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インタビュー 2013年08月30日

【インタビュー】土屋鞄製造所が伝えようとしたこと。-マーケティングと呼ばないマーケティング。

”長く愛せる、丈夫でシンプルなものを作ることを大切に”
土屋鞄製造所様のパンフレットをめくると、そんな文字が目に飛び込んできます。

インタビューの際、工房での職人達の真剣な表情や、あたたかく迎えていただいたスタッフの皆様の表情がふっと思い出され・・・この言葉がより一層染みこんできます。

使えば使うほど味が出る革と同じように、インタビューでは、お話を伺うほどに土屋鞄様の”大切にしているもの”が自分の中にどんどん伝わってくるように感じました。

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自分たちで作り、そして自分たちで直接お客様に届ける

1965年、2人の職人が小さなランドセル工房としてスタートさせた土屋鞄製造所。鞄・小物を中心に企画、製作、販売を全て一貫して手がけており、お客様へ直接製品を販売することを大切にしています。

当時、職人といえば請負制作することが多かった時代。土屋鞄は”自分たちで作り、そして自分たちで直接お客様に届ける”ということをずっと行なってきました。それは今でも変わらず続いています。

▼創業者の土屋國男様

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言葉数の少ないコミュニケーションの循環

”作り手の顔を見せることは、使い手に思いが伝わること”

工房の一角、そこには子供の視線の高さに窓が切り抜かれた見学スペース。
ただ黙々と作業を進める職人たち。

子どもたちは背伸びをして柵の上から、かがみこんで覗き窓から、職人たちが黙々と鞄をつくる様子を見つめています。
この場所ではランドセルを持ち帰ることは出来ません。
それでも、商品と職人を見るために、子どもたちは訪れます。
店舗のスタッフはそれを笑顔で迎え、職人たちはただただ働く姿で応えます。

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”お客様の声を、また次のものに生かす”

また別の一角。そこにはお客様からの手紙が貼り出された壁。

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クレヨンで描かれたランドセルに添えられた言葉は「とどいたよ」「つくってくれて」「なおしてくれて」そして「6年間」、『ありがとう』

それはただの「お客様の声」ではなく、職人たちが鞄に込めたメッセージに対する返信のようでもありました。
そして、そうやって寄せられた声に職人たちは、「もっと愛される商品を作る」という無言のメッセージで応えます。

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工房の見学スペースで、お客様からいただいた手紙で、そして職人が作り出す鞄で、言葉数は少なくても、そこには確かなコミュニケーションが感じられました。

伝えることで職人たちが鞄に込めた思いが理解され、鞄が大切にされる。
伝えられることで鞄とともに生まれるたくさんの物語を知ることが出来る。
そんな物語を知ることで、職人たちは更に鞄に思いを込めてよりよい鞄を作る。
そしてそれが新たなメッセージとなってお客様の手元に届けられる。

そんなコミュニケーションの循環が生まれているようでした。

溢れる想いと、動画でしか伝わらなかったこと。

”伝えたいこと(想い)が多すぎて、うまく伝わらない”

WEBサイトにも、そんな循環の中での「伝えたい想い」があふれています。

  • 限られた直営店かWEBサイトでしか販売していない土屋鞄。
  • よりたくさんのお客様に商品を手にして欲しい。そして、鞄に込めた想いを伝えたい。
  • そんな願いが、WEBサイト上では様々な形で表現されています。
  • 自然な生活の一部を切り取ったような写真。
  • 独特の風合いの景色の中に織り込まれた革製品たち。
  • 選ばれたわずかな言葉だけで綴られたコピーライティング。
  • スタッフや職人たちの笑顔や真剣な眼差し。

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”写真一枚、言葉だけでは伝えきれない想いがたくさんありました。”

そして、写真やコピーライティングだけでは伝えきる事ができなかった、さらに溢れ出す想いは動画となって伝えられています。

たとえばそれは、ランドセルに込めた、子供の健やかな成長へのねがい。

たとえばそれは、人生をともに歩むパートナーのような存在でありたいという土屋鞄の想い。

たとえば、繊細で正確な職人の技。製品と向き合う職人のまなざし。緻密な作業が行われている工房の空気感。

そんな色々な想いが、それぞれの動画となって、動画だからこそ伝えられる表現で、発信されています。

”人と人との想い出を、長く使える鞄というものを通して、いつまでも大切に繋ぎたい。”

当然、ベースには「職人が心を込めて生み出した鞄を大切にしてほしい」「もっと多くの人に鞄を手にとって欲しい」という想いがあります。

ただ、この映像たちが担う役割はそれだけではなく、鞄を贈ることを通して、贈り手から受け手へ伝えられる想いや、鞄というものを通して築かれる人と人とのつながり、そんなことを伝えようとしているようにも感じられます。

伝え続けることでうまれたこと。

こうして、鞄とともにたくさんの溢れるメッセージを伝え続けることで進化、成長してきた土屋鞄。

創業から50年弱経った今、全国に17店舗を展開、Facebookページは21万いいね!を突破し、その知名度とファンからの支持は根強いものになっています。

しかし、この動画の作られ方を聞くと、メッセージを伝え続けることで得られたものは、店舗の拡大やファンの獲得だけではなかったようにも感じられます。

動画のクオリティの高さ。いろいろな種類の動画があるにもかかわらず統一された世界観。そしてひしひしとにじみ出て伝わってくる確かなメッセージ。それらがどうやって作られてきたのかを担当者の方に聞くと、

”「動画をやろう」と思って始めたわけではないんです。より深くお伝えするための方法のひとつとして選んだのが動画でした。”

そんな答えが返ってきました。

けれど、そんなシンプルな答えから感じられたものは、まるでこれらの動画は鞄を作るように作られていたこと。

  • 「動画を作る理由」は、土屋鞄が鞄を作る理由のように。
  • 「動画で伝えるメッセージ」は、鞄を通して届けているたくさんの想いのように。
  • 「動画が作り出す世界観」は、土屋鞄が鞄作りでも大切にしているコンセプトのように。

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”ありのままをなるべくシンプルに伝えたい。”

情報を発信する手段が多様化する中、企業が何らかのメッセージを発信しつづけようとする時、そして伝えたいものが表層的なものではなく本当に伝えたいものであるとき、それが正しく伝わるには、技術やテクニックや作られたシナリオではなく、飾らずに伝えたい想いに真摯に向き合うこと、そして、それを続けることで、この土屋鞄の動画のように、ただありのままをシンプルに伝えているだけに見える動画でも、これだけ確かな世界観やメッセージを伝えることが出来るのではないでしょうか。

マーケティングと呼ばないマーケティング。

大切にしていること”美しさと丈夫さ、そして品があること。”

わたしたちが取材にうかがって出会った人、工房の様子、並べられた鞄たち、そしてWEBサイトの写真やコピーや動画。そのどれをとってもそこには確かな「土屋鞄製造所」が存在していました。それはまるで企業理念やアイデンティティそのもののようにも感じられました。

本来企業理念が”ただ言葉で書きだした文を並べてつくられるだけのもの”であるべきではないのと同じように、ただ自分たちの進もうとする道に向けて一歩一歩向き合いながら歩み続けること、それを自社のサービスを通して伝え続けることで、そこに言葉はなくても確かな企業理念やアイデンティティが生まれてくる。そんなことを感じることが出来ました。

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<編集後記>

当サイト、movieTIMESは、「WEB動画マーケティング」に特化したニュースサイトです。しかし、今回の土屋鞄製作所の取材の中で、「マーケティング」という言葉に触れることは一度も有りませんでした。

それでも取材を経て私たちが感じたことは、ただありのままをシンプルに伝えるために作られた動画であっても、そこに確かな想いと伝えたいことが込められたメッセージは、お客様とのあいだで自然発生的な対話を生み、理解と共感を深めるコミュニケーションを発生させるという、まさに「マーケティング」そのものであるということでした。

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