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動画広告のKPIはどのように決めるべきか――Google BrandLabが提案するKPIの設定から効果測定、最適化まで

2016年04月25日

キーワード: 動画広告

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オンライン動画広告は配信して終わりではなく、効果検証を行い、キャンペーン効果をさらに高めるための最適化を図っていくことが重要です。
そこで今回はマーケティング担当者向けのワークショップを開催している「Google BrandLab」が提案する、KPIの設定からキャンペーンの最適化までの4つのステップをご紹介します。

4つのステップ
 ――目的に合ったKPIの設定、効果測定から最適化まで

動画広告キャンペーンを実施する際は、「広告接触を通して視聴者にどのようなアクション、態度変容を期待するか」というところからその目的を明確にすることが大切です。そこでまずは、どのようなキャンペーン目的が考えられるのかを見ていきましょう。

ステップ1
キャンペーンの目的を明確にする

動画広告のゴールは、ターゲット層に商品やサービスを認知され、その購入を検討してもらい、そして最終的には具体的な売上げにつなげていくことにあります。

オンラインショッピングやレビューサイトの閲覧、モバイルでの検索、ソーシャルメディアの情報など、ターゲット層が商品やサービスを認知してから購入するまでの過程にはさまざまなタッチポイントがありますが、基本的な考え方として、商品・サービスの存在を知ってもらうのか(認知)、商品やサービス価値を訴求して購入検討につなげるのか(検討)、それとも、購入や問い合わせなどの具体的なアクションを促すのか(行動)、の中から優先すべき目的を1つ選びましょう。
そのヒントとして、ターゲットとなる視聴者の状況やインサイトをよく研究することも有効です。解決すべき課題が、存在を知られていないことにあるのか、他社との違いやメリットが伝わっていないことにあるのか、などからキャンペーンの目的を明確にすると良いでしょう。

ステップ2
キャンペーンの目的に合ったKPIを定める

目的が明確になったら、その達成のゴールラインとなるKPI(Key Performance Indicator, 重要業績指標)を設定します。KPIとは「認知」「検討」「行動」といった目的(KGI)の達成度を計るための中間的な定量的な指標のことです。

オンライン動画では再生回数や視聴完了率、クリック数など、さまざまな計測項目や指標が存在します。しかし、測定できるすべての指標を見ていても、キャンペーンの本当の効果は把握できません。効果を知るためには、事前に仮説や目標を持ってキャンペーンを実施することが重要であり、そのためには複数の効果測定項目から、目的に合ったKPIを設定し、その指標を重点的に見ていく必要があります。キャンペーンの目的に適さないKPIを選択すると効果を正しく見ることができないため、KPIの設定は動画広告施策の中でもっとも肝心なステップと言えます。
「認知」「検討」「行動」の3つの目的ごとに注目すべき効果測定項目を分類しているのが以下の表です。

▼目的に合わせたKPIの設定

表-1https://www.thinkwithgoogle.com/articles/how-identify-right-kpis-online-video.htmlをもとに作成

YouTubeの動画広告では視聴回数や再生時間、クリック率といった定量的なデータだけでなく、認知度や好感度といった定性的な効果を数値化して把握できる「ブランドリフト効果」の測定もあり、さまざまな視点で動画広告のパフォーマンスを見ることができます。なお「ブランドリフト効果」は、アンケートなどを用いて、各計測項目における動画広告視聴者と非視聴者の数値を比較することで算出します。下でそれぞれの項目の意味を解説していますので、これらの中から目的に応じてどの測定項目をKPIとするのかを定めましょう。

認知

視聴回数
動画広告をユーザーが視聴または再生した回数
インプレッション
動画広告が画面上に表示された回数。再生されているかどうかは問わない
ユニーク視聴者数
動画を視聴した人数。同じデバイスから2度再生されてもユニーク視聴者数は1回とカウントされる

【ブランドリフト効果】
ブランド認知度の向上
動画広告がブランド認知度の向上につながったかを、非視聴者の認知度との比較から測定。どの属性グループが一番ブランドを認知したかも分かる[測定方法:アンケート]
広告想起率の向上
関連ワードから動画広告を思い浮かべるかをアンケートにより測定。異なるクリエイティブで比較し、どの広告がもっとも覚えられているのかを知ることもできる[測定方法:アンケート]

検討

視聴完了率
「広告の表示回数(=インプレッション)」のうち「完了まで、または 30 秒以上再生された回数」の割合
再生時間
動画の総再生時間

【ブランドリフト効果】
ブランド好意度の向上
動画広告によりブランドに対する好意度に変化が見られたかを、非視聴者との比較から測定。企業ブランディング、商品ポジショニングの定点観測ができる[測定方法:アンケート]
比較検討の向上
広告メッセージがブランドや商品の比較検討を促せたかを非視聴者との比較から測定[測定方法:アンケート]
ブランド関心度の向上
GoogleとYouTubeにおいて指定したキーワードのオーガニック検索数が、動画広告配信前後で変化したかを測定。広告の内容がユーザーの興味・関心を引き、検索を促せたかが分かる[測定方法:サーチリフト]

行動

クリック数
動画広告をクリックされた回数
問い合わせ件数
動画広告配信後の商品やサービスに関する問い合わせ件数
会員登録数
動画広告配信後の会員登録数
売上
動画広告配信後の売上

【ブランドリフト効果】
購入意向の向上
実際に買ったかどうかに関わらず、購入意向の変化を
、動画広告の非視聴者との比較から測定[測定方法:アンケート]

ステップ3
KPIに合わせて、アナリティクスツールやサービスを選択する

キャンペーンの目的に合わせてKPIを設定したら、ツールなどを活用し実際に効果測定を行っていきましょう。

YouTube の効果測定には、YouTubeアナリティクス、Googleアナリティクス、AdWordsのレポート機能、そしてブランドリフト調査を使うことができます。

動画再生時間や視聴率、クリック数などリアルタイムで実測できる項目はYouTubeアナリティクス、Googleアナリティクス、AdWordsでチェックできます。これらのツールで得られる数値データについては、キャンペーン開始時からの推移を見たり、前回キャンペーンと比較することで、効果や課題が見えてきます。

YouTubeアナリティクスはYouTubeアカウントを開設すれば無料で利用できます。Googleアナリティクスは無料版の「スタンダード」と分析機能やサポートを強化した有料版の「プレミアム」が用意されています(詳細)。AdWordsはGoogle AdWords アカウントの開設(無料)で効果測定機能を利用できます。

一方、ブランドリフト調査では、リアルタイムの反応ではなく、動画広告の視聴が結果的にどのような態度変容を引き起こしたかを知ることができます。これもGoogleが提供する無料サービスですが、現時点では一定額以上の出稿がある企業にのみ提供されています。

ほかにも、Googleが提供している企業向けの市場調査サービス「Google Consumer Surveys」(有料)を使って独自アンケートを実施し、ブランドや商品・サービスに関する意識調査を行うこともできます。Google Consumer Surveysは、Googleを通じてオンラインサイト上で任意のアンケートを配信するもので、ユーザーはアンケートに回答することによって閲覧サイトの詳細や記事の内容を見られるという仕組みになっています。ブランドリフトのアンケートとは異なり、特定の広告キャンペーンにひもづいたアンケートの配信はできませんが、年齢、性別、地域などのターゲティング設定ができるため、ターゲティング層への広告の影響度合いをアンケートから把握できます。

▼それぞれのツールで測定することができる項目

表-2https://www.thinkwithgoogle.com/articles/how-identify-right-kpis-online-video.htmlをもとに作成

ステップ4
モニタリングと見直しによって最適化を図る

動画広告のパフォーマンスを測る際、業界や競合他社のキャンペーンにおける再生回数などと比較してしまいがちですが、他社との比較は、キャンペーンの成果を判断する最適な手段とは言えません。なぜなら、キャンペーンによって目的、KPI、ターゲティング、リーチ獲得にかける投下予算などが異なり、動画の尺やBGM、企業ロゴの表記、有名人の起用などのクリエイティブ要素も動画広告のパフォーマンスを左右するため、同一条件のもとで比較ができないからです。

そのためGoogle BrandLabでは他社キャンペーンとの比較ではなく、自社の基準を設定して効果改善を行っていくことを推奨しています。測定結果を前回のキャンペーンと比較をしたり、A/Bテストを実施して、動画のクリエイティブやターゲティング、投下予算を調整しながらキャンペーンを最適化していきましょう。

ケーススタディ

次に実践編として、P&Gが販売している洗濯洗剤Tideが行った「Tide Pod Challenge」に4つのステップを当てはめながら振り返ってみます。

「Tide Pod Challenge」はYouTubeクリエイターたちとコラボレーションし、クリエイター各々のスタイルでTide Podの洗浄力の高さを表現するコンテンツをシリーズ配信するというキャンペーンでした。

本キャンペーンでは4つのステップが以下のように実行されました。

ステップ1:キャンペーンの目的を明確にする
……キャンペーンの目的を商品の「検討」に設定

ステップ2: キャンペーンの目的に合ったKPIを定める
……視聴完了率をKPIに選択。あわせてブランドリフト効果にも着目

ステップ3: KPIに合わせて、アナリティクスツールを選択する
……YouTubeアナリティクスを利用して視聴完了率を計測したところ、高い効果が見られ、ブランドリフトでも「比較検討」における向上が見られた

ステップ4:モニタリングと見直しによって最適化を図る
……2回目のキャンペーンでは視聴完了率を高めるために、動画シリーズの中でスコアの良かった作品を、Tideのチャンネル登録者とそのYouTubeクリエイターのチャンネル登録者に絞ってリターゲティング配信。結果としてCPVを前回のキャンペーンよりも50%削減することができた

キャンペーンを実施する上で気をつけたい3つのポイント

Tideのキャンペーンでは、目的に合わせて設定したKPIを軸に、もっとも効率的で高い効果の見込めるアプローチをリアルタイムで試していくことでキャンペーン効果を高めることに成功しています。

この事例のようにキャンペーンを成功に導くために、以下の3つのポイントに気をつけながらKPIの設定、分析、最適化を行っていきましょう。

1. 社内外のチームやパートナー代理店とキャンペーンの目的、KPIを企画段階から共有する

キャンペーンの目的、KPIをもとにクリエイティブの内容、ターゲティング、広告出稿方法を決めていくことが重要になるため、キャンペーンに関わる人たちの間で共有し、同じ目線で施策を考えることが大切です。

2. KPIとする測定項目を安易に変えない

4つのステップでも紹介したように、KPIを指針として効果の改善をすることが重要です。もしなかなか成果が見られなくても、KPIを変えるのではなくクリエイティブや配信方法の見直しによって改善を図ります。また、例えばKPIを「比較検討」という態度変容に設定している施策で、予想以上に動画の再生数が伸びたからと言ってそれで満足するのではなく、あくまでKPIを見ることが重要です。

3. こまめにアナリティクスをチェックする

アナリティクスをチェックする日や時間を決め、日々の変化を把握していきましょう。定期的に記録をしていくことで、KPIに設定した項目において高い効果が出ている動画広告の配信を拡大し、パフォーマンスの低い動画広告を停止させるといった最適化を図れるようになり、費用対効果の向上も期待できます。

hr

今回ご紹介した4つのステップはYouTubeに限らず、動画広告の成果を知る上で基本となる考え方です。動画プラットフォームや各種ソーシャルメディアで計測できる効果測定項目を知り、キャンペーンの目的に合わせてKPIを設定しましょう。継続的な測定と、効果改善のためにPDCAのサイクルを繰り返すことが動画マーケティング施策の効果を高める一番の近道になります。

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