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インタビューナレッジ 2015年12月17日

【独占レポート】オンラインを活用したブランディング実践テクニック(後編)―ブランド動画制作に必要な3つの視点

キーワード: ブランディング

11月に開催された「オンラインを活用したブランディング施策」をテーマとしたセミナー『Grow with Google』のレポートの後編をお届けします。

今回はブランディングを成功させるための動画制作のポイントを中心に、より実践的なノウハウをご紹介します。

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Google Partner代理店各社からおよそ230名が参加した本セミナー。「オンラインを活用したブランディング施策」をテーマに、最新のマーケティング理論から事例、広告、制作ノウハウまで、非常に示唆に富んだセッションが展開されました。

セミナーレポート後編の今回はその中から、ブランディング動画の制作の考え方を中心にご紹介するとともに、今回のセミナーから学ぶべきポイントをまとめます。

(前編はこちら

ブランディング目的の動画制作に必要な3つの視点

動画制作に関するセッションを展開したのはLOCUS 営業本部 営業推進室 リーダーの満留幸治です。数多くの企業の動画プロジェクトを手がけてきた実績に基づき、ブランディングを成功させるための動画制作の考え方が紹介されました。

前段として満留は、なぜ動画を制作したいのか、と問いかけました。

「まず確認していただきたいのは、そもそもなぜ動画を作るのか、ということです。動画の目的は、従来のオンライン広告の主流である獲得目的のものと、認知拡大やブランディングを目的としたものに大きく分けることができます。前者は売上やコンバージョンなどの即効的なパフォーマンスが求められます。これに対し、ブランディング動画はファンや優良顧客を育成するという長期的な取り組みという立ち位置になります。この違いを正しく理解しないと、クリエイティブが迷走する可能性がありますし、KPIの設定も正しく判断できなくなります」(満留)

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そして今回のセミナーのテーマであるブランディング動画の具体的な目的は、前のセッションでも度々述べられてきたとおり、具体的なニーズ(=Micro-Moments)が発生した際にブランドの存在を思い出したり、検討の土台に上がる可能性を高めるために、広く認知や好意を獲得することにあります。

そのため、多くの人が興味関心を抱き、共感し、シェアしたくなる、すなわちエンゲージメントを獲得する力のあるコンテンツが必要となるのです。

それでは具体的に、どのようにブランディング目的の動画を企画すればよいのでしょうか。

「重要な視点は『WHAT(何を)』『HOW(どのように)』『WHY(なぜか)』の3つです」(満留)

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WHAT――何をメッセージとして伝えるのか

WHATは、動画を通して伝えるブランドのメッセージであり、企画の根幹を成すものです。

しかし、このWHATが明確になっていない状態で、”こういうイメージの動画を作りたい”とだけ相談する企業がしばしば見られるようです。

これに対し満留は「このような考え方は実はとても危ないと私は思っています。WHATがないままに、表現手法やバイラル化だけを考えていても、結局完成しなかったり、なんとか作り上げても何の効果も上げない、ということにもなりかねません」と注意を促します。

それではブランディング動画において、何をメッセージとすべきなのでしょうか。それはブランドの「コア・バリュー」です。コア・バリューとは、ブランドを構成する要素の中で最上位の核となるもので、ユーザーの生活の中に提供しているブランドの価値や意味です。つまりブランディング動画の制作は、自社ブランドのコア・バリューを見つめ直すことから始まるのです。

「なお、ブランドのコア・バリューを整理する際、それが本当に適切かどうかを検証するには、ターゲットインサイトと照らし合わせてみてください。顕在化しているニーズに直接的に応える場合であれ、潜在的なニーズを掘り起こす場合であれ、ターゲットのインサイトに応えていることが、ブランディングを図る上で非常に重要な要素となります」(満留)
右図:「プラットフォームブランディング」(川上 慎市郎・山口 義宏 著)より引用

HOW――どのように伝えるのか

伝えるべきブランドメッセージを見極めたら、次は伝え方を考えます。その際、多くの共感を得るのに有効なのが、人の心を動かす情緒的なアプローチです。

「何かに感動したり、泣いたり、驚いたり、といった感情は人間が持つ普遍的性質です。過去にSNS上で多くシェアされた動画のランキングを見ても、「感動系」「笑い」「驚き」などの動画が並んでいます。(参考記事)」(満留)

人は感情を動かされ、共感を覚えると、さらにそれを他の人に共有したくなります。つまり、ブランドメッセージに、感情を揺さぶる要素をリンクさせることがエンゲージメントを獲得するカギとなるのです。

WHY――なぜその企画なのか

最後にWHATとHOW、すなわちブランドメッセージと、起こしたい感情がきちんとリンクしているかを確認するプロセスがWHYです。

満留は昨年「泣ける」と話題になった1つのブランディング動画事例を例に挙げて解説しました。

▼岩手県の音楽教室「東山堂」のブランディング動画

 

このブランディング動画では、以下のように企画が組み立てられたと推測されます。

岩手県内で音楽教室を展開する株式会社東山堂は、"少子化"という逆風の中、新規生徒を獲得するために、動画のターゲットを「音楽(の演奏)に興味を持つ大人」に設定。コア・バリューに『想いを表現する力を身に付けられる音楽教室』を置き、『音楽は、言葉を超える』というブランドメッセージを開発しました。

これは『(音楽という形で)自分の想いを表現したい、伝えたい』というターゲットのインサイトにも合致しています。

その上で、もっとも共感される感情は「親が子どもの幸せを願う普遍的な"愛"」ではないかと仮説を立て、結婚式という舞台で、父親が言葉を発することなくピアノ演奏を通して新婦に想いを伝えるというストーリーが企画されたと考えられます。

「HOWに正解はありません。感動系だけでなく、ユーモアやサプライズなどの感情を掛け合わせたブランディング動画も数多く存在します。だからこそ大切なのが、WHATとHOWがきちんとリンクしていること、WHYをロジカルに説明できることです。WHATにどんなHOWを掛け合わせれば共感を生むのか、という流れで考えていくことが、ブランディング動画を企画する際のポイントと言えます」(満留)

動画広告の有効活用とHHH戦略によるエンゲージメント深化

以上のように、人の感情を動かすブランディング動画を制作することで、多くの人の自発的な動画視聴を期待することができます。しかし今やYouTubeでは1分間に400時間分の動画がアップロードされる時代であり、無数に存在する動画の中から自社のブランディング動画を見つけてもらうことは容易ではありません。

そこでオンライン動画広告を活用することを満留は提案します。

「潜在層を含め、ターゲット層に効率良くブランディング動画を届けるには動画広告が有効です。適切にターゲティングしながら広告配信を行うことで、新たなファンを創出するブースターとして機能し、高いROIも期待できるでしょう」

そして、今回のセッションではHHH戦略(参考記事)のHeroコンテンツに該当する動画の制作にフォーカスしましたが、Heroコンテンツと広告配信を活用し、ターゲット層を含む多くの人の認知や興味を獲得したあとは、ターゲット層のより具体的なニーズ(=Micro-Moments)に応えるHubコンテンツやHelpコンテンツも通してエンゲージメントを深めていくことも、同時に重要であることを最後に強調しました。

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セミナーの最後に設けられた質疑応答のコーナーでは、KPIの設定方法に関して質問が上がりました。これから初めてオンライン動画に取り組む企業は、どのようにKPIを見つけていけば良いのでしょうか。

LOCUSの満留は「弊社ではまず、クライアントが現在行っているマーケティングの中で、動画に何を期待するのか、というところからヒアリングしていきます。"動画だからこのKPI"という考え方ではなく、あくまでマーケティング全体の中で動画をどのように活用していくか、という視点が重要ではないでしょうか」との考えを示しました。

これを受け、Googleの中村氏は「我々もオンライン動画の効果を可視化するための効果計測機能や測定項目の開発を続けています。この領域はこれからもどんどん進化していきますので、ご期待いただければと思います」と締めくくりました。

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充実のセミナーを振り返って

前後編にわたってお届けしてきたセミナーレポートですが、改めて重要なポイントをまとめます。

  • スマートフォンの普及により、生活者の具体的ニーズが発生した瞬間=Micro-Momentsを捉えることが重要に
  • Micro-Momentsで検討対象となるためには、事前の認知獲得、すなわちオンラインでのブランディング施策が必要であり、その際に動画が有効
  • Micro-Momentsは常に発生する可能性がある。認知を継続させるために、リーセンシーを目的とした短尺動画広告も有効な手段のひとつ
  • ブランディング動画の制作は、ブランドのコア・バリューがターゲットインサイトと合致しているかを確認することから始まる
  • 動画の企画はブランドメッセージと感情の掛け算で
  • ターゲット層に効率良くブランディング動画を届けるためには動画広告の有効活用を

Google社によると、2015年の新規アカウントにおける動画広告利用額は前年比+100%以上の成長を見せているそうです。市場はまだまだ成長途中であり、特にブランディング領域における成功へのベンチマークやロジックも各社が模索している段階です。つまりさまざまな可能性を秘めていると言えます。

オンライン動画は、初めて実施する企業にとっては多少ハードルが高い施策であることは事実です。しかし、ブランディングの必要性が高まっていること、そしてブランディングにおいて動画が有効なことは、本セミナーレポートを通して理解が深まったのではないかと思います。

ぜひ次年度に向けて、動画を使ったブランディングを積極的に検討されてみてはいかがでしょうか。

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