することにも積極的な10~20代に対して効果的なコミュニケーションとは一体何でしょうか?

Googleがコスメブランドのロレアル パリとともに行った実験から、ミレニアル世代とそれ以外の世代との間に興味深い違いがあることが明らかとなりました。

若年層に対して効果のある動画広告表現とは

実験では、ロレアル パリの新商品のアイシャドウを訴求する3種類のTrueView広告を用意。視聴者を18~24歳と35~44歳の2つのグループに分け、表現手法の違いが視聴態度や視聴後のブランドリフトに及ぼす影響を調べました。

用意された3種類の動画広告は以下の通りです。

バージョン1 :ブランド広告("The Glam")

 

メイクアップアーティストとトップモデルを起用した従来のテレビCM型の表現。高級感やダイナミックな印象を与えるカットを用いて30秒の尺の中でテンポよく展開している。

バージョン2:ブロガーを起用したチュートリアル動画("The Show")

 

美容系の人気ブロガーがメイクのポイントを紹介。約3分と長めだが、BGMとテロップだけで展開し、シーンに合わせたメイクノウハウを詳しく解説している。

バージョン3:一般ユーザーによるハウツー動画("The Tell")

 

一般ユーザーがYouTubeに載せるようなテイストのハウツー動画。特別なカメラワークやシーンの切り替えはなく、スマホで撮ったようなシンプルで手作り感のある動画になっている。動画尺は1分11秒。

実験結果

実験の結果、3種類の広告のビュースルーレート(VTRs)に関しては、世代による大きな差は見られませんでしたが、動画視聴後の広告想起率やブランド認知度は世代間で異なる結果となりました。
ブランド広告のThe Glam が35~44歳のグループに効果的であったのに対し、18~24歳のグループは一般ユーザーを起用したThe Tellの広告想起率とブランド認知度が他の2つの動画広告と比べて非常に高くなったのです。

▼18~24歳のグループの広告想起率は、The Tell(一般ユーザーを起用したハウツー動画)がThe Glam(ブランド広告) よりも100%も高かった

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CTRに関しても、18~24歳のグループでは、The TellのCTRがThe Glam のおよそ2倍を記録しています。

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これらの結果から、ミレニアル世代に対しては上の世代に比べ、一般ユーザーを起用した動画(The Tell)を使ったコミュニケーションの方が有効なことが明らかになりました。

若年層に影響を与える存在とは?

国内でも若年層のテレビ離れが加速していることは事実ですが(参考記事)、従来のテレビCM型のコミュニケーションではなく、一般ユーザーが登場する、映像のクオリティとしても低いと言える表現が若年層に有効なのはなぜなのでしょうか?

ここからは、「情報拡散の形」「表現スタイル」「情報源に対する信頼度」の3つの視点からその理由を考えてみます。

1. 新しい情報拡散の形

写真や動画を扱うスマホアプリが増え、コミュニケーション手段がテキストからビジュアルへとシフトする中、情報拡散のあり方が変化しています。

株式会社電通 電通総研メディアイノベーション研究部の天野彬氏は、テレビや新聞などの従来の「マス型」の拡散、インターネットやソーシャルメディアで影響力のある人物のレコメンドによる「インフルエンサー型」の情報の拡散に加え、特定の発信源がなく、情報の受信者が発信者にもなり網目状に拡散していく「シュミラークル型」と呼ばれる拡散のあり方が、「こうありたい」「こういうことがしたい」という、新しいニーズを生み出しているとしています(参考)。

上述のGoogleの実験で用意された3つの動画広告は、この3つの分類に対応していると考えることもできます。ビジュアルコミュニケーションに慣れ親しんだ若年層は、テレビに出ているタレントや人気ブロガーといった発信者から影響を受ける以上に、自分に近い世界感の中でのコミュニケーションに影響を受けやすくなっていると言えるでしょう。

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画像参照元:http://dentsu-ho.com/articles/3597

2. 個人投稿型動画コミュニケーションの普及

個人が動画を投稿するという新しいコミュニケーションの普及により、好まれる映像スタイルにも変化が起こっていることも一因として考えられます。

10代を中心に支持されている動画投稿アプリのMixChannelやVineのおかげで、個人が気軽に動画を投稿できる環境が出来上がりました。動画メディアのC CHANNELでも、それまではクリッパーと呼ばれるインフルエンサーが動画を通して情報を発信していましたが、昨年11月には個人ユーザーが動画を投稿できるようになるなど、一般ユーザーが作った動画を視聴する文化が急速に広まっています。Googleの実験における「The Tell」の表現手法はまさにミレニアル世代が日常的に目にしているスタイルであり、より親しみを感じ、好意的に受け入れられたと推測できます。

▼C CHANNEL:クリッパーの動画の他に一般ユーザーの投稿も並ぶ

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画像参照元:http://www.cchan.tv/channel/eyemake/

3. 若年層の消費行動を左右する情報源

最後に、ミレニアル世代において、一般ユーザーのレコメンドに対する信頼度が高まっていることが挙げられます。

マーケティング支援を行うcroudtap社と調査会社Ipsos社が米ミレニアル世代を対象に行った調査によると、テレビやラジオ、新聞などの従来のメディアよりも、一般ユーザーのレビューや友人との会話の方が商品紹介情報への信頼度が高いことが明らかになっています。

加えて、レビューの発信者についても、その分野の専門家の評価を信頼すると答えた人の割合よりも、一般ユーザーの声の方が信頼できると答えた人の割合の方がわずかながら多くなりました。

口コミが消費行動に対して強い影響力を持つようになって久しいですが、それが映像化されることで、より信頼できる情報源として認識されているのかもしれません。

▼従来のメディアとUGC(ユーザー発信のコンテンツ)との比較

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画像参照元:http://blog.crowdtap.it/2014/04/millennials-heart-ugc-infographic/

若年層のアプローチへのヒント=個人投稿型のコンテンツ

先日、movieTIMESでご紹介したトークセッションでは、株式会社C Channelの三枝氏やLINE株式会社の谷口氏が、モバイルはテレビよりもユーザーとの距離が近く、この「距離の近さ」に合わせたコンテンツ設計が求められると発言しています。
(参考記事:【特別レポート】LINE、C CHANNEL、H.I.S. が語る「モバイル動画ビジネス」のリアル――カギは“ユーザーとの距離感” 

そして今回ご紹介した実験結果や考察からも、情報発信手法としても、表現手法としても、10代20代へのアプローチでは「身近さ」がポイントになることが分かりました。

さらに特筆すべき点は、スマートフォンで撮ったような個人投稿型の作風が「動画広告」として受け入れられたということです。

ユーザー投稿型のキャンペーンや、ユーザーの声を活用した動画マーケティングはこれまでも多くの企業が取り組んでいますが、広告というフォーマットでも一般ユーザーの「身近さ」がブランドリフト効果をもたらすという事実は、今後のオンライン動画広告クリエイティブの考え方を変えることになるかもしれません。

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