動画マーケティングの最新情報|movieTIMES ムービータイムス

movieTIMES ムービータイムス 映像制作の株式会社LOCUS

インタビュー 2016年02月22日

【特別レポート】LINE、C CHANNEL、H.I.S. が語る「モバイル動画ビジネス」のリアル――カギは“ユーザーとの距離感”

キーワード: モバイル

2月3日、公益社団法人日本印刷技術協会が主催する『page2016』内で行われたカンファレンスにmovieTIMES編集長の瀧がモデレーターとして登壇。「ビジネスに活かすスマホ動画」と題して、LINE、C CHANNEL、H.I.S.の3社からパネリストを招いたトークセッションが行われました。

広告配信プラットフォーム、動画メディア、広告主の各社は、モバイルがもたらしている動画市場の変化をどのように見ているのでしょうか? 必見の特別レポートをお届けします!

20160222_jagat_thumb

:2015年、動画広告市場は前年対比162%と急成長。うち半数近くがスマートフォン向けであることがオンラインビデオ総研より発表され、モバイルシフトの流れは2016年、ますます加速していくと言われています。
若い世代だけでなく、中高年層でも「動画はスマホ」になりつつあるなか(参考)、動画を用いたビジネスはどのような方向へ向かっていくのでしょうか。
LINE株式会社の谷口マサト氏C Channel株式会社の三枝孝臣氏株式会社H.I.S.の田渕有策氏のお三方に、それぞれの視点から見た動画市場についてお伺いしていきたいと思います。

 3者の視点から見る動画市場の今

:谷口さんは「LINE」や「livedoor」などのメディア事業に関わっていらっしゃいますが、近年の動画市場についてどう思われますか?

谷口氏:毎年来る"動画元年"ですが、2016年こそ動画元年が来ると思うのは、ネットでもリーチ規模がある程度とれるようになったためです。実は5年ほど前にも広告企画で「これからは動画だ」と思ってバンバン動画を作ったのですが、そのときは見事に失敗しました。当時はネットのリーチが弱く、クリエイティブの問題以前にリーチが少ないのでまったく見てもらえなかったのです。
しかし最近だとLINEで配信すれば数十万〜数百万人に見てもらえるので、ある程度コストをかけて良いコンテンツを作った方がいいな、となりますよね。リーチの量とクリエイティブのコストというのは比例しますので、そろそろ広告企画でオリジナルの動画を作ってもペイするフェーズになってきたなと、考えています。

:実際に動画を活用されている広告主として、田渕さんはどう見られていますか? 市場と現場でのズレや課題などありますか?

田渕氏:話題作りになることや、伝達手段としての伝わりやすさは、動画のメリットとして感じるところです。
一方で、どう売り上げにつながったのか、ビジネスにどんな影響を与えたのかなど、「こうあれば成功」というロジックが設計できていないまま走り出してしまい、何となく「盛り上がった」で終わってしまうことが課題です。「最近流行っているから動画作るべきだよね」と言ってやってはみたものの、盛り上がりもしないことも多く、一企業が配信する動画を広める難しさを感じています。

:C CHANNELは今注目されているメディアですが、広告主の方はどのようなことを期待して出稿されているのでしょう?

三枝氏:テレビCMを打つほどの規模ではないけれども、何かしらの広告を出したい、PRしたいというニーズが多いですね。例えばコンビニエンスストアのLAWSONさんは毎週、新商品を出していますが、その度にコマーシャルを打つのは難しい。C CHANNELはそういった場合のタッチポイントとして期待されています。
C CHANNELの利用者は若い女の子がほとんどなので、ターゲットが明確ですし、C CHANNELに載せた動画をソーシャルで拡散させる動画プラットフォームとしても利用されています。

20160222_jagat_cchannel
画像参照元:http://www.cchan.tv/clipper/lawson/動画はこちらからご覧いただけます

カギはユーザーとの距離感に合わせたコンテンツ設計

:三枝さんはテレビ業界からネット業界に移られていますが、テレビと比較したときのモバイルならではのフレームワークやポイントについてお聞かせください。

三枝氏:重要なのは「距離感」をつかむことです。スマホはすごく距離が近いんです。
テレビは、スマホを使いながらとか、メイクをしながら見るものになってきていて、番組自体も“ながら視聴”に合わせて作られています。どこで見始めても、目を離しても支障がなく、あまり主張もしないコンテンツが求められてきています。それに対し、スマホはもう少し距離が近いものなので、ユーザーに近い情報、自分事にできるような情報をしっかりと主張していく必要があります。自分が興味のあるものだと分かれば、コンテンツを見てもらえますが、そうでないとすぐに飽きられてしまいます。

この距離感の違いは広告にも当てはまります。コストを掛けて作ったからと、テレビCMをそのままオンライン動画広告に使っている企業も多いようですが、テレビとスマホでは見られ方も見ているシチュエーションも違うので、コンテンツを変えていく必要があります。

田渕氏:三枝さんがおっしゃる通り、企業としてはそれなりの予算をかけてCM作ったから、とりあえずオンラインにも置こうよっていう感覚はありますね……。

:谷口さんはこの点について、コンテンツの企画者としてどう思われますか?

谷口氏:テレビCMだって素晴らしいコンテンツだ、と言う人もいますが、YouTubeの動画広告にテレビCMが載っていて、それをスキップせずに楽しんで見ている人がどれだけいるのか、という話なんです。距離感さえ正しく掴めば、CMもネット用にガラッと変えられると思います。

例えば、映画よりも居間で見るテレビの方が距離は近いですし、ラジオはその番組を聴いている「あなたへ」と呼びかけるので、さらに距離が近くなります。ではネットの距離感とは何なのか?
ある方がネットは「一緒に居酒屋で飲んでいる隣の人」くらい近いと言っていて、なるほどなと思いました。お酒の席で自分のPRばかりしていたら迷惑ですよね。でも今は、ネットでもテレビと同じCMを流している状況なんです。ユーザーとの距離が近いネットでは、もっとコンテンツの比率を高めないと相手にしてもらえなくなってしまいます。

モバイルならではの動画施策とは?

:モバイルの特性に合った動画施策とは何でしょうか? H.I.S.の取り組みのなかで見えてきたものはありますか?

田渕氏:2014年の夏に「わすれない夏フォトコンテスト」というキャンペーンを行い、お客さまから旅先の写真を募りました。
海外のきれいな海をバックに子どもたちが喜んでいるような微笑ましい写真がたくさん集まり、スライドショーにしてFacebookで紹介しました。
このキャンペーンはお客さまの共感を呼び、集客に貢献したと聞いています。携帯やデジカメで撮った写真なので、プロの動画に比べると画質が悪いものもあるのですが、それも味になっていました。
また最近では、旅先で撮った写真をSNSでシェアしたいがために、旅行に行くような状況が起こっています。南米のボリビアにあるウユニ塩湖はすごく行きづらいのですが、そこで写真を撮るために旅行先に選ぶ学生さんがすごく多い。
国内だと「日本のマチュピチュ」と言われている竹田城もそうですね。そういった需要を広げるために、こんな場所にこんな景色があります、ということを伝える動画に力を入れています。

▼「わすれない夏フォトコンテスト」

 

 

【わすれない夏フォトコンテスト】―続々、夏休みの思い出写真が集まってきています!―第11弾となる本日の動画は「お子様」を中心に制作してみました。見ているだけで、ほのぼのした気持ちになれる素敵な動画になっております。わすれない夏フォトコンテストは、10/10(金)18時まで、皆様の旅の思い出写真を募集しています!あなたの写真がH.I.S.公式Facebookや街頭ビジョンに映るかも!?お一人様何枚でもご投稿いただけますので、是非皆さまの素敵な旅のお写真をお待ちしております♪それでは良い週末を♪▼写真の投稿はこちらから!▼わすれない夏フォトコンテスト:http://bit.ly/1qwyUvO

Posted by H.I.S. Japan on 2014年9月26日

▼タイ・チェンマイの伝統行事の様子をFacebookに投稿したところ、歴代最高の再生回数とリーチ数を記録した

 

2015年H.I.S. SNSランキング1位!タイ・チェンマイの熱気球が夜空を舞う絶景

\堂々1位は…幻想的なあのお祭り!/【2015年 H.I.S. SNS投稿ランキング発表!】http://bit.ly/1U6RN862015年 H.I.S.がSNSで投稿した記事の中で最も反響が大きかったのは、タイ・チェンマイで、毎年11月下旬に開催される、"コムローイ"というランタンのような熱気球が夜空を舞う絶景体験イベント「イーペンランナーインターナショナル」に関する投稿でした。以下、ランキングです!【第3位】一度は死ぬまでに観たい絶景の代名詞●ボリビア・ウユニ塩湖●一度は観たい世界の絶景として、今や代名詞となった南米ボリビアの「ウユニ塩湖」。その壮大で神秘的な風景は「天空の鏡」と比喩され、旅行者に驚きと感動を与えています。▼お客様からの声「生きてるうちに行ってみたい場所!!」【第2位】エメラルドグリーンの海を臨む絶景●山口県・角島●山口県下関市にある、人口900人ほどの島、角島(つのしま)。美しい海の上に全長1780mもある角島大橋が伸びる光景のインパクトが大きく、多くのファンの方から反響をいただきました。▼お客様からの声「最近行きました!めっちゃくっちゃ綺麗!」そして栄えある第1位は・・・【第1位】コムローイが夜空を舞う絶景体験●タイ・チェンマイ●タイのチェンマイで11月に行われる『イーペンランナーインターナショナル』というお祭りでは、天の仏陀に感謝の気持ちを捧げ、日々の生活が幸福であるように厄払いをするという意味を込めて、何万もの神秘的なコムローイが一斉に夜空へ放たれます。この幻想的な風景が話題を呼び、2位以下に圧倒的な差をつけて見事ランキング1位に輝きました。▼お客様からの声「一度でいいから、見て参加したい!」その他、ランキング結果はこちらからご覧ください>>http://bit.ly/1U6RN86『イーペンランナーインターナショナル』が1位になったことを記念して、今年11月25日に開催されたばかりの、とれたてレポートをお届けします!無数のコムローイが一斉に放たれる圧巻の様子をご覧ください!また、他のSNSアカウントでも、「2015年イーペンランナーインターナショナル」取れたてレポート配信中!■H.I.S.Instagram公式アカウント「his_japan」ホーム画面が、空一面をコムローイが埋め尽くす幻想的なお祭り一色に♪http://bit.ly/21RbANS■H.I.S.Pinterest公式アカウント「H.I.S. Japan」イーペンランナーインターナショナルのボードをUPしました。お祭りの雰囲気を味わってくださいね!http://bit.ly/1IWM7qs

Posted by H.I.S. Japan on 2015年12月10日

 

:ユーザー参加型のキャンペーンは、まさにモバイルの距離の近さを活用した取り組みですね。C CHANNELでも昨年11月に個人ユーザーが動画を投稿できるようになりましたね。

三枝氏: C CHANNELでは、クリッパーと呼んでいる女の子たちが行ったスポットや気になるアイテムを動画ブログ的に紹介していて、そのリアリティが先ほど話したスマホの距離感と相性がいいと感じています。プロが撮ろうと思っても撮れなかったものが彼女たちの動画にあって、そういった個人投稿の中に新しい広告商材を取り入れていきたいですね。

実際、CMとは違うものを求めているクライアントからはセルフィーで撮った動画が受けていたりします。スマホのカメラの性能も上がって、スマホで視聴する分には従来のビデオカメラで撮ったものと大差がない。スマホで動画を撮るときの唯一の課題は音質ですが、スマホでの動画視聴はミュート再生が多いので、むしろ音声がなくても伝わるクリエイティブが求められます。また、スマホでの撮影はコストを下げられる分、アイデア勝負になってくると思います。

:谷口さんはスマホならではの動画で注目しているものはありますか?

谷口氏:タテ型動画は注目しています。例えば漫画だと従来の横開きに対し、スマホに対応した縦読みが増えていますよね。横開きだと風景などの引いた絵が合うのですが、縦読みだと、クローズアップの描写が合っていて、結果として登場人物の顔アップや内面描写が多くなるんですよ。動画でも同じだと思っていて、タテ型動画は距離が近くなるので、クローズアップや心理描写をしたいときに向いていると思います。動画の内容によって横型なのか、縦型なのかを分けるべきでしょうね。

制作費について言えば、細かいところにこだわってコストを上げるよりも、スマホの小さい画面で見れば気づかない細部はこだわらないようにしています。例えば、お金をかけてロケをした方がきれいに撮れるかもしれませんが、合成でもスマホ上でそれと分からないのであれば、ここはロケをせずにコストカットした方がいいと判断します。勘違いしてほしくないのは、スマホに最適化したコストをかける、ということで、とにかく安くあげたいということではないんです。

まずは一歩、「モバイル動画」に踏み出す

:2016年に取り組んでいきたい施策や今後の展望はありますか?

谷口氏:動画って失敗が怖いんですよね。コストもかかりますし、見てもらうためのハードルも高い。そこでLINEでは昨年の12月からLINEのフリーコインコーナーで、広告企画としてオリジナルマンガの配信を始めています。100万人くらいに見られる枠でマンガを配信して、反応がいい作品については、今度は映像化を提案できないかと思っています。オリジナルマンガの配信、映像化と段階を踏んで提案できるので、動画を配信したときの反応をある程度予測できるようになります。

また我々はコンテンツの企画と同時に、リーチの確保もセットで提案していくべきだと思っています。先ほどリーチの量とクリエイティブのコストは比例すると話しましたが、コンテンツを無駄にしないためにはちゃんとリーチをかけないといけない。これだけリーチがあるのだから、お金かけてもちゃんとコンテンツを作るべきという提案をしていきたいと思います。

▼LINEのサービス「LINEギフト」の広告として配信したマンガ「プレゼント・ハラスメント!」。150万人が読了し、BS-TBSの番組「焼肉女子会&MORE」でドラマ化もされた

20160222_jagat_linemanga
画像参照元:http://news.livedoor.com/article/detail/10808903動画はこちらからご覧いただけます

三枝氏:広告を含めてオンラインの動画コンテンツが増えることは明らかですが、コミュニケーションのツールとして動画が広がっていくには、動画を撮ることにどのくらい慣れるかが大きいポイントだと思っています。どうやって編集したのか分からないような動画を女子高生がアップしているのを見ると、動画を撮影したり編集することに対して抵抗がなくなってきていると感じます。映像に長年関わってきた私たちの感覚を超える新しいクリエイティブが生まれると面白いですね。

動画広告のKPIとしては、再生回数ではなく、どこまで再生されたかが重要だと考えています。「ワンクリック=1再生」としてしまうと、動画の実際の効果が見えなくなってしまいます。そのためC CHANNELでは再生完了率を気にしています。今後はマネタイズの仕組みも、再生時間によって価格帯が変わるような形になっていくといいなと思っています。

:最後に田渕さんから広告主として、スマホ動画を今後活用していく上でのアドバイスをお願いします。

田渕氏:アドバイスになるか分かりませんが、スマホ動画について「とりあえずやってみる」という姿勢が結構大事じゃないかと思っています。谷口さんがおっしゃったように動画って怖いんですよね。制作にかかるコストや時間は小さくないですし、結果が出なかったらどうしようという不安でなかなか踏み込めない。

しかし、動画の敷居が下がってきていることも事実です。企業や担当者の独りよがりにならないように、お二方のような「怖くないんだよ」って導いてくれるようなパートナーを見つけてくれればうまくいくんじゃないかなと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

動画制作×動画マーケティングにお困りならLOCUSへ

株式会社LOCUSでは大手企業から新進ベンチャー企業まで、800社以上の動画マーケティング支援を行っています。

幅広い用途や、多種多様な表現手法が揃う動画制作実績もご覧いただけます。

Page Top